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ソニー、信号機などのLEDフリッカーを抑えてHDR撮影できる車載CMOSセンサー

 ソニーは、LED標識や信号機などの撮影時に起こるLEDちらつき(LEDフリッカー)を抑えながら、HDR撮影が行なえる車載カメラ向けCMOSイメージセンサー「IMX390CQV」を5月からサンプル出荷する。サンプル価格は5,000円。量産出荷時期は2018年3月を予定している。

IMX390CQV

 車載カメラ向けの1/2.7型245万画素CMOSイメージセンサー。近年、標識や信号機などの交通設備やヘッドライト、ブレーキランプなど、車の装備の光源にLEDが多用されている。しかし、高速で点滅を繰り返すというLEDの特性上、一般的なCMOSイメージセンサーでLED光を撮影すると、高確率でLED特有のちらつき(フリッカー)が生じ、信号機や周囲の自動車を正しく認識できない場合がある。そこで、IMX390CQVでは、露光時間をLEDの点滅周期よりも長くすることで、LEDフリッカーを抑える。

 もう一つの車載カメラの課題として、トンネルの出入り口や夜間の市街地など、明暗さの大きな場面で用いられた際に、黒潰れや白飛びを起こす可能性があった。IMX390CQVでは、独自の画素構造と露光方法により、120dBの広いダイナミックレンジを低ノイズで撮影するHDR機能を実現している。

 また、従来比で約1.5培という1,935mVの高感度(標準値 F5.6)とし、月明かり相当の0.1ルクスの低照度でもカラー撮影が可能。欧州のEuroNCAPでは自動ブレーキの衝突回避対象として、2018年から夜間歩行者を加えることが決まっており、車載向け市場では今後夜間における高感度・高画質撮影能力が必要となるため、強化したという。

 ソニーでは、先進運転支援システム(ADAS)向けの前方センシングカメラや、バックミラーの代わりとして車への採用拡大が期待されるカメラモニタリングシステムなどでの応用を想定している。