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Amazon、Alexa搭載の時計やレンジ、アンプなどEchoシリーズ大拡充。日本は新Dotなど

9月20日(現地時間)、米Amazon.comは本社で記者会見を開き、スマートスピーカー「Echo」を含むAlexa関連の新製品を発表した。そのうち新「Echo Dot」など4製品は日本でも発売が予定されている。

米シアトル・Amazon.com本社隣にある「The Sphere」。内部は植物園のようになっている。その最上階で発表会が行なわれた
米Amazon.comのAmazon Devices事業の責任者、デイブ・リンプ氏

今回発表されたのは、スマートスピーカーだけではない。自動車用の「Echo Auto」やキッチン用の電子レンジ「Amazon basics Microwave」など、多岐に渡る。同社のAlexa拡大戦略の一環だ。

ここではまず製品の詳細を速報する。戦略などについては別途レポートの掲載を予定している。

日本では「Echo Dot」などが本日から予約開始、Echo Showも12月に

今回Amazonは合計17の製品および技術を発表した。中核となるのは「Echo Dot」を初めとしたスマートスピーカーだ。

Amazonでももっとも人気のある製品のひとつとなった「Echo Dot」は、より丸みを帯びたファブリック仕上げのデザインになった。マルチオーディオに対応し、スピーカーも強化されている。日本での販売価格は5,980円(税込)で、チャコール・ヘザーグレー・サンドストーンの3種が用意された。

Echo Dot。ファブリック仕上げで丸いデザインに。価格は5,980円。
Echo Dot実機。チャコール・ヘザーグレー・サンドストーンの3種がある

Zigbee対応の家電機器と連携し、スマートホームハブになる「Echo Plus」も新型になった。こちらもスピーカーが強化された他、新たに温度センサーを内蔵し、「Alexa、現在のリビングの温度を教えて」と話しかけることで室温がわかる。価格は27,980円(税込)。カラーはEcho Dotと同じく、チャコール・ヘザーグレー・サンドストーンの3種。

Echo Plus。ホームネットワークハブとしての役割を強化。温度センサーを新たに内蔵した
Echo Plus実機。カラーはEcho Dotと同じくチャコール・ヘザーグレー・サンドストーンの3種が用意される

新Echo、新Echo Plusはマルチルームオーディオに対応したが、特に新Echo Plusは、2台セットで使うことでステレオ再生が可能になった。また、そこで新製品である「Echo Sub」をつなぐと、Echo Subがワイヤレスサブウーファーになる。接続はBluetooth。Echo Subの価格は15,980円(税込)。

Echo PlusやEcho Dotと組み合わせて使うワイヤレスサブウーファー「Echo Sub」が登場
Echo Sub実機。サブウーファーだけにかなり大柄だ

アメリカでは発売されていたディスプレイ付きデバイスである「Echo Show」も、今回第2世代の発表に伴い、日本発売が決定した。価格は27,980円(税込)。ただし、9月21日から10月19日 16時59分までに予約した場合、22,480円(税込)になる。

ディスプレイは10.1インチHD。スピーカーが強化され、Dolbyプロセッシングによって迫力のある音が楽しめる。Echo Plus同様、Zigbee規格対応の家電と連携する。新コミュニケーションAPIを使い、Skypeへの対応が表明された他、ウェブブラウザー(Amazon独自のSilkとFirefox)が搭載され、ウェブ表示の機能が強化された。

Echo Showは第2世代に。ウェブブラウザー機能などを強化した。日本ではこの第2世代から市場投入される
Echo Show実機。10.1インチディスプレイを搭載し、よりタブレット的な性格が強まった

これらの製品は本日から先行予約を開始。Echo DotおよびEcho Plus、Echo Subは10月30日より出荷の予定。Echo Showは12月12日に出荷を開始し、同時に、視聴角度などを調節できるスタンドも発売になる。

