ニュース

ダブル4Kチューナ&全録の最上位4K液晶レグザ「Z730X」。AI超解像+80Wバズーカ

東芝映像ソリューションは、4K液晶テレビ「REGZA Z730X」シリーズを6月上旬より順次発売する。新4K衛星放送チューナー2基、AI超解像対応レグザエンジン Professional、タイムシフトマシン、そして重低音バズーカスピーカーなどを搭載した液晶方式の最上位シリーズで、43型「43Z730X」、49型「49Z730X」、55型「55Z730X」、65型「65Z730Z」の全4モデルを展開する。価格はいずれもオープンプライスで、店頭予想価格は43型が17万円前後、49型が19万円前後、55型が25万円前後、65型が35万円前後。

65Z730X

液晶REGZA(レグザ)の最上位ラインに位置する「Z720X」シリーズの後継機。高輝度全面直下型LEDバックライトやタイムシフトマシンなどは前モデルを継承しながら、AIを活用した超解像技術や重低音バズーカの大出力化、みるコレ、4K放送裏録といった品質・機能向上を実現した。

加えて「なぜ液晶のフラグシップシリーズに大型・小型サイズが無いのか? という市場からの要望に答えた」として、4年ぶりに65型サイズ、そして3年ぶりに43型サイズを復活させている。

43Z730X

    【REGZA Z730X】
  • 65型 「65Z730X」 店頭予想価格35万円前後 6月上旬
  • 55型 「55Z730X」 同25万円前後 6月上旬
  • 49型 「49Z730X」 同19万円前後 6月上旬
  • 43型 「43Z730X」 同17万円前後 6月下旬

なお、同日発表の4K液晶テレビ「RZ630X」「M530X」シリーズは、別記事で紹介している。

AI活用の高画質化技術を追加した「レグザエンジン PROFESSIONAL」

パネルは、全モデルとも3,840×2,160ドットの4K解像度。65型は外光反射を抑制する低反射フィルム採用のVA方式、55/49/43型は高コントラストIPS方式を採用する。全モデルに最新パネル、全面直下型LEDバックライトを採用、制御技術「リアルブラックエリアコントロール」との併用で、輝きと引き締まった暗部を描くコントラスト豊かな描写を実現するという。

49Z730X
55Z730X

映像エンジンは、最新のアルゴリズムにアップデートした「レグザエンジン PROFESSIONAL」。“AI技術を駆使した高画質化処理”の搭載が従来エンジンとの違いで、「AI超解像技術 深層学習超解像」「AI超解像技術 バリアブルフレーム超解像」が新たに追加された。

レグザエンジン PROFESSIONALを搭載した回路ボード

「深層学習超解像」は、シーンごとの画質の違いを自動判別し、シーンに応じて適切な超解像処理を施すというもの。例えばドローンの空撮などで、エッジが過度に立っていて映像がギラついて見えるシーンが入ると、ヒストグラム情報をもとに超解像処理を弱めるなど、リアルタイムかつフレキシブルな超解像処理を行なう。おまかせモードを選択中、かつ2K素材の場合にのみ動作するとのことで「“おまかせ”のまま、2K放送がより高画質に楽しめる」という。

深層学習超解像

4K放送や地上デジタル放送など、原画が60i/60pのコンテンツに対して、映像の種類と動き量に応じてノイズ処理と複数フレーム超解像処理を適応させるのが「バリアブルフレーム超解像」。

REGZAはこれまでにも、原画のフレーム数に応じて参照フレームを選択し最適なノイズ処理と複数フレーム超解像を実行する「アダプティブフレーム超解像」を一部モデルに搭載していたが、今回AI技術を活用することで、映像の動き量に応じて適宜変化させる“バリアブル処理”へと進化させている。

動き量が少ない場合は“遠く”のフレーム、大きい場合は“近く”のフレームを参照するようになっており、ノイズリダクションは最大5フレーム、複数フレーム超解像は最大3フレームを用いて処理を行なう。フレーム参照による“固定”の処理に比べると「動き量の大小問わずノイズを抑えながらも精細感を引き出せる」としている。

バリアブルフレーム超解像

この他の新アルゴリズムによる画質改善には「AI機械学習HDR復元」と「美肌リアライザーHDR」があり、前者はアニメ素材におけるHDR復元の高精度化、後者はHDR映像における人肌部分の質感・階調再現の向上が行なわれている。

従来機種にも搭載されていた、4K放送高画質化処理「BS/CS 4KビューティX PRO」やコントラスト制御技術「HDRリアライザー PRO」、3段階による超解像処理を施す「地デジビューティX PRO」なども引き続き搭載する。

なおHDRは、HDR10方式とHLG方式の2種類のみ対応する。

AI機能学習HDR復元
美肌リアライザーHDR

総合出力“80W”に進化した新バズーカオーディオシステム

スピーカーは「重低音バズーカオーディオシステム PRO」。

新開発の13mmシルクドームツイーターとフルレンジスピーカーを配置した「大型バスレフ2ウェイスピーカー」と、ダブルウーファーと4個のパッシブラジエーターを採用した、新開発の「重低音バズーカウーファー」を採用。総合出力80W(前モデルは総合66W)のマルチアンプ駆動でリアルなサウンドと重低音を確保した。

13mmのシルクドームツイーターを採用する大型バスレフ2ウェイスピーカー
ダブルウーファーと4個パッシブラジエーターを搭載する重低音バズーカウーファー

また、高精度全帯域補正を使い、フラットで明瞭な音質と自然な音像定位の実現するVIRイコライザーや、放送などの音声圧縮時に失われた微小信号を復元し、圧縮前の豊かな倍音成分を含む音質を再現するレグザサウンドリマスターも新たに搭載。「新バズーカシステムと合わせ、放送コンテンツなどがより高音質に楽しめる」という。

