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有機ELテレビは1年で14万円以上低価格に、累計シェアはソニーがトップ。BCN調査

 BCNは16日、有機ELテレビの1年間を振り返り、今後の動向についての考察を発表。平均単価が1年間で44.6万円から30.2万円に下落した事や、2017年6月から2018年5月までの累計シェアで、ソニーが40%弱を獲得してトップになった事を明らかにした。

有機ELテレビの販売台数指数と平均単価推移

 有機ELテレビの国内市場は、LGエレクトロニクスと東芝に加え、ソニーとパナソニックが2017年6月に発売した事で、本格的に立ち上がった。各社は'18年夏商戦に合わせて新製品を発売。船井電機も参入を予定しており、「今年は市場がより活況となる」(BCNアナリスト・山口渉氏)と予想する。

 薄型テレビ全体に占める有機ELテレビの販売台数構成比は、まだ2%台にとどまっているが、平均単価の動きは大きく、1年前の44.6万円から、毎月右肩下がりに下落。直近の'18年5月は30.2万円となり、1年間で14万円以上低価格した。

 現在販売されている画面サイズは55型、65型、77型だが、単価の下落は比較的価格が安い55型に需要が集中したからではないという。また、薄型テレビのなかで有機ELテレビはハイエンドな価格帯となるが、この単価下落が市場に大きなインパクトを与えているという。

 シェアでは、ソニー、パナソニック、LGエレクトロニクスの上位3社による争いが激しさを増している。LGは従来から有機ELテレビを発売し、価格も他社に比べてほぼ半額であることから、一時はトップシェアを獲得。しかし、年末からはパナソニックの販促強化と価格下落が影響してか、比率を落としている。

 その中で、唯一3割以上の安定したシェアを維持したのがソニー。'17年6月から'18年5月までの累計シェアが40%弱でトップとなった。

有機ELテレビのメーカー別シェア

 テレビ市場全体でも、「ここ数年はいくつかのターニングポイントを迎える」という。今年12月1日からは、新4K・8K実用放送がスタート。来年10月からは消費税率の10%引き上げが予定されているため、それを迎えるにあたって特需が発生する可能性があると分析。

 2020年には東京五輪も控えており、「どれもテレビ市場に大きな影響を与える要素であり、どのタイミングで、どのような商品が求められるか、有機ELテレビの本格的な市場拡大はいつになるのか、注視する必要がある」としている。