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ソニー究極サウンド、約88万円”ポータブル”プレーヤーとマグネシウム合金イヤフォン

 ソニー香港は、10日から香港で開催される「High-end AV Show」に合わせて、Signature Seriesの新製品としてイヤフォンの「IER-Z1R」と、ハイレゾオーディオプレーヤー「DMP-Z1」を発表した。イヤフォンは11月に13,990香港ドル(9日現在のレートで日本円約20万円)、プレーヤーは12月に61,880香港ドル(同約88万円)で発売予定。

イヤフォンの「IER-Z1R」

 究極のサウンドを追求するというSignature Seriesの新モデル。

ハイレゾオーディオプレーヤー「DMP-Z1」

マグネシウム合金を活用した3ドライバ構成のイヤフォン「IER-Z1R」

 イヤフォンの「IER-Z1R」は、5mmのダイナミックドライバ、12mmのダイナミックドライバ、さらにバランスドアーマチュアユニットを搭載。3つのソニー製ドライバを採用した、ハイブリッドタイプのイヤフォン。

 自社で3つのユニットを手がけることで、サウンドの一貫性を確保。5mmのダイナミックドライバには、新開発のアルミニウムコーティングLCP(Liquid Crystal Polymer)を採用。外部磁気回路で駆動し、100kHzまでの再生が可能という。全体の再生周波数帯域は3Hz~100kHz。

 12mmのダイナミックドライバには、マグネシウム合金のドーム型振動板を採用。軽量かつ高剛性なのが特徴で、ドームの端にはアルミニウムコーティングのLCPが使われている。

 高域用のバランスドアーマチュア(BA)ユニットの振動板も、マグネシウム合金製。新開発の銀コートの銅ボイスコイルと、金メッキ端子を採用することで、駆動力を高め、微細な音楽信号も忠実に再現できるという。

 インナーハウジングもマグネシウム合金製。各ドライバからのサウンドは、理想的な位相応答と、クリアな分離を実現するように配置。ハウジングのマグネシウム合金は、高い剛性により、内部の不必要な振動を排除する。イヤフォンの形状も、ソニーが長年蓄積してきた耳形状のデータベースを活用し、快適かつ安定した着用ができる形状にこだわったという。

 ユニット後部の空気の流れも細かく制御。ユニットの背後には、拡張した音響キャビティも採用している。ネットワーク回路には、ソニーの専用オーディオグレードのフィルムコンデンサや、ソニーが開発したオーディオ専用のはんだなども使っている。

 ケーブルは着脱可能で、シルバーコートされたOFC導体を採用。3.5mmステレオミニ入力のケーブルと、4.4mm 5極のバランス接続用ケーブルも同梱。長さはどちらも1.2m。KIMBERケーブルによるオプションケーブルも使用可能。

ポータブルでも使える超弩級プレーヤー「DMP-Z1」

 バッテリ駆動で動作するオーディオプレーヤーながら、「据え置き機クラスのサウンドを実現した」という超弩級モデル。3.1型、タッチ対応の800×480ドットの液晶ディスプレイを備え、OSはソニー独自のものを採用。ストレージメモリとして256GBを搭載するほか、ストレージ拡張用としてmicroSDカードスロットを2基搭載している。

上から見たところ。ディスプレイも備えている

 外形寸法は138×278.7×68.1mm(幅×奥行き×高さ)。バッテリでの動作時間は、ハイレゾファイルの再生で約9時間、非ハイレゾファイルでは約10時間。

 DACは、旭化成エレクトロニクスの「AK4497EQ」を左右チャンネル個別に、デュアルDAC構成で搭載。再生対応音楽ファイルは、MP3/WMA/FLAC/WAV/AAC/HE-AAC/Apple Lossless/AIFF/APEで、DSDやMQAの再生もサポートする。PCMは384kHz/32bitまで、DSDは11.2MHzまでのネイティブ再生が可能。

 PCなどと接続し、USB DACとしても動作。USB Type-C端子も備えている。Bluetoothにも対応し、プロファイルはA2DP/AVRCPをサポート。送信可能なコーデックは、SBC/LDAC/aptX/aptX HD。

 ヘッドフォン出力として、3.5mmのステレオミニアンバランスと、4.4mm 5極のバランス出力を搭載する。出力は1,500mW(16Ω)。

3.5mmのステレオミニアンバランスと、4.4mm 5極のバランス出力を搭載

 音質に影響するボリュームコントローラーには、金メッキを施した、ハイエンドアナログロータリーボリュームを採用。4つの信号経路(L+/L-/R+/R-)のボリュームを制御する。

 計5つのバッテリセルを使った、独立した電源システムを搭載。安定した電力をデジタルブロックとアナログブロックの両方に供給する。独立させることで、デジタルセクションからアナログブロックへのノイズ伝播を防止。

 ACアダプタ駆動だけでなく、搭載したバッテリでも動作。バッテリモードでは、ノイズの無い、クリーンでパワフルなサウンドを実現できるという。ACとバッテリモードはタップ操作で簡単に切り替えられる。

 筐体には、H型アルミニウムモノコックシャーシとフレームを採用。剛性が高く、振動を排除。アンプとメインボードを物理的に分離し、ノイズを低減している。

 様々な音楽データを、5.6MHz相当のDSD信号に変換してから再生する「DSDリマスタリングエンジン」も搭載。人工知能技術も使い、補完能力を強化した「DSEE HX」なども搭載する。