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東芝の全録は“止まらない”。録画専用機「レグザタイムシフトマシン」

 東芝映像ソリューションは、“時短”機能とスマホ対応を強化した、全録レコーダ「レグザタイムシフトマシン」2製品を6月下旬より発売する。HDD容量4TBの「DBR-M4008」と2TBの「DBR-M2008」を展開し、価格はオープンプライス。店頭予想価格はDBR-M4008が13万円前後、DBR-M2008が9万円前後。

DBR-M4008(左)とDBR-M2008(右)

 最大7チャンネルの番組を常時録画する「タイムシフトマシン」を搭載した対応したBDレコーダ。従来は「レグザサーバー」のブランドで展開していたが、より全録の利便性を強調する「レグザタイムシフトマシン」に変更し、“見逃さない”レコーダを訴求していく。

 M4008/M2008では、タイムシフト専用エンジン「R-2」を搭載し、BD再生中でも全てのタイムシフト録画が動作し、さらに2番組を家庭内に同時配信できるなど「録画を止めない」性能を訴求。さらにスマートフォン対応を強化し、ほぼ全ての操作をスマホで行なえるようにした。また、番組持ち出しの強化など、“スマホで時短”をアピールしている。

DBR-M4008
DBR-M2008

東芝の全録は止まらない。「R-2エンジン」搭載

 タイムシフト用に地上/BS/110度CSデジタルチューナを3系統と地上デジタル1系統、さらにタイムシフト/通常録画兼用の地上/BS/110度CSデジタルを3チューナ搭載し、3~7chの範囲でタイムシフト録画が行なえる。BDドライブも搭載し、BD/DVDのダビングや再生に対応する。

DBR-M4008

 DBR-M4008とM2008の違いは、HDD容量。DBR-M4008は4TB、DBR-M2008は2TBのHDDを搭載する。USB HDDの追加も可能。タイムシフト録画モードは、DRモード(放送波のまま)と、AVC高画質/AVC中画質/スマホ高画質/スマホ長時間画質から画質を選択する。新たに搭載された、スマホ高画質/長時間画質は、通常の1080/60iではなく、1080/30pのプログレッシブ形式で録画を行なうモード。詳細は後述する。

 タイムシフト専用エンジン「R-2(REGZA RECORDING SYSYTEM)」を搭載し、タイムシフト録画が“切れない”ことが特徴。他社製品では、BD再生中に録画が止まるものがあるが、M4008/M2008は、全7chでタイムシフト録画中にBD再生しても止まらず、再生中も2番組を同時に変換配信(家庭内)できるなど、同時動作性能にこだわり、「タイムシフトマシン専用機」をアピールする。

R-2エンジンを搭載し、「止まらない全録」をアピール

 従来モデルと同様に、「時短」をテーマにした機能を搭載。放送時間よりも時間を短縮して番組を楽しむ機能で、リモコンの「時短」ボタンを押すと、[時短で見る]画面が起動する。通常再生のほか、CMを早送りして本編だけを見られる「らく見」、らく見を1.3倍速再生する「らく早見」、5分で番組をダイジェスト再生する「飛ばし見」が選択できる。

時短がレグザタイムシフトマシンのキーワード
リモコンに時短ボタン

 '18年モデルでの時短視聴の大きな変更点が、「らく見」時にCMをスキップではなく早送り(15倍速)としたこと。従来は自動でチャプタ付与して、CMをスキップしていたが、自動チャプタは完全ではない。そのため、誤ってチャプタを付与した番組では、前後のつながりがわかりにくくなることがあったという。その対策のため、ユーザーが番組のつながりを確認しながら早見できるよう、早送りに切り替えたという。

時短は「CMスキップ」ではなく「早送り」に

 時短(早見)中は、画面の右下に「時短中」と表示。また、早見でCMと確認できたら、ユーザーがボタンで[スキップ]を指定して本編に飛ばすことも可能となっている。

【時短再生機能】
・らく見:CMを早送り(15倍速)して、本編だけを再生
・らく早見:らく見を1.3倍速再生する
・飛ばし見:5分で番組をダイジェスト再生(らく見を20分割して、15秒再生&スキップ)

 新たに60分や30分といった「時間内で見られる番組」だけを絞り込んで視聴できる機能も搭載した。

 また、録画番組にチャプタを付与して、CMスキップなどに使える「マジックチャプター」を強化。従来は番組を[保存]しないとチャプタが表示されなかったが、録画が終了する前でもチャプタ表示とスキップ操作が行なえるようになった。そのため、録画中番組でCMの前のシーンに戻る、といった操作もやりやすくなる。

 さらにデザインを一新した「ビジュアル過去番組表」を搭載。サムネイル付きの番組表で好みの番組をすぐに見つけられるようにした。フォントも改善し、番組表の文字を識別しやすくしたほか、ジャンルの見やすさ向上のため、配色も変更した。

 また、BDなどへのダビングも時短。ダビングから「おまかせダビング」を選択するだけで番組の「らく見」で視聴した部分だけを光ディスクにダビングしたり、スマホの持出用に変換が行なえる。

 録画リストの表示も改善。毎週予約や毎回保存した番組の自動分類・まとめ表示に対応した。また、選択した番組の番組名のスクロール表示をやめ、2行ポップアップ表示に対応した。

 旧機種RD-Styleで人気を集めたプレイリスト編集画面を復刻・進化させた。プレイリスト編集の選択した番組やチャプタをそのままダビングできるようにしたほか、光ディスクにダビングした番組のチャプタ一覧表示や、ファイナライズ済みのDVD-RWディスクへの追記も簡単にできるようになった。著作権保護技術の「SeeQVault」にも対応。録画番組のバックアップに対応する。

