2001年 夏のボーナス商戦特集

機能・画質でチェックする
低価格プログレッシブDVDプレーヤー



【プログレプレーヤーに注目】【編集スタッフの評価】【各機種の詳細】

■ 編集スタッフによるチェック

KV-36DZ950
 今回用意した4台を、画質と操作性の面でチェックした。参加者は本誌編集スタッフの3名。モニタにはソニーの36型ワイドテレビ「KV-36DZ950」を使用した。スーパーファインピッチ管を搭載した36型の画面で、プログレッシブ変換のきめ細かさと、ちらつきのなさを検証している。

 特に、フィルム素材とビデオ素材それぞれのプログレッシブ変換処理に注目。「ダイナソー」(フィルム)と「クリスティーナ・リッチのピンクモーテル」(ビデオ)については、画面の一部を各機種ごとに撮影し、下記のページに掲載している。

【ダイナソーの画面写真】 【ピンクモーテルの画面写真】

 総合的な画質については、各機種とも主にノーマル設定で視聴したものを基準とした。加えて、特にSN比の悪いソースを使い、ノイズリダクションの効きを確かめている。

●視聴したDVD-Video

機種名 フィルム素材 ビデオ素材 総合画質 メニューの分かり易さ リモコンの操作性 本体デザイン コストパフォーマンス
[Or] [Fj] [Fu] [Or] [Fj] [Fu] [Or] [Fj] [Fu] [Or] [Fj] [Fu] [Or] [Fj] [Fu] [Or] [Fj] [Fu] [Or] [Fj] [Fu]
DVD-RP91
DVD-S1200
DVP-NS500P
XV-P300
※[Or]=orimoto@impress.co.jp、[Fj]=fujiwa-y@impress.co.jp、[Fu]=furukawa@impress.co.jpの略。各人の印象を◎、○、△で表示している。


俺のベストチョイス
松下電器産業 DVD-RP91

 悩んだあげく、「DVD-RP91」をベストチョイスとして挙げたい。プログレッシブ対応はもとより、この価格でDVD-Audio、DVD-RAMに対応しているのが決め手。プログレッシブ出力は、密度の濃さとともにさわやかさも感じさせるバランスのとれた画質。SNも良い。個人的にはあらゆるノイズが嫌いなのだが、本機ならノイズリダクションとの併用で自然に押さえ込めるのがうれしい。機能も上級機なみに豊富で、6万円を切る実売価格を考えると非常にお買い得だ。

 ヤマハの「DVD-S1200」は、「DVD-RP91」のコンパチブル機。前面パネルとリモコン以外に目立った違いはない。そのリモコンだが、再生、停止といったよく使うボタンが小さくて使いづらい。「DVD-RP91」に比べて1万円ほど価格が高いので、所有機器をヤマハで統一したい人が購入するプレーヤーなのだろう。とはいえ、性能の方は「DVD-RP91」と同じくトップレベルなので、むしろこの性能でデザインの統一が図れるヤマハファンが、なんとなくうらやましく感じた。

 実勢5万円弱で購入できるソニーの「DVP-NS300P」だが、ノイズ感、解像感の点で、上記2機種に多少見劣りがした。といってもオートで見る限りはほとんど遜色ないレベルで、価格を考えれば十分に「高画質」といっていい。特にプログレッシブ出力でのビデオ素材の自然さは、今回試した中でも一番。ただし、実売ベースで1万円安となるビクターの「XV-P300」に比べると、機能の少なさからか、個人的には今ひとつ魅力を覚えなかった。画質はビクターより上なので、迷うところではある。

 ベストチョイスは、松下電器の「DVD-RP91」とビクターの「XV-P300」で迷った。「XV-P300」は、筐体のデザイン、質感も好みだが、なによりも実売で4万円弱という価格がすばらしい。リモコンも一番使いやすかったし、メニューもよく考えられている。ただし、どのソースでも解像感と色のりが少しだけ不足気味に感じた。また、再生ソースによっては暗部ノイズが多少目立つ。とはいえ、フィルム素材での出力は滑らかでちらつきがなく、プログレッシブ出力の威力を味わうには十分な画質。価格を聞いたら昔からのDVDファンが驚くこと間違いない。480p対応テレビを所有しているのなら、「はじめてのDVDプレーヤー」としてベストバイだろう。(orimoto@impress.co.jp)

