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ソナス、1,380万円の最上位スピーカー「アイーダII」。内部やドライバ刷新

 ノアは、伊ソナス・ファベールの新フラッグシップスピーカー「アイーダII」(AIDA II)を6月1日に発売した。価格はペアで1,380万円。

新フラッグシップスピーカー「アイーダII」

 2012年に発売された「アイーダ」の外観はそのままに、内部構造を一新。「さらなる高みを目指した」という。構成は3.5ウェイ5スピーカーと、背面に「サウンド・シェイパー・システム」として2ウェイ3スピーカーを内蔵している。

背面に「サウンド・シェイパー・システム」として2ウェイ3スピーカーを内蔵

 ユニットサイズは、ツイータが28mmドーム型、ミッドレンジが180mmコーン、ウーファが220mmコーン×2、スーパーウーファが320mmコーン。サウンドシェイパー用ツイータとして29mmドーム、サウンドシェイパー用ウーファとして80mmコーン×2を搭載する。

 新モデルでは、エンクロージャの内部構造を新設計し、それぞれのユニットに対して与えられた個別キャビネット容量を増加。ドライバやパーツ類も一新し、サウンド・クオリティを高めた。

 バスレフ・ポートチューニングシステムの「ステルス・リフレックス」も「ステルス・ウルトラフレックス」に進化。低音域の拡張とバスレフダクトから発生する余分なスプリアス振動を排除し、ノイズを極限まで無くしたという。

 ツイータは、「アロー・ポイント D.A.D」テクノロジーを用いた「H28 XTR-04」を搭載。ソフトドーム型とリング・ラジエターの利点を兼ね備えるというもので、複雑な音響迷路を成形した天然木製の専用チャンバーを背面に搭載。ツイータの音量は、リスニングルームの特性や好みに合わせて3段階で調整できる。

 ミッドレンジは「M18 XTR-04」。ガンメタル製フレームに振動板を組み込み、伝統のセルロース・パルプの天然素材を非圧縮で自然乾燥させた180mm径コーンを、強力なネオジム製マグネットで動かしている。

 ツイータとミッド・レンジはキャビネット前面に縦並びのインライン配置し、水平方向の指向特性を向上させている。さらに両ユニットは、キャビネット本体から音響的に独立させたチェンバーにマウントしている。

 フロントに2基配置した220mm径のウーファは「W22 XTR-12」。コーティング処理した天然セルロース・パルプ材にて中空粒子配合のコア材を挟み込んだ軽量サンドウィッチ構造を採用している。

 55Hz以下の周波数帯域をウーファと共に受け持つ「インフラ・サブ・ウーファー」には、「SW32 XTR-08」を採用。320mm径のハニカム・サンドイッチ構造コーンを採用し、表面にはナノカーボンをコーティングして剛性を確保。4インチの大口径ボイスコイルも採用する。

背面の比較。左が従来の「アイーダ」、右が「アイーダII」

 リアバッフル面には「サウンド・シェイパー」2ウェイシステムを装備。直接放射と反響音を制御する特許技術で、リスニングルームの音響特性に依存することなく、スピーカー自らが残響成分を生成。音場構築できるという。

 サウンド・シェイパー部の29mm径のツイータは「29XTR2」。フロント・ツイータ同様の「アロー・ポイント D.A.D」を装備。非軸上放射に最適化した設計になっている。ミドルレンジは「M8XTR」。80mmのペーパー・パルプと天然繊維をブレンドし、フロントのミッドレンジとなめらかな繋がりを実現する。サウンド・シェイパーの効果は4段階調整が可能で、システム自体をバイパスすることも可能。

 エンクロージャは、「リラ(竪琴)」を模しており、内部で平行する面を極力少なくしている。内部で発生するエネルギーを効果的に管理している。素材は、マホガニーに似た風合いの広葉樹「オクメ(Aucoumea)」材で、この素材を厚みの異なるシート状とし、木目の角度を交互に90度ずつ変えて積層していく。サイドパネルの仕上げは2種類あり、伝統のウォルナット材を使用した「Red」と、ウェンゲ(Wenge)材を使った「Wenge」から選べる。

 システム全体の再生周波数帯域は、18Hz~35kHz。能率は92dB/W/m。定格インピーダンスは4Ω。推奨アンプ出力は100W~1,000W。外形寸法は、482×780×1,725mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1本165kg。