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AbemaTVにデータ通信節約モード追加へ。亀田や将棋で拡大

 サイバーエージェントは27日、2017年度第3四半期決算を発表し、映像配信サービス「AbemaTV」の手ごたえを語るとともに、データ通信節約モードの追加やオンデマンド型の「Abemaビデオ」の機能強化などの計画を明らかにした。

AbemaTVのMAU、WAU推移

 AbemaTVのアプリダウンロード数は1,900万を突破し、順調に拡大。6月の月間アクティブユーザー数(MAU)は916万(3月は753万)、週間アクティブユーザー(WAU)は直近で約444万人規模で「3QはテレビCMを使わずに、人気コンテンツによりベースアップしてる」という。

 4-6月の人気番組は、ゴールデンウィークに放送した「亀田興毅に勝ったら1,000万円」企画が1,420万の過去最高視聴となった。これにより、「AbemaTVはとんがったことをやっていると、注目度があがった。社内でもトンガリスト会議を作って、そこから生まれたものだが、AbemaTVの企画への注目度が高まって、いい循環が生まれている」(藤田晋社長)という。また、「こんなに盛り上がると思っていなかった」とする新設の「将棋ch」では、藤井聡太4段の特番が多くの視聴者を集めた。

亀田興毅に勝ったら1,000万円が過去最高の視聴数に
将棋chも人気

 また、他の動画サービスとの比較においても、AbemaTVが人気を集めているという調査データを紹介。「無料モデルであり、競合らしい競合はいない。成功させられるかどうかは我々次第だが、一定の手ごたえを感じている。コンテンツの制作力、特にニュースの品質などは、テレビ局と組まなければできない。ネット企業のサービス運用力、さらに、200億の赤字を許容できる体質も必要。同じことをできる会社はほぼ見当たらない。あとは何とか自分たちの力で事業を成立させていきたい」とした。

動画サービスMAU比較(データ出典:VALUES eMark+。20歳以上、Androidのみ)
競合のいないビジネスモデル

 今後の施策としては、コンテンツ面においては、「視聴習慣につながるレギュラー番組」、「尖ったオリジナル企画」の2点を基準に制作。レギュラー番組は、昼のニュースや深夜番組など、オリジナル企画は将棋など“ここでしか見られない”を重視して選定する。

 機能面では、オンデマンド型の「Abemaビデオ」を強化し、レコメンド機能や倍速再生に対応。さらに、10月を目標に通信量を50%削減できる「データ通信節約モード」を搭載する。Abemaビデオ(月額960円)の現状と今後については、「出だしは順調。'17年12月末に、会員を月3万人増やしていくことを目標に取り組む」としている。

データ通信節約モードを10月導入

 サイバーエージェントの2017年度第3四半期売上高は895億円(前年比17.3%増)、営業利益65億円。AbemaTVを含むメディア事業の営業赤字は47億円で、うちAbemaTV分の損失が52億円。

今後のAbemaTV