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Netflix、見放題初「新世紀エヴァンゲリオン」を'19年春に全世界独占配信

Netflixは27日、配信するアニメ作品のラインナップ発表会を開催。SVOD(月額定額制)のストリーミング配信としては初めて「新世紀エヴァンゲリオン」を2019年春に全世界独占配信する事を明らかにした。他にも「リラックマとカオルさん」を2019年4月19日から、3DCG作品「聖闘士星矢:Knights of the Zodiac」を2019年夏、田村由美原作のコミック「7SEEDS」をアニメ化し2019年4月に配信。神山健治と荒牧伸志の2人が監督する3DCGアニメ「ULTRAMAN」は、2019年4月1日に全世界独占配信する。

(C)カラー/Project Eva

登壇したコンテンツディレクターのジョン・ダーデリアン氏は、既に配信を開始している「DEVILMAN crybaby」、「B: The Beginning」、「悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-」、「バキ」などを振り返り、「2018年はNetflixのアニメにとって、画期的な年となった。多くのわくわくする作品を世界に届けられた。だが、これはまだ始まったばかり。2019年はアニメの夢を、もっと大きく見たいと思う」と語り、2019年前半のアニメラインナップを紹介した。

2019年前半のアニメラインナップを紹介するコンテンツディレクターのジョン・ダーデリアン氏

新世紀エヴァンゲリオン

配信作品は「新世紀エヴァンゲリオン」の全26話に加え、「EVANGELION: DEATH (TRUE)2」、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」も配信する。SVOD(月額制定額オンラインストリーミングサービス)初の配信となる。

新世紀エヴァンゲリオン
(C)カラー/Project Eva
『新世紀エヴァンゲリオン』予告編 - Netflix [HD]

リラックマとカオルさん

リラックマ初のストップ・モーションアニメシリーズ「リラックマとカオルさん」は、彼女たちが過ごす色とりどりの12カ月を描いた、やさしくて、ちょっぴりほろ苦い物語。これまであまり描かれることがなかったリラックマとカオルさんのやりとりを、荻上直子(『かもめ食堂』『彼らが本気で編むときは、』監督・脚本)の脚本による共感性の高い物語を軸に、CFを中心に活躍する小林雅仁監督が大人から子供、そして世界中の誰もが楽しめるストーリーへ映像化。4Kでの配信となる。

カオルさんを演じるのは、舞台・映画と幅広く活躍する演技派女優・多部未華子。柔らかくも時に芯のある女性として、リラックマたちとの日々を活き活きと映し出す。

リラックマとカオルさん
カオルさんを演じるのは、舞台・映画と幅広く活躍する演技派女優・多部未華子

会場にはリラックマも、NetflixのTシャツ姿で登場。もふもふしたリラックマの質感も感じられる、高精細なプロモーション映像も公開された。

会場にはリラックマも、NetflixのTシャツ姿で登場
『リラックマとカオルさん』特別映像 - Netflix [HD]

聖闘士星矢:Knights of the Zodiac

「聖闘士星矢:Knights of the Zodiac」は、東映アニメーションが、車田正美原作「聖闘士星矢」をCGアニメーションで完全リメイクするもの。「聖闘士星矢」は東映アニメにより1986年にアニメ化。250話以上のTVシリーズと劇場映画6本が製作され、80を超える国と地域で放送・公開された。

新作のCGアニメでは、女神アテナを守るために聖闘士(セイント)と呼ばれる戦士となって闘う少年・星矢の成長と冒険の物語をリメイク。ポセイドン、ハーデスといった神々と戦っていくまでの壮大なバトルを描いていく。第1シーズンは「銀河戦争(ギャラクシアンウォーズ)篇」から「白銀聖闘士(シルバーセイント)篇」までが描かれる。

聖闘士星矢:Knights of the Zodiac

シリーズディレクターは芦野芳晴。Story Editor & Head WriterはEugene Son。キャラクターデザインは西位輝実、聖衣(クロス)デザインは岡崎能士が担当する。

7SEEDS

2001年から16年にわたって連載された、田村由美のサバイバルSFコミックをNetflixがアニメ化。アニメーション制作を手がけるのは、GONZO。高橋幸雄 監督、シリーズ構成に待田堂子、キャラクターデザインを佐藤陽子が担当。

7SEEDS

少女ナツが目を覚ますと、辺りは海。突然荒れ狂う海に放り出された彼女は、嵐と蟬丸、牡丹と共に島へと辿り着く。その島には未開のジャングルが広がり、巨大化した植物や、凶暴化した動物や昆虫に次々と襲われ、死と隣り合わせのサバイバル生活へと放り込まれる。

そんな中、ガイドだと名乗る人物より信じられない計画の話を聞かされる。それは、人類絶滅を回避するため、若く健康な人間を冷凍保存し、災厄が過ぎ去った後の世界に人類の種を残そうという壮大な計画「7SEEDS計画」の話だった。

