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中国の偽造品工場を強制捜査。Shureやゼンハイザーの偽造品を押収

Shureは19日、同社やゼンハイザー、ヤマハ、ハーマンなどのオーディオメーカーの機器を偽造していた中国の工場Enping Soundpu Electronics Equipment(Voxpu Electronics Equipmentとしても営業)を、2018年10月に警察が強制捜査したと発表。ワイヤレスマイク、受信機、コンソール、アンプ、プロセッサーなどの偽造品が押収された。同社オーナー、および経営者に対する刑事訴追手続きを開始した。

中国の工場Enping Soundpu Electronics Equipmentで発見された、Shureのマイクの偽造品

現地での強制捜査は、Shure主導の下、恩平市公安局(PSB)および恩平市工商行政管理局(AIC)と協力して実施。強制捜査を受けた工場は、度重なる製品偽造により、恩平市の当局にも偽造品業者として知られており、2018年4月に実施された定期市場調査の際には、Soundpuの工場構内でShureのワイヤレスマイクの偽造品が発見され、2018年8月に恩平市工商行政管理局によって罰金を科されていたという。

10月の強制捜査では、Shureだけでなく、ゼンハイザー、ヤマハ、ハーマンなどの偽造品も押収。オーナーおよび経営者に対する刑事訴追には、ゼンハイザー、ヤマハ、ハーマンの支援も得られる見込みだという。

業務用アナログチャンネルデバイダーの「dbx 234XL」の偽造品
ヤマハのパワーアンプ「P3500S」の偽造品

ShureのChris Schyvinck社長兼 CEOは、「偽造はオーディオ業界にとって進行中の問題であり、引き続き対偽造品イニシアティブを推進していく。Shureは、低品質の偽造品からお客様を守り、Shureの名前を冠する製品を購入すれば必ず本物のShure製品の品質を体験していただけるように全力を注いでいく」とコメント。

さらに、「我々の共有知的財産は侵害されてきました。本件に関するゼンハイザー、ヤマハ、ハーマン各社の協力に大変感謝している。これらのプロフェッショナルオーディオ製品は必ず正規販売店からご購入いただくようお願いいたします」としている。

ヤマハの中田卓也取締役代表執行役社長も、「ヤマハは長きにわたり、中国をはじめグローバルに、訴訟、レイドのほか、税関差止や啓蒙広告等、様々な模倣品対策を講じてきた。これらの対策が、エンドユーザーを始め全ての大切なお客様を粗悪な模倣品から守り、最終的にブランドの信用・信頼に繋がると信じている。私たちは、今後も、お客様を守るために、ブランドおよび知的財産権を毀損する行為に対しては毅然たる態度で臨んでいくこうした活動を加速させるために、Shure、ゼンハイザー、ハーマン各社と協力できる機会に感謝している」。

HARMAN Professional SolutionsのMohit Parasher社長兼EVPは、「HARMANはブランドの品位とイメージを守ることに全力で取り組んでおり、知的財産の不正使用に対する積極的な防止策も辞さない構え。自社の名前、デザイン、商標を守るために、Shure、ヤマハ、ゼンハイザーなどの業界の主要メーカー、捜査当局、世界中の司法当局と引き続き協力していく。最も大事なことはお客様を偽造品から守ること」と語っている。