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ソニー、29年ぶりにレコード生産復活。第1弾は大瀧詠一とビリージョエル

 ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は、ディスク製造工場であるソニーDADC ジャパン(DADJ)において、アナログレコード用のスタンパー製造設備を導入した。これにより、約29年ぶりにカッティングマスター制作からスタンパー製造、プレスまでのアナログレコードの生産工程をすべて、グループ内で行なるようになった。

 アナログレコード自社生産復活第1弾として、『EIICHI OHTAKI Song Book III 大瀧詠一作品集Vol.3「夢で逢えたら」』と、ビリー・ジョエル「ニューヨーク52番街」の2タイトルを、3月21日に発売する。なお、大滝詠一とビリー・ジョエルは、1982年10月1日に世界初の商業用CD の第一号を発売したアーティストでもある。

 「夢で逢えたら」(品番:SRJL1120)は、全5曲 LP1枚組で、価格は2,300円。

EIICHI OHTAKI Song Book III 大瀧詠一作品集Vol.3「夢で逢えたら」

EIICHI OHTAKI Song Book III 大瀧詠一作品集Vol.3「夢で逢えたら」

A面
M-1 夢で逢えたら/大滝詠一
M-2 夢で逢えたら/ラッツ&スター
M-3 夢で逢えたら('87 MIX)/シリア・ポール
B面
M-1 夢で逢えたら/吉岡聖恵《いきものがかり》
M-2 夢で逢えたら2018/吉田美奈子

 「ニューヨーク52 番街」(品番:SIJP1000)は、全9曲 LP1枚組で、3,800円。

ビリー・ジョエル「ニューヨーク52 番街」

ビリー・ジョエル「ニューヨーク52 番街」

A面
1.ビッグ・ショット
2.オネスティ
3.マイ・ライフ
4.ザンジバル

B面
1.恋の切れ味(スティレット)
2.ロザリンダの瞳
3.自由への半マイル
4.アンティル・ザ・ナイト
5.ニューヨーク52番街

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ジャケット外装(A式ジャケット)、レーベル面、内袋はUSオリジナル初版を可能な限り忠実に再現
日本盤初発売時のLP帯を復刻
日本盤初発売時のインナースリーヴ(ライナーノーツほか)を復刻
歌詞・対訳・新規ライナーノーツ掲載
「買ったレコードを、スマホで今すぐカンタン再生♪」出来るプレイパス対応

 近年、世界的にアナログレコードの人気が高まり、日本でも国内生産枚数が最も少なかった2009年に比べ約10 倍に伸長。アーティスト側からもアナログレコードでのリリース需要が年々増えていることから、ソニーミュージックグループでは、自社での一貫生産を復活。「アナログレコードおよび音楽パッケージ市場の拡大に貢献していく」という。

 ソニー・ミュージックスタジオは、アナログレコード製造用のラッカー盤カッティングマシンを導入し、2017年2月よりアナログレコード用カッティングマスターの制作を開始。また、同年6月にはDADJにアナログレコード用のプレス機を導入していた。DADJへのスタンパー製造装置の導入により、一貫生産体制が構築された。

 SMEの水野 道訓代表取締役CEOは、「アメリカではアナログレコードの売上が300億円規模まで伸びている。日本でもここ数年で急速に成長しているが、まだまだ30億円ほどの売上規模。しかし、パッケージに愛着のある日本人には、アナログレコードはもっと浸透していくはず。ソニーミュージックグループでは、アナログレコード市場を成長分野として捉え、アナログレコード関連ビジネスに一丸となって取り組み、市場拡大を図っていきたい。今回、自社での一貫生産が可能になったことにより、今後は商品のラインナップを増やし、アナログレコードの持つ魅力をたくさんの方々に知っていただけるよう、一層努力していく」とコメントしている。