俺のベストチョイス
ビクター XV-P300

 画質を比較すると「RP91」、「S1200」の方がシャープで、発色も良好。しかし、「比較すれば」の話で、一言で画質が劣るとは言いがたい。ビデオソースのプログレッシブ表示や、2-3プルダウン収録ソースの表現力も高いと感じた。十分視聴に耐えうる画質。時間を置いて見比べたら気づかないような違いだと思う。

 ノイズリダクション機能がないため、モスキートノイズの目立つ「スーパーミルクちゃん」の画質はあまり改善されなかった。リダクション機能のある「DVD-RP91」、「DVD-S1200」では効果テキメン。モスキートノイズは大幅に低減し、同じディスクとは思えないほどの画質。ただ、もともとフォーカスが眠たく、ノイズが低減してもシャープさはイマイチ。「状態の悪いソースはあきらめる」と割り切れば、リダクション機能は必要ないだろう。

 4機種中で一番だと感じたのはインターフェイス。GUIは大きめで、再生中の画面に大きく影響するが、機能をはっきり確認できるのでストレスを感じない。自分はそれほど頻繁に調節しないので、「わかりやすいインターフェイス」はありがたい。

 直線を基調としたデザインで、本体カラーもグレーと好み。高さも73mmと薄型。外観で決めるなら4機種中ではこれしか考えられない。価格も、ストリートプライスで4万円程度と、4機種中でもっとも低価格。それでいて高機能、高画質と文句のないプレーヤー。高画質でDVD-Audioにも対応する「DVD-RP91」も検討したい製品だが、「XV-P300」と比較して飛躍的に高画質、というわけでもない。どちらを選ぶかと言われれば、デザイン、価格、そして画質から「XV-P300」を選びたい。ID3タグ対応のMP3再生機能も魅力的。(fujiwa-y@impress.co.jp)

俺のベストチョイス
松下電器産業 DVD-RP91

 ベストチョイスは、今回取り上げた中では一番古い3月発売の「松下 DVD-RP91」。発売から時間がたっていることもあり、実売が6万円を切るようになり、買い頃になっていることも見逃せない。それでいながら、DVD-AudioにもDVD-RAMの再生にも対応しているので、コストパフォーマンスは高い。

 プログレッシブ出力の画質も良好。24p収録のソースも、ビデオソースも申し分なく、価格以上の実力を持っている。特に秀逸なのがノイズリダクション機能。TVシリーズのアニメDVDなどでは、モスキートノイズやブロックノイズが目立つことがある。そういったノイズのかなりの部分を抑えこみながら、ソフトフォーカスがかかったようにならない。ノイズの多いソースを多く持っている人は、この機能だけでも購入する価値があるだろう。

 ヤマハの「DVD-S1200」はDVD-RP91の姉妹機。フロントデザインや、リモコンが異なるが機能は同じ。しかし、実売価格がRP91より高いので、AV機器をヤマハで揃えたい人以外にはあまいお勧めできない。なお、今回の4機種の中で、DVD-S1200のみリモコンの表記が英語だった。この点は、好みが分かれるところだろう。

 ビクターの「XV-P300」は、4万円切る実売価格がなんといっても魅力だ。機能や画質も必要にして十分。また、リモコンも操作がしやすい。特に気に入ったのが設定方法。16:9や4:3といったTVサイズの変更など停止動作が必要な設定変更は煩わしいもの。XV-P300では、設定ボタンを押すと自動的に再生が停止し、設定画面が表示される。設定を終了すると、自動的にレジューム再生される。まったく違和感なく、設定変更が行なえる。

 ソニーの「DVP-NS300P」は、画質や機能などは標準的。しかし、飛びぬけた機能がなく、実売価格も4万円台半ばとXV-P300より少し高い。購入して後悔するような機種ではないが、背中を押してくれる要素が少ないのも確かだ。(furukawa@impress.co.jp)

(2001年6月29日)


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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