2002 International CES会場レポート
~ カシオ編:カラービデオカメラ腕時計、ゲーム腕時計を参考出品 ~


会期:1月8日~1月11日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
   Las Vegas Hilton Hotel
   Alexis Park Hotel


■ ついにカラームービーが撮れる腕時計が登場!!

誰もが夢見た(?)「ムービーが撮れる腕時計」がついに実現された

 カシオブースに事前の告知もなく展示されていたのが、カラームービーの撮影機能付き腕時計。型番、価格ともに未定としながらも、このコンセプトの製品を早ければ1年以内にリリースする予定だという。

 今回展示されている試作機は、「WQV-10」をベースに開発したものだが、実際の製品ではWQVシリーズとはまったく異なるデザインになるそうだ。

 しかし、展示機は単なるモックアップではなく、実働モデルで8秒間のムービーが撮影できるようになっていた。ムービーの解像度は78×80ドットで、色数は4,096色。現時点では録音機能がないので無声動画となる。フラッシュメモリ1MBを内蔵しており、8秒間のムービーを3本記録可能。ただし、現時点では撮影データを、PCなどの外部機器に転送する手段はなく、この中で再生するしかない。

 担当者は、「あくまでコンセプトの展示であり、これがそのまま製品化されることはない」ことを強調。「実際の製品では、赤外線通信、あるいはその他の手法でのデータのやりとりも行えるようにしたい」と話していた。

 ただし、「MMCなどの外部メモリを利用できるようにする予定は?」との質問に対しては、「内蔵メモリの容量をもっと大きくする予定はあるが、外部メモリを使えるようにする考えは今のところない」と回答した。

 気になる動画のエンコーディング形式だが、「現時点では静止フレームの連続再生であり、特にエンコーディングは行なっていない」とのこと。

 いずれにせよ実際の製品では、今後の業界動向に応じて撮影解像度、色数、音声の有無、エンコードフォーマット、撮影時間などを臨機応変に変更していくようだ。インパクトのある製品だけに、完成度と、実用度の高い仕上がりを期待したい。

 なお同社では、このほかにも映像系腕時計として、MPEG-4再生が可能なものも考えているという。こちらも全くリリース時期は未定だが、32MB以上メモリを内蔵し、MMCなどの外部スロットの採用も考えているという。


■ 腕時計がクレジットカードになる

 「外出時、かならず身につけているものはなにか…それは財布と腕時計だ」。ここを起点にしたプロジェクトが腕時計にクレジットカード機能、すなわち決済機能を持たせようというものだ。

 同種のコンセプトが携帯電話で実現されようとしているが、腕時計にこの発想を持ち込み実働デモまでを行なったのは今回が初めて。

 実際の決済は、リーダー装置に腕時計を向けて暗証番号を入力するだけで済む。暗証番号などの転送には赤外線インターフェイスを使用するが、セキュリティを確保するためにInfrared Data Asssociationや、LinkEvolutionと共同で規格策定を行なっているという。

 規格自体は年内に決定し、来年には実際の決済システムとして稼働を予定している。

腕時計から、情報を決済機に赤外線通信で送信 支払金額などは、腕時計側に転送され、どこでいくら使ったかといった統計情報を表示することも可能


■ 本当のゲーム・ウォッチはこれ!?

ブースに現れた米マイクロソフト副社長の古川亨氏も、ゲーム腕時計には興味を示していた。快く撮影にも応じてくれた

 また、ゲーム機能を搭載した腕時計も出品されていた。しかし、完全なコンセプト展示のみで、WQV-10の改造モデルに、ゲームのデモ映像を流しているだけだった。

 ただし、コンセプトと仕様自体は、今回取り上げたどの「変わり種」腕時計よりも確立しており、ビジネスパートナーまで決定している。

 ゲームコンテンツは、現在Infogrames傘下となっているATARIより供給され、赤外線通信を使った複数人による同時マルチプレイも可能だという。ゲームコンテンツは外部記憶媒体を用いず、時計内蔵メモリへPC経由で転送させる方式を考えているとのこと。

 具体的なリリース時期は未定だが、来年までにはより具体的なデモが行なえるとしている。

 ちなみに、「名前はゲーム・ウォッチにしたいだろうけど、あそこの会社が許さないだろうね」と問いかけたところ、担当者は「その名前は絶対使えない。もっとスマートな名前にする」と苦笑していた。

最終的には奥のポスターのようなデザインになる予定。「ATARI」ロゴが郷愁を誘う? コンセプトデモ機の「WQV-10」改造板。動いているゲーム画面はダミー。実際にはプレイできなかった

□カシオのホームページ
http://www.casio.co.jp/
□2002 International CESのホームページ
http://www.cesweb.org/

(2002年1月10日)

[Reported by トライゼット西川善司]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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