|
|
NABでも要注目のAdobeブース |
初公開のAfter Effects 5.0 |
ついに発売された、あの映像合成アプリケーションで有名な「After Effects」の新バージョン「5.0」。新バージョン最大のポイントは、映像レイヤーが3D空間に配置される点。今まで各レイヤー間の前後関係が固定であったのに比べて、よりフレキシブルな画像合成が可能になった。
これにより、カメラが映像の間を飛び回るフライスルーなどが簡単に製作できる。この点はプロユーザーの多くがエフェクタとしての機能として要望が強かったところ。今回のバージョンアップによって、同社の編集アプリケーションPremiereとの違いがより明確になったと言えよう。
またコントロール系では、レイヤー同士で親子関係が作れる「ペアレント・コントロール」、エフェクト・パラメータ間をJAVA Scriptで制御する「エクスプレッション」といった機能が搭載された。GUIもそれに合わせて進化しており、メジャーアップグレードというところを強く印象付けている。
出力面では、RAMプレビューした結果をそのまま最終出力に利用できたり、WEBアニメーションではスタンダードなフラッシュ形式(.swf)での出力もサポートするなど、細かなところでの強化も行なわれている。
米国ではすでに出荷が開始され、来場者の関心も高い。デモンストレーションエリアでは、立ち見の人垣が通路を挟んだ向かいのブースにまであふれるほどの盛況ぶりであった。
気になる日本語版の発売は、プレスリリースよりも少し遅れて6月上旬になる見込み。またプロバージョンへのアップグレードおよび新規購入者の中から抽選で30名に、Wacomのタブレットをプレゼントする日本だけのオリジナルキャンペーンが実施される。
■ Pioneer、DVD-R/RWドライブの米国発売近し?
Pioneerブースでの注目は、なんといってもDVD-R/RWドライブ「DVR-A03」。これ一台でDVD-R(for General)、CD-R、CD-RWが書き込めるとあって、注目を集めている。
日本市場での発売は、なかなか見えてこないドライブであるが、ここNABではドライブ単体の展示はもちろん、単体売り用の製品パッケージも展示されていた。米国では一足先に単体発売に向けて着々と進行している模様。
しかしNABの来場としては、PC搭載ドライブよりもむしろ、北米では初めて発表になったDVD-R/RWビデオレコーダのほうにより注目が集まっていた。
■ Apple、「Final Cut Pro 2」を中心に幅広いソリューションを展開
|
常に大混雑のAppleブース |
放送業界では、Macintoshは特にクリエイティブ系に人気が高い。Appleブースでは、同社のノンリニア編集アプリケーションの新バージョン、「Final Cut Pro 2」を中心とした数多くのソリューションを展示、多くのユーザーが熱心にデモンストレーションに見入っていた。
Final Cut Pro 2ならではの新機軸としては、Matroxと共同開発したリアルタイムエンジンを使うことで、プレビューや一部のエフェクトがリアルタイムで処理できるようになったこと。このリアルタイム機能実現のため、Final Cut Pro開発チームは約1年かけて、ソフトウエア内部の大半を新たに書き直している。前バージョンの1.2に比べ、GUIを含めた機能変更点は80カ所にも及ぶという。
|
|
リアルタイムエンジンを搭載したFinal Cut Pro 2 |
汎用ソフトながらHDTV編集まで対応 |
またFinal Cut Pro 2は特定のハードウエアに依存しないため、様々なビデオ入出力カードと組み合わせることができる。Pinnacle Systemsのカードを使った非圧縮HD編集システム、同じくPinnacle Systems、Digital Voodoo、Aurora Video Systems 3社それぞれのカードを使用した非圧縮SD編集システム。そしてMobile Solutionsとして同社のPowerBook G4とDVカメラを組み合わせたモバイル編集システムを展示。
さらにストリーミング・フォーマットとしてQuickTime 5まで合わせると、Appleはこれで現存するすべての放送メディアを全域にカバーすることになる。
■ 安定した人気のDPS
|
|
根強いユーザーの支持を得ているDPSブース |
次世代アーキテクチャーを搭載したdpsQuattrus |
カナダのDPSといえば、CG業界ではHDDビデオレコーダ「Perception Video Recorder」で一世を風靡したメーカー。現在は同じカナダの大手ハードウエアメーカー、Leitchの傘下となって製品をリリースし続けている。
そのDPSが展示した「dpsQuattrus」は、4チャンネルのビデオストリームをリアルタイムでエフェクト処理可能な新ハードウエア。圧縮、非圧縮ソースを混在して使用できる。また標準でアナログビデオ、オーディオ入出力にUltra160 SCSIまで搭載したオールインワンカードでもある。なお、デジタルビデオ、オーディオに関しては、オプションで選択する。
このハードウエアは、同社のノンリニア編集システムである「dpsVelocity」の次期バージョンである8.0に組み込まれる予定。
|
dpsVelocity 8.0は注目の的 |
またHDTVのノンリニア編集システムである「dpsRealityHD」も発表された。このシステムはHDTVとSDTVの両方を扱うことができるため、フォーマットが複雑に混在する現状にはありがたいシステムと言える。
「NAB2001リアルタイムレポート」はまだまだ始まったばかり、明日はLVCCのレポートをお送りする。
□NAB2001のホームページ(英文)
http://www.nab.org/conventions/nab2001/attendees/exhibitors.asp
(2001年4月24日)