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組み立てられるドローン「Airblock」、ホバークラフトにも変形。プログラミング教育に活用

 ソフトバンク コマース&サービスは、プログラミング教育にも活用でき、ドローンを組み立てる事もできる中国Makeblock製のモジュール式教育用ロボット「Airblock」を7月14日に発売する。価格は22,000円。対象年齢は8歳以上。

モジュール式教育用ロボット「Airblock」

 モジュールを組み合わせて様々なロボットを作れるのが特徴。コントロールモジュール×1、ヘッドパワーモジュール×1、パワーモジュール×5、合計7つのモジュールで構成する。各モジュールはマグネットで結着。プロペラ部は、発泡ポリプロピレンの衝撃吸収ガードが一体になっている。

 プロペラの配置や数は変えられるほか、付属のベースと組み合わせることで地上や水上を移動できるホバークラフトにも変形する。バッテリの持続時間はドローンモードで約8分、ホバークラフトでは約16分。

モジュールを組み合わせて様々なロボットを作れる
付属のベースと組み合わせることで地上や水上を移動できるホバークラフトにも変形

 スマートフォンのアプリを使い、コントロール可能。さらにプログラム飛行も可能で、離着陸、旋回、宙返りなどをあらかじめプログラミングして、自動操縦で飛行させる事もできる。通信にはBluetoothを使用。アプリはiOS/Android向けを用意する。

各モジュールはマグネットで結着

 コントロールモジュールにはバッテリとセンサーを搭載。センサーの役割もプログラミング可能で、例えば「地面に近づいたら着陸する」といった動作をさせる事も可能。

コントロールモジュールにはバッテリとセンサーを搭載

 プロペラを備えたパワモジュールには、ヘッドパワーモジュールとパワーモジュールの2種類があるが、機能的な違いはなく、ヘッドパワーモジュールのみ裏面に赤い印がついている。このヘッドパワーモジュールを、コントロールモジュールのセンサーを搭載した側に接続する事で、“ドローンの正面”を操縦者が下から見上げて確認できるようになっている。

「Airblock」
パワーモジュール

 ドローン形状でのバッテリを含めた重量は約150gで、改正航空法の対象外(規制対象は200g以上)となる。衝突や落下した際は、あえてバラバラになる事で衝撃を分散し、衝突対象物や本体への損害を最小限に抑え「室内でも安全に使用できる」という。ドローンスタイル時の外形寸法は222×230×53mm(幅×奥行き×高さ)。

Airblockのデモ

 ホバークラフト変形時には、船のような形をしたベース部分の上にコントロールモジュールやパワーモジュールを設置。ベース部分は中央が空洞になっており、プロペラからの風を地面に届けて筐体を浮かせ、横向きに取り付けたプロペラで推進力を得る仕組みになっている。なお、Airblockは防水ではない。ホバークラフト時の外形寸法は192×335×127mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は195g。

ベース部分は中央が空洞になっている

 プログラミングソフトはスクラッチベースで、タブレットなどでタッチしながら、専門知識が無くても簡単にプログラミングスキルが身につくという。ボタンを押した時にどのような操作をするかなどを、細かく指定していける。

プログラミングソフトはスクラッチベース

 製品にはほかにも、充電池、充電器、予備のプロペラ、デコレーション用ステッカー、日本語マニュアルなどを同梱。アプリの日本語ローカライズは既に完了しているという。

 なお、機能拡張モジュールなども検討されているが、現時点で、空撮を可能にするカメラモジュールの販売は予定されていない。「あくまでプログラミングを学ぶ事がメインになる」という。

ベース部分は中央が空洞になっている
使用イメージ
Airblock 30秒ビデオ(日本語字幕)

2020年「小学校でのプログラミング教育必修化」に向けて

 ソフトバンクコマース&サービスのコンシューマ事業・新規事業担当の取締役である倉光哲男氏は、Pepperなどのロボットを手がけてきた事で、MakeblockのAirblockと出会う機会があった事を説明。「Airblockは先進的な商品で、非常にエキサイトした」という。

左からMakeblock Japan Branch Managerのクリス リュー氏、Makeblockのジェイセン ワンCEO、ソフトバンクコマース&サービスのコンシューマ事業・新規事業担当の取締役である倉光哲男氏

 日本でソフトバンクコマース&サービスが販売していくにあたり、「ファイナンス、ロジスティクスに加え、様々なサービスをエンドユーザーに提供できるところが我々の強み」とアピール。「知育ロボットの市場は拡大しており、“子供に習わせたい事”でプログラミング教室が第1位にもなっている。少子化ではあるが、今後も市場拡大が期待できる」と展望を語った。

 Makeblockのジェイセン ワンCEOは、「我々の会社は2013年に設立し、STEM(Science Technology Engineering and Mathematics)教育ソリューションのパイオニアとして知育向けの様々なロボットを開発してきた。設立から4年で社員数は450人に成長し、企業価値は約220億円になった」と説明。さらに、フランスで数学と科学の授業にプログラミングが導入された事例も紹介。Makeblockでは既に、6,000を超える公立学校に導入した実績もあるという。

Makeblockでは、ドローン以外にもSTEM教育ソリューションを手がけている

 Makeblock Japan Branch Managerのクリス リュー氏は、日本法人を2016年9月に設立、同年12月にソフトバンク C&Sと契約し、ドローン以外の製品は今年の2月から発売を開始している事を説明。公式テキストの発行や、家電量販店での教室の開校なども行なっているという。

 さらに、今年の9月から公立学校の一部へ製品導入も予定。2018年にはロボコンの開催に向けて活動を開始するなど、日本全国のSTEM教育普及に向けた施策を紹介。

 また、今年の6月に日本政府が閣議決定した「未来投資戦略2017」において、2020年に、小学校でのプログラミング教育の必修化という目標が掲げられた事を踏まえ、「日本のパートナーとSTEMの人材育成をしていきたい。STEM教育の重要さを伝え、もっとこの分野に予算出すよう提言していこうと考えている。ゆくゆくは、半分以上の学校に導入していきたい」とした。