彼女らはその計画に選ばれた人間なのだと初めて知り愕然とするのであった。「7SEEDS計画」に選ばれた若者たちは変わり果てた世界で、過酷な環境にさらされながらも懸命に生きてゆく。

キャスト(夏Bチーム)は、岩清水ナツを東山奈央、青田嵐を福山潤、麻井蟬丸を小西克幸、早乙女牡丹を沢海陽子、天道まつりを阿澄佳奈、守宮ちまきを石田彰、草刈螢を悠木碧、百舌戸要を井上和彦が演じる。

ULTRAMAN

「月刊ヒーローズ」連載中のコミック「ULTRAMAN」(清水栄一×下口智裕)を、フル3DCGアニメ化したもの。監督は「攻殻機動隊 S.A.C.」シリーズや、「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~」の神山健治と、「APPLESEED」や「スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット」の荒牧伸志の2人体制。制作はProduction I.G×SOLA DIGITAL ARTSが担当する。

ビジュアル面でも「誰も見たことのないウルトラマン」を目指しており、世界で活躍する豪華スタッフの手で、フル3DCGアニメーションとして制作されている。

ULTRAMAN

かつて、巨大な怪獣や侵略異星人による危機から地球の平和を守り続けてきた“光の巨人”がいた。その名は、ウルトラマン。科学特捜隊の早田隊員と同化していた彼が、その使命を終えて地球を去ってから時は過ぎ、人類は繁栄の時代を迎えていた。しかし、それは表向きの平和に過ぎなかった……。

今、再び“光の巨人”の力が求められる時、光の因子を受け継いだ新たな英雄が現れる。だが、それは巨人に非ず、メタリックボディの強化スーツに身を包んだ等身大の悩み多き高校生だった。 彼の名は、早田進次郎。かつてウルトラマンであった男、早田進の息子が、新世代のウルトラマンとなるべく奮闘する新たなる物語が、ここに幕を開ける!!

『ULTRAMAN』予告編 - Netflix [HD]

発表会では、神山健治監督と荒牧伸志監督のビデオメッセージも紹介。見どころについて荒牧監督は、「役者の動きをベースに、アニメーション的な気持ちも加味したカメラワークを目指してます。その辺が、かなり実現できているんじゃないかなと思いますね」、神山監督は「モーションキャプチャーを使っていますので、アニメのキャラクターたちがダイナミックに動くところはだいぶ豪華にできていると思います。あと、1話の中でアクションシーンをたっぷりやれるというのは、なかなかセルアニメでは出来なかったことですので、その辺がすごく見どころになってくると思います」とコメント。

気になるストーリーについては、「この話を頂いた時に、“ヒーローとは何ぞや”、“ヒーローがどうあるべきか”と言ったことを、入れられるかもしれないなと思いました」(
神山監督)、「(主人公は)現代っ子だけど、だんだんULTRAMANの力を得ることによって、いろんなシビアさに直面しつつ紆余曲折を経て、“どういう覚悟でULTRAMANになるんだ”ということが問われる話だと思うので、それにどう彼が向き合っていくのかっていう話」(荒牧監督)と説明。

最後に神山監督は、「原作ファン、特撮のウルトラマンのファンといった全ての人に喜んでもらうことはなかなか難しいんですけれども、皆さんに喜んでもらえることを目指しつつ、かなり良い映像になってきていると思いますので、放送を楽しみにして頂けたらと思います」、荒牧監督は「“ウルトラマンってなんだろう”ということをもう一度考えつつ作ることができましたし、その想いを画面にできたと思うので、既存のファンの方にも響くように作ってますし、新しい人にももちろん観てもらいたい作品になってます。ぜひよろしくお願いします」と語った。

これ以外にもNetflixは「パシフィック・リム」シリーズのアニメ化や、Netflix オリジナルの実写SFシリーズと同一の世界観で展開し、物語の中で語られる神話の新しい側面を発見できるというアニメ「オルタード・カーボン」、橋本花鳥の同名コミックをアニメ化する「虫籠のカガステル」などの配信を予定している。

司会はアニメ好きとしても知られるニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏

発表会の司会を担当し、アニメ好きとしても知られるニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏は、「DEVILMAN crybaby」の斬新な演出や、「B: The Beginning」の物語、「バキ」の迫力など、Netflixが手がけるアニメのクオリティの高さを、「1人のアニメファンとして、まだ観ていない人には“観ないともったいない”と言いたい」とコメント。今後の作品についても「近未来SFの7SEEDSのアニメーション制作にGONZOを持ってくるとか、ULTRAMANを3DCGが得意な神山監督と荒牧監督に任せるなど、“Netflixわかってんな”感が凄い」とアニメファンならではの視点で期待を語った。