同時に、2台以上買うと割引きになるなどのプロモーション販売も予定されている。

車載や家庭などに一気にAlexaを拡大、音声UI戦略を本格化

日本で販売が決定しているのは以上の製品だが、アメリカ市場などに向けてはより多くの製品が発表された。

スピーカーを持たず、Bluetoothで接続する「Echo Input」(34.99ドル)、壁の時計にAlexaで設定したアラームを表示する「Echo Wall Clock」(29.99ドル)、電源タップをスマート化した「Amazon Smart Plug」(24.99ドル)などもあった。

スピーカーのないEchoである「Echo Input」。別途スピーカーをBluetoothなどで接続して使う。非常にコンパクトだ
Echo Input実機。エアホッケーのパックに似たデザインだ
Echoと連携する「Echo Wall Clock」。Alexaで登録したアラームを壁の時計にLEDで可視化する
「Amazon Smart Plug」。サードパーティから多数同様の製品が出ているが、Amazon自身が同様のものを開発した。狙いはセットアップの簡便化だ

AV的には、ハイエンドオーディオとの接続機能を持ち、24bitのハイレゾオーディオを扱える「Echo Link」(199.99ドル)「Echo Link Amp」(299.99ドル)などが気になるところだろうか。

ハイエンドオーディオとの接続を実現する「Echo Link」シリーズが登場。こちらは日本でも欲しい人がいるのでは
Echo Link実機。奥にあるのはアンプ内蔵の「Echo Link Amp」だ。
Echo Link Amp実機。Echo Linkに比べ、60W2chのアンプを内蔵している分大柄だ。

また、Echo ShowやFire Tabletなどにテレビ放送をストリーミングできる「レコーダー」である「Fire TV recast」(299.99ドルから)も興味深い。日本のレコーダーが行っていると同じようなことを統合したデバイスだ。

日本のレコーダーで実現している「どこでもテレビ録画視聴」をアメリカで実現する「Fire TV recast」。各種ネット配信とも統合されるUIがポイントか。当然、日本では放送規格が違うので、すぐには発売されないだろう

買収したセキュリティカメラメーカー「Ring」の製品を統合したセキュリティ対応製品も登場している。

RingのセキュリティカメラをAlexaと統合。「ご近所のセキュリティ情報をまとめる」ことで地域の安全を目指す
Amazon製品としての「Ring」第一号機。ドアの外などに配置して使うセキュリティカメラだ

力が入っていたのはキッチンなどへの展開。新しく開発した「Alexa Connect Kit」というモジュールを使い、家電への組み込みを推進する。その一例として、自社で開発した「Amazon basics Microwave」(59.99ドル)も発表している。これは本格的にアマゾンが白物家電に参入する、という意味ではなく、「こういうシンプルな家電にもAlexa連携を搭載して販売できる」ショーケース、という意味合いが強い。

Alexaと連携する家電の開発を容易にする「Alexa Connect Kit」というモジュールが発表に
「Alexa Connect Kit」を使った電子レンジ「AmazonBasics Microwave」が発表に。日本では販売されない。白物にAmazonが参入するというより、「Alexa Connect Kit」の利用例としての意味合いが強い
AmazonBasics Microwave実機。Alexaボタンがないと、普通の「安い電子レンジ」そのものに見える。ボタンを押すとEchoから調理の内容やタイマーを指示できる

最後に発表されたのが、自動車搭載用のEchoである「Echo Auto」。8つのマイクを内蔵し、Bluetoothでスマホと連携して利用する。位置情報としてはスマホのものを使い、ナビや買い物メモ、音楽再生、家へのメッセージ送信などに対応する。まだテスト段階に近い部分があり、少数の「招待ベース」での販売となる。

自動車に後付けでAlexaの機能を搭載するための「Echo Auto」。スマホとともに使う。アメリカでも当面「招待ベース」でのテスト販売になる
Echo Auto実機。この中に8つのマイクが入っていて、ロードノイズなどを軽減してボイスコマンドを認識する。大きさはスマホの3分の1もない

ただし、最初に紹介した4製品を除き、日本での販売予定は示されていない。市場投入されるかどうかも未定だ。

こうした機器がどのような戦略に基づいているかは、別途記事の掲載を予定している。

Amazonで購入
Echo Dot 第3世代
(Newモデル) -