「NAB2001リアルタイムレポート」
世界最大の放送機材展、米ラスベガスでいよいよ明日開幕


会期:4月22~26日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
     Sands Expo Center


 ラスベガス。カジノとエンターテイメントの街として知られるこの一大歓楽街は、同時にコンベンションの街でもある。

 そのラスベガスでいよいよ明日、現地時間の23日(月)から、NTSC圏で最大の放送機器展、「NAB2001 (National Association of Broadcasters)」がスタートする。

今はまだ閑散としているシャトルバス発着所付近。シャトルバスはホテルと会場を結ぶ足代わりとなる

 その規模は、ラスベガスで開催されるコンベンションとしてはCOMDEXについで2番目、約15万人の参加者が世界中から集結する巨大イベントである。そしてその内訳は、出展者であるメーカーが1,700社以上、もちろん見学者もほとんどが何らかの形で放送など映像の仕事に従事している人間、いわゆる“ギョーカイ人”オンリーの世界である。

 いちおう業界人の端くれとして、わたくし小寺信良がお送りする今回の「NAB2001リアルタイムレポート」。おそらく筆者の知る限りでは、インプレスのような一般向けのメディアでNABショーのリアルタイムレポートを掲載するのは、国内初の快挙と言っていいと思う。

 ただし時差などの関係で、4日間のレポートが掲載されるのがおよそ1日遅れになってしまうということをあらかじめご了承願いたい。

会場の1つとなるラスベガスコンベンションセンター(LVCC) 明日は業界人でごった返すであろうエントランス付近

 本日はまず、普通の人にはなじみのないNABショーについてのイントロダクションを、開催前日会場の準備風景とともにお送りしよう。

会場前広場では明日の準備が着々と進んでいる 広告用大型ディスプレイも最後の調整に余念がない

 開催を明日に控えた日曜日のラスベガスコンベンションセンター(LVCC)では、着々と準備が進められていた。会場の中は、プレス関係者でももちろんシャットアウト。一台数千万円の放送機材は、セッティング中がもっとも機密が漏洩しやすいため、出展者以外は入ることができない。

 また、メーカー間の情報戦をさけるため、最新機材は展示ホールではなく、独自にスイートを設けてそこでしか展示しないというメーカーもあるぐらいだ。それだけ競争に負ければ損失が大きい、まことに厳しい世界なのである。

 そして、放送業界全体におけるNABの意味は、非常に大きい。放送に関係しているほとんどのメーカーが、このショーのために開発スケジュール合わせて新製品を投入。それを導入する側ももちろんこのタイミングを狙ってくる。大手メーカーではこのたった4日間の期間中に、数十億単位の商談を取り付けるチャンスでもある。

 国内企業でも、映像部門を持つメーカーはすべて出展していると言っていいだろう。ざっと出展リストから拾ってみると、業界最大手のSONYをはじめ、Panasonic、Toshiba、Hitachi、NEC、Mitsubishi、JVC、Canon、NTTと、誰もが知るメーカーばかりだ。たとえば家電メーカーとして、これらの企業を見たとしても、NABに出展する意味は大きい。すなわちもっともシビアなプロの現場で通用する機器を作れるという技術力を誇示すること自体が、大きな宣伝となるからだ。

巨大トレーラーで埋めつくされた中継車展示エリア パラボラアンテナのセッティングだけで3人がかり
 21世紀最初の放送機材展、NAB2001は、これからの放送というメディアにどのような可能性があり、どのように業態が変化していくのかを占う、重要なイベントとなる。

 我々の生活の中に密着したあのテレビが、アナログからデジタルへ、標準放送から高精細度放送へ、1局1チャンネルからマルチチャンネルへと進化。同時にインターネットもISDNレベルからブロードバンドへと爆発的な進化を遂げてゆくなかで、映像は我々にどのような夢を見せてくれるのだろうか。

 放送に従事しない一般の方でも、来年そして地上波デジタル放送元年となる再来年の放送の行方には、絶対に無関係ではいられないのだ。

 明日からもガンガンレポートしていくので、「NAB2001リアルタイムレポート」に是非ご注目いただきたい。

□NAB2001のホームページ(英文)
http://www.nab.org/conventions/nab2001/attendees/exhibitors.asp

(2001年4月23日)


= 小寺信良 =  無類のハードウエア好きにしてスイッチ・ボタン・キーボードの類を見たら必ず押してみないと気が済まない男。こいつを軍の自動報復システムの前に座らせると世界中がかなりマズいことに。普段はAVソースを制作する側のビデオクリエーター。今日もまた究極のタッチレスポンスを求めて西へ東へ。

[Reported by 小寺信良]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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