「NAB2001リアルタイムレポート」 KDDIがau用のMPEG-4オーサリングソフトを世界初出品 |
会場:Las Vegas Convention Center
Sands Expo Center
プロ向けの機材やソフトウェアが集まる「NAB2001 (National Association of Broadcasters)」には、本格的な放送機材以外にも、様々な製品が出展されている。
国内のイベントやショールームでは見ることができないものも多く、興味深い展示が行なわれている。
■ KDDI、携帯電話向けMPEG-4オーサリングソフトを参考出品
au向けオーサリングソフト「Wireless Media Creator」 | モックアップも一緒に展示 |
動画配信サービスそのものが決まっていないため、フレームレートや色数、画面サイズなどは未定。しかし、展示されていたソフトでは、176×144ドットのMPEG-4画像を表示していた。
作業の流れは、メイン編集ウインドウにビデオ素材をドラッグアンドドロップし、つなげていくという一般的なもの。携帯電話の画面を模したウインドウで仕上がり具合を確認できるのが特徴で、デモストレーションされたソフトでは、DVから直接取り込むことも可能だった。また、Adobe Premierのプラグイン形式で配布されることも考えているという。
なお、同社のブースは、マルチメディア系の新進企業が集められた「E-TOPIA」に設営されていた。NAB2001での出展について、同社は「米国でも動画配信の開始が予想され、それを見越してSDKを販売していきたいため」とその理由を話していた。
■ 三洋電機、UXGAで7,700ANSIルーメンの液晶プロジェクタを展示
三洋電機のUXGA機 |
三洋電機の現地法人Sanyo Fishersのブースでは、液晶プロジェクタ群が展示された。メインは国内イベントでも紹介されているUXGA(1,600×1,200ドット)の「PLC-UF10」。
今回も参考出品の扱いだが、天井に2台をスタックして、270インチのスクリーンに投影している。映像ソースにDVDソフトを使用していることもあり、映画館と同じ迫力を体験でき、なかなか席を立たない人も多かった。
また、日本でも4月20日に発売された1,366×768ドット、1,200ANSIルーメンの液晶プロジェクタ「LP-W1000」も出品。米国では5月に発売される予定で、国内と同じくホームシアターに向けた拡販を行なうとしている。それ以外にも、日立、三菱電機が液晶プロジェクタを出展していたが、すべて国内で発売済みのものだけだった。
そのほかプロジェクタ関連で目を引いたのが、日本では3管式プロジェクタ「Cineシリーズ」で有名なバルコが、ここNBA2001ではDLP機や液晶パネルを使用したモデルをメインに展示していたことだ。会場では、SXGA、5,000ANSIルーメンのDLP機「SLM R6」や、10Base-TでLAN接続が可能なSXGA、4,300ANSIルーメンの液晶プロジェクタ「BARCOREALITY 6500 DLC」の投映デモが行なわれていた。
バルコのDLPモデル「SLM R6」 | BARCOREALITY 6500 DLC |
■ ドルビーラボ、24p向けHDTV用「ドルビーE」をデモ
ドルビーEに聞き入る来場者 |
ドルビーラボラトリーズは、フィルム映画のフレーム数にあわせた「24p Dolby E for HDTV」を発表。会場では、デモンストレーションが行なわれた。24p Dolby E for HDTVは、すでに発表されている「ドルビーE」をベースにし、フィルム素材のフレームレートにあわせた方式。映画のデジタル化を見据えた方式となっており、同社の同期インターフェイス「DP579」を使用する。
「ドルビー E」自体は'99年に発売された方式で、オーディオ信号(AES/EBU)あるいは、デジタルVTRサウンドトラックを使って最大8chの伝送が可能な放送用配信のコーディング技術。コンシューマ用のドルビーデジタルよりも、デコード、再エンコードを繰り返しても劣化が少ないとしている。
今回のデモストレーションでは、6本のスピーカーとセンタースピーカー、サブウーファを使い、24p素材とのマッチングをアピールしていた。
さらに、ドルビーラボラトリーズでは、エンコーディングボードの展示や、ドルビー Eのパートナー企業をパネルでアピール。NAB2001の方向性に合わせて、ドルビーE主体のブースづくりを行なっていた。
■ NTT、インターネットを利用したTV放送用双方向端末
Vision Mark用の端末 | チャンネルは2つを予定している |
NTTの展示のメインは無線HDTVカメラ。しかし、それ以外にも、TV放送とインターネットを組み合わせた双方向通信システム「Vision Mark」の紹介も行なった。国内、海外ともに今回が初出展となり、試験サービスの開始は年内という。
Vision Markは、インターネットがTV放送に連動し、放送中に各種情報をインタラクティブに得ることができるというもの。デモによれば、CMの途中で情報を呼び出すして、値段をはじめ、外形寸法などを表示させることができる。
また、家具では戸棚の開き方などをアニメーションなどで体験することも可能。さらに、インターネットのクリッピング機能のように、好きな選手を登録すれば、その選手が出てくる場面だけを表示するなど、様々な使用法が考えられるという。
展示されていた端末のOSはWindowsベースで、Pocket PCをベースにした携帯端末も並んで出品されていた。携帯端末にはバーコードリーダーを備えており、チラシや雑誌などに印刷された参照先を登録したバーコードを読み取ることも可能。家庭用の端末と同期させればバーコード情報がダウンロードされる仕組み。
また、NTTはTBSと共同でブースを設け、BS-iの紹介や東京・渋谷の風景をライブ中継するなど、BSデジタル放送のアピールにも努めていた。
□NAB2001のホームページ(英文)
http://www.nab.org/conventions/nab2001/attendees/exhibitors.asp
(2001年4月25日)
[orimoto@impress.co.jp]
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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp