2002 International CES会場レポート
―Philips、DVD+R対応DVDレコーダを発表など


会期:1月8日~1月11日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
   Las Vegas Hilton Hotel
   Alexis Park Hotel



 米Philipsは7日(現地時間)、2002 International CESの会場で記者会見を開き、その席上でライトアットワンスの新メディア「DVD+R」に初対応したというDVDレコーダの新製品「DVR985」を発表した。

 また、同社初のマルチチャンネルSACDプレーヤー「DVD962A」の発売も明らかにされた。ただし、両機種とも日本での発売予定はない。

■ 互換性を高めた「DVD+R」を初めて採用

 DVR985は、同社が欧米で発売していたDVD+RWレコーダ「DVR」シリーズの最新機種で、価格は998ドルを予定。発売時期は未定としている。

 最大の特徴は、DVD+RWディスクへの記録に加え、一度しか書き込みできない新メディア「DVD+R」にも記録できること。DVD+RWに比べ、DVDプレーヤー、DVDドライブなどでの再生互換が高まるという。

インシュレータも大型で、高級感もなかなか。上のディスクは+RWのもの 背面パネルの一部。コンポーネント端子が3系統見える 会見では、DVD+RWの優位性を「3つの“C”」でアピールした

 高画質化機能としては、ファロージャ製のプログレッシブ回路「DCDi」を搭載している。これは斜め線などを補完し、滑らかな線を得るなどの特徴を持つLSIで、今回の採用は、三菱の「LVP-XD200」、フナイの「DVD-F500P」といった民生用DVDプレーヤーに続くもの。

 このほか、RCAのコンポーネント端子を入力1系統、出力2系統を装備しているのも注目される。ただし、プログレッシブ出力に対応するのは、そのうち1系統のみ。本体の横幅は、デッキタイプの機器としては標準的な幅430mm前後のフルサイズ。


■ Philips初のマルチチャンネルSACDプレーヤー

マルチチャンネルSACDをサポートするDVD962SA。右のダイヤルは回転せず、単に押し込めるだけ DVD962SAの背面。コンポーネント端子を2系統備え、そのうち1系統はプログレッシブ対応だ。

 「DVD962SA」は、同社初のマルチチャンネルSACDプレーヤー。発売は2月頃で、価格は599ドル。

 再生対応フォーマットは、DVDビデオ、SVCD、ビデオCD、SACD、音楽CD、CD-R/RW、DVD+RWとなっている。映像回路にはDVR985と同じく「DCDi」を搭載し、プログレッシ部出力に対応しているほか、ドルビーデジタル、DTSデコーダも内蔵する。

 また、下位機種の「SACD900」の発売もアナウンスされた。マルチチャンネルSACDには対応していない。価格は299ドル、発売時期は2月。こちらも、日本での発売は予定されていない。


■ HDTV対応テレビなど新製品を数多く発表

 発表会場では、上記以外にも数多くの新製品が披露された。なかでもミニコンポスタイルの「MC-i200」は、インターネットに接続でき、MP3ファイル、MP3PROの再生に対応するというユニークなもの。音響面では、スピーカー上面にもウーファを搭載しているのも特徴的だ。LCDも比較的大きく、演奏中の演出もかなり派手だった。

 また、MP3対応CDプレーヤーの新製品も3種類展示された。そのうちの1つは、8cm CD-Rに対応するタイプ。外形寸法は不明だが、本体幅と奥行きは国内の同等の製品に比べて一回り小さい。

 その他に注目されるのは、同社の学習リモコンシリーズ「Pronto」の新製品「Pronto Neo TSU50」だ。バックライト付き160×100ドットタッチパネル液晶を備え、15個のハードボタンを搭載。1MBのフラッシュメモリを内蔵する。もちろん、パソコンと接続して、自由にカスタマイズできる。実売価格は249.99ドルで、既に出荷が開始されいてる。

MC-i200。MP3、MP3PROの再生が可能 8cm CD-R専用のMP3 CDプレーヤーも展示されていた 学習リモコンの新製品「the Pronto Neo TSU500」も発表された。価格は249.99ドル

HDTVの表示に対応する「Pixel Plus」シリーズの34型直視管テレビ「34PW9818」 家庭用プラズマテレビも展示。42型と32型がすでに欧州などで発売されている

 ディスプレイ関連では、HDTVをサポートする34型のワイドブラン管テレビを展示。「Pixel Plus」シリーズとして拡販を図るという。

 さらに、プラズマテレビ、液晶テレビへの注力も発表された。Royal Philips Electronicsの上級副社長、Guy Demuynck氏はスピーチの中、「欧州における当社のワイドテレビのシェアは高い。この分野でも競争に勝つ」と強気のコメントしている。

 このほか、コダックの接続したテレビにピクチャーCDを再生する「Photo eXpanium eXP601」などが発表されたが、いずれも日本での発売は未定となっている。

□2002 International CESのホームページ
http://www.cesweb.org/
□Philipsのホームページ
http://www.philips.com/InformationCenter/Global/FHomepage.asp?lNodeId=13&lArticleId=

(2002年1月8日)

[orimoto@impress.co.jp]


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