RD-Styleのプレイリスト編集も

 東芝映像ソリューションでは、「録る」「探す」「見る」「残す」の「全機能で時短」をアピールしている。

スマホ用形式の30p録画。「スマホdeレグザ」

 M4008/M2008世代のレグザタイムシフトマシンで特に強化したポイントが、スマホ連携機能の「スマホdeレグザ」。

 これから行なう操作を「放送中番組を見る」や「録画番組を見る」、「過去番組表から見る」、「番組を持ち出す」といったメニューから選択。番組の視聴先をテレビにするかスマートフォンにするかの選択や、時短コースの選択ができる。

 また、テレビで視聴していた番組の続きをスマホで視聴したり、逆にスマホで視聴していた番組の続きをテレビで視聴する、といった連携動作にも対応する。

 「スマホdeレグザ」強化のために、録画モードにも手を入れた。それが、「スマホ高画質」と「スマホ長時間画質」という新録画モードだ。地上/BSデジタル放送は1080/60iのインターレース形式だが、スマホ画質モードでは、1080/30pのプログレッシブ形式で録画。スマホとの親和性の高いプログレッシブ形式で録画することで、番組をスマホに転送してすぐに持ち出せるほか、ストリーミング再生時のレスポンス向上を図れるという。

 スマホ高画質のビットレートは4Mbps、スマホ長時間画質は2.4Mbps。レグザタイムシフトマシンでは無線LANもIEEE 802.11ac対応としたことで、スマホ長時間画質では15分の朝ドラも40秒程度で持ち出せるという。

 スマホ優先モードを使うか否かは、初期設定時に選択可能。また、初期設定以降でも、チャンネルごとにモード選択できる。

 スマホでの番組視聴には、アプリ「DiXiM Play」を利用。Android/iOS版が用意されるが、レグザタイムシフトマシン購入者はいずれかを無料で利用可能。

 スマホ録画モードで録画した番組は、ストリーミング再生時もすぐに出画して、再生できるほか、持ち出し時間も大幅に短縮できる。

 レコーダとの連携機能はDiXiM Playアプリの「スマホdeレグザ」メニューからWebアプリとして呼び出し可能。スマホでの再生や番組持ち出し操作だけでなく、テレビへの出力操作も可能で、スマホから「テレビでらく見」などの操作が可能。テレビでの再生開始後もチャプタスキップやタイムシークバーからの再生位置変更などの番組操作が可能で、テレビを見ながらスマホで次に見たい番組を探す、といった操作も行なえる。

 室内でのスマホへのストリーミング再生に加え、外出先でのリモート視聴も可能。ただし、同時に1番組のみとなるほか、パケット通信料も必要。そのため、今回は「持ち出し」を積極的に訴求している。

 スマホ用録画モードで録画しておけば、宅内で事前に「番組を持ち出す」を選んでおくだけで、自動的に番組をダウンロード。あとは、スマホを持ち出したときにパケット通信料などを気にせず、しかも高画質に視聴できる。スマホ高画質は4Mbps、スマホ長時間でも2.4Mbpsとビットレートが高く、リモート視聴によるストリーミングよりも高画質だ。

 スマホ用モードで録画した番組は、「字幕」もあわせて持ち出せる。そのため、電車内などで、イヤフォンをつけられない場合でも字幕で内容を理解できるという。

 いいことずくめのように見える「スマホ録画モード」(スマホ高画質/長時間)だが、注意点もある。それは「テレビで見る時の画質」だ。

 ビットレートが4Mbps、2.4Mbpsと、テレビ用としては低めに抑えられるため、若干映像のディテールが甘くなる。50型の4Kテレビで見たが、特にスマホ長時間画質だと少々ビットレートの不足は感じられる。

 また、テロップ周り、特にテロップが動くときなどにテロップ周りにブロックノイズが出やすい。ニュースで記者会見のフラッシュの明滅を伴うシーンも、ブロックノイズが強く出る。背景に高輝度なLEDを使う演出の音楽番組などとは相性が悪い。このようにテレビで見たときに弱点になってしまう場合もある。

 映画やドラマを高画質に見たい、といった場合や、「ディスクに高画質残す」などの用途があらかじめわかっている番組は、モードを変更しておきたい。

 また、M4008/M2008は7chのタイムシフトが行なえるが、スマホ高画質/長時間モードを指定できるのは6番組まで。この場合、7ch目は通常録画のみとなり、ディスク保存も等速になる。

 東芝では、スマホ連携をあまり使わない人は、「本機優先モード」を、スマホ連携を積極的に使う場合は「スマホ優先モード」を使うよう推奨している。

タイムシフトリンク対応

 IEEE 802.11ac対応の無線LANやEthernetを装備。入力端子はアナログ音声×1、コンポジット×1など。出力端子はHDMI×1。SDカードスロットやUSB端子も備えている。

 BDドライブはBD/DVD再生/ダビング対応。Ultra HD Blu-ray(UHD BD)再生には対応しない。高精細技術「XDE」を搭載し、1080p映像を高画質に4Kアップコンバート出力できる。

 また、ネットワーク経由で複数のタイムシフトマシン対応テレビやレコーダと連携する「タイムシフトリンク」に対応。例えばREGZAとM4008の2台をまとめて過去番組表表示や再生が行なえる。

リモコン

 消費電力は42W(動作時)/63W(BSアンテナ給電時)。外形寸法は430×219×59mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3.0kg。B-CASカード(赤miniB-CAS2枚)やリモコン、同軸ケーブル(1.5m)などが付属する。

 また、東芝ダイレクトでは、6月19日までモニター販売を実施。DBR-M4008の入札価格は99,600円~140,300円、DBR-M2008は74,800円~97,100円。DBR-M4008は150台、DBR-M2008は50台の限定となる。