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NBAが16年ぶり日本上陸、10月にロケッツ×ラプターズ決定。田臥も歓迎

バスケットボールの世界最高峰である米NBAの試合を日本で行なう「NBA Japan Games」が約16年ぶりに日本で開催されることが決定。NBAとパートナーシップを締結している楽天の協力で「NBA Japan Games 2019 Presented by Rakuten」として、10月8日(火)と10日(木)のプレシーズンゲームが行なわれる。対戦カードはトロント・ラプターズ対ヒューストン・ロケッツ。会場はさいたまスーパーアリーナ。3月5日に記者会見が行なわれ、ゲストとして元NBA選手の田臥勇太選手も登場した。

左から楽天 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏、Bリーグのリンク栃木ブレックス田臥勇太選手、NBAアジア マネージング・ディレクター スコット・レビー氏

これまでNBAの日本での試合は、1990年~2003年に渡って、埼玉、東京、横浜で12試合が行なわれてきた。NBAの試合の日本開催は、2003年のロサンゼルス・クリッパーズVSシアトル・スーパーソニックス以来となり、通算13試合目と14試合目がさいたまスーパーアリーナで開催される。チケット販売は、3月5日にオープンした特設サイトで案内する。

NBA Japan Games 2019 Presented by Rakuten
ロケッツとラプターズの強豪2チームが日本で激突

今回のJapan Gamesで来日するチームは、リーグ屈指のスコアラーであるジェームズ・ハーデンや、司令塔クリス・ポールを中心としたヒューストン・ロケッツに対し、新たな主力であるカワイ・レナード選手と、オールスター5度選出のポイントガード、カイル・ラウリーに、頼れるビッグマンのマルク・ガソルを加えて今シーズンも好調のトロント・ラプターズ。

楽天は、'17年10月にNBAと複数年のパートナーシップ契約を締結し、楽天が日本国内におけるNBAの独占的な放映・配信パートナーおよびグローバルにおけるマーケティングパートナーとなっている。

今回の試合もライブ配信されることが決定。楽天の有料映像配信サービスとして展開中のRakutenTV内「Rakuten NBA Special」(月額972円/年額7,560円、いずれも税込)で配信するのか、他の方法となるのか検討中としている。試合会場での観戦と映像配信どちらについても、イベントの盛り上がりに連動した様々な取り組みを検討中としており、詳細は今後案内される予定。特設サイトで楽天会員のユーザーIDを使って事前に登録すると、NBA Japan Gamesに関する情報が順次届くという。

なお、同社はNBAスーパースターのステフィン・カリー選手とクレイ・トンプソン選手、ケビン・デュラント選手を擁する強豪であり人気チームのゴールデンステート・ウォリアーズと複数年度のパートナーシップを結んでいるが、今回はウォリアーズの日本での試合実現とはならなかった。

三木谷会長「バスケットは社会に大きなインパクト」、田臥選手「全てがベストなのがNBA」

楽天の三木谷浩史会長兼社長は、同社のスポーツへの取り組みについて、プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスやJリーグのヴィッセル神戸、海外ではFCバルセロナに注力していることを紹介。

楽天の三木谷浩史会長兼社長

バスケットボールについては、楽天グループとしてチームを保有していないものの、前述のようにNBAの試合を国内では独占の形でRakutenTVで配信するなど積極的に取り組んでいる。三木谷氏はその理由について「サッカーと並び、もしかしたらそれ以上にバスケットボールの盛り上がりは社会に与えるインパクトが大きいと思っている。NBAのすさまじい盛り上がりを日本のファンに見ていただけることは楽天グループにとっても大変うれしいこと。去年のレギュラーシーズンでカンファレンス1位同士だった最強豪のロケッツ、ラプターズの選手が日本で戦うことで、子供たちに与える影響も大きい。ジェームズ・ハーデン、カイル・ラウリーというスーパースターのプレイが見られることで、日本のバスケットボールも盛り上がる」と述べた。

会見では、ラプターズのマルク・ガソル選手とパスカル・シアカム選手、ロケッツのクリント・カペラ選手からのビデオメッセージも届いた。ガソル選手は「今回のJapan Gamesについてお知らせできてうれしい。日本でのプレシーズンゲームが待ちきれない」。シアカム選手は「ファンに会えることを楽しみにしています。“コンニチワ”」。カペラ選手は「10月の試合を楽しんでください」とコメントした。

ラプターズのマルク・ガソル選手
ラプターズのパスカル・シアカム選手
ロケッツのクリント・カペラ選手

NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏がライブ中継映像で登場し、日本開催を歓迎。「バスケットボールは日本のスポーツの中でも勢いがあり、若い人の間で2番目に人気とされている。Bリーグ人気に加え、2020年のオリンピックには初めて“3×3”(3人制バスケットボールのスリーバイスリー)も開催される。今回のJapan Gamesでは、試合だけでなく異文化交流や社会イベントも既に計画している」と述べた。

NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏

NBAアジア マネージング・ディレクター スコット・レビー氏も来場。記者からの質問で、日本が2019年のワールドカップ本戦出場を決めたことや、NBA入りを果たした日本人の渡邊雄太選手についてもコメント。「ワールドカップは注目して試合を見ていた。日本が予選を突破したことは素晴らしい。バスケットボールはグローバルスポーツであり、世界中の選手が切磋琢磨して向上を続けていることがワールドカップで示される。日本の若いアスリートも、しっかり努力を重ねて機会を得られれば、最高峰の場でプレイできるのは自然なことだ」と述べた。

NBAアジア マネージング・ディレクター スコット・レビー氏

また、かつて日本人初のNBAプレーヤーとなり、現在は国内のBリーグ リンク栃木ブレックスでキャプテンを務める田臥勇太選手も来場。日本でNBA公式戦が開催される意義について「プレーヤーとしても、NBAが日本に来てくれることは本当にワクワクする。NBA好きの日本中の人、そして子供たちも、今から楽しみになると思う」とコメントした。

B.LEAGUEリンク栃木ブレックスの田臥勇太選手が来場

日本人初のプレーヤーとなった田臥選手からみたNBAについては「NBAは向こうでは文化の一つ。技術や厳しさ、レベルの高さも世界一。全てがベストなのがNBAの魅力。その試合を通じて、NBA選手を日本から見られるのはうれしいこと」と述べた。

NBAのメンフィス・グリズリーズでも頭角を現し始めている渡邊雄太選手や、ゴンザガ大学で活躍中の八村塁選手などについては「どんどん若い選手が活躍し、今後も日本人選手が世界で戦えることを証明し続けてくれると思う。子供たちに夢や希望を与えてほしい」とした。

10月開催のJapan Gamesで来日するロケッツとラプターズの注目選手については、「もちろんジェームズ・ハーデンがいて、個人的にはポイントガードのクリスポールとカイル・ラウリー。(ロケッツのヘッドコーチ)マイク・ダントーニは、(田臥選手が所属していた)フェニックスにいた頃のコーチなので、久しぶりにお会いしてお話しできたらうれしい」と語った。

日本代表が今年のワールドカップ予選を突破したことについては「選手やスタッフ陣、ファンも後押ししてくれて本当にうれしい。選手たちも言っていたが、W杯出場がゴールではなく、スタート。全員で日本のバスケットを盛り上げていきたい。選手には、自信を持ってプレーし、思い切りチャレンジしてほしい」とエールを送った。