レグザ サウンドプロセスVIR

BS 4Kチューナーを2基搭載。外付けUSB HDDへの4K裏録を実現

搭載チューナーは、地上デジタル×9(タイムシフトマシン含む)とBS/110度CSデジタル×3、BS/CS 4K放送×2、スカパー! プレミアムチューナー×1系統。別売のUSB HDDへの録画に対応する。地デジ/BS/CSは2番組の同時録画に対応。4K放送の録画は1番組のみ。

タイムシフトマシンの地デジ6チューナーに加えて、通常録画用の地上/BS/CS110度チューナーがトリプル、4Kチューナーもダブルで搭載

放送済みの番組をさかのぼって見られるレグザ独自のまる録り機能「タイムシフトマシン」を搭載。「過去番組表」のほか、テレビ起動時やチャンネル選局時に気になる番組を見つけてもボタン1つでオープニングから視聴できる「はじめにジャンプ」、ジャンル別リストから見たい番組をすぐに再生できる「ざんまいスマートアクセス」にも対応する。

新機種の発売に合わせ、レグザのネットサービス「みるコレ」の大幅アップデートを実施。カテゴリー別に分類されたサムネイル付き番組を一覧表示する新GUIに切り替わり、シンプルなスクロール操作で番組が見つけやすくなった。

リニューアル後の「みるコレ」画面。「これからの注目番組(未来番組)」「おすすめの番組(録画済み番組)」欄にAIレコメンドシステムが反映されている

さらにおすすめ番組のレコメンド精度が大幅に進化。これまでクラウドに蓄積されたレグザユーザーの膨大な視聴データに基づき、機械学習をはじめとする様々なアルゴリズムでユーザーの関心や視聴パターンを推定しオススメしてくれる「AIレコメンドシステム」がアップデート後に反映されるようになり、より自身の嗜好に合った番組がオススメされるようになるという。

またアップデートで4K放送を対象とした「おまかせ録画」にも対応。おまかせ録画は、毎回録画予約しなくても、おすすめのドラマやアニメ、好きなタレントなどのテーマで自動録画してくれる機能だが、テーマごとの“みるコレパック”に加え、「みるコレAIのおすすめ!」パックが追加され、よく視聴する番組を機械学習で解析し、おすすめの番組を自動録画してくれる。

「これからの注目番組(未来番組)」「おすすめの番組(録画済み番組)」欄にAIレコメンドシステムが反映される。写真は「これからの注目番組」を表示した場合

2画面同時表示の「ダブルウィンドウ」と、放送中の地デジ最大6チャンネルを同時表示する「まるごとチャンネル」にも対応する。

映像配信サービスは、Netflix、YouTube、AbemaTV、hulu、dTV、U-NEXT、DAZN、TSUTAYA TV、DMM.com、スカパー! オンデマンド、ひかりTV 4K、クランクイン! ビデオ、アクトビラ ビデオ・フルに対応する。リモコンのダイレクトボタンはNetflix、YouTube、AbemaTV、hulu、dTV、U-NEXTの6つ。

リモコン

レグザリモコンの音声機能を使った番組検索やシーン検索などの「ボイス機能」にも対応する。7月下旬には、タイムシフトマシンの録画済み番組のなかから、見たい番組名やシーン名を声で探せるアップデートを予定している。

HDMI入力は4系統。コンポジット映像・LRアナログ音声入力が各1系統。光デジタル音声出力、ヘッドフォン出力を各1系統用意する。USB端子は4系統。

消費電力は65型が343W、55型が271W、49型が230W、43型が208W。年間消費電力量は65型が199kWh/年、55型が160kWh/年、49型が150kWh/年、43型が148kWh/年。

外形寸法/重量は65型が145.1×33.7×91.0cm(幅×奥行き×高さ)/27kg、55型が124.2×23.5×78.2cm(同)/19.5kg、49型は110.5×23.5×70.5cm(同)/16.5kg、43型は97.5×20.9×62.6cm(同)/13.5kg。

レグザのこだわりを変わらず貫く。有機ELテレビのラインアップも強化する

製品発表会には、東芝映像ソリューション取締役副社長・R&Dセンター長の安木成次郎氏が登壇。「我々はいま、川崎エリアに本社部門と設計開発部門を集結させて、迅速な経営と強力な開発体制を築いている。昨年はどこよりも早くBS4Kチューナー搭載モデルを展開、内蔵テレビでシェアNo.1を獲得し、4K市場の牽引役となった。19年モデルはレグザが貫いてきたこだわりに立ち返り“テレビを楽しむ王道の価値の創造を最大化する”をコンセプトとしている。新しいAI技術を搭載し更に進化した映像エンジンと、見たいときに見たいものを楽しむ進化したタイムシフトマシンを全面的に打ち出した。さらに今後は有機ELテレビのラインアップも強化してゆく。日本に根ざしたテレビブランドならではの、魅力ある機能と性能。今後のレグザに期待してほしい」と説明。

東芝映像ソリューション 取締役副社長 R&Dセンター長 安木成次郎氏

同社マーケティング部・ブランド統括マネージャーの本村裕史氏は、新商品の説明に登壇。「4K液晶レグザの最高峰モデルZ730X、購入直後からすぐにタイムシフトマシンが楽しめるRZ630X、そして4Kチューナーを2基搭載したスタンダードモデルM530X。新しい液晶レグザは大画面で、高画質・高音質に、そして放送も録画もネット動画も楽しめる製品に仕上がった。中でもZ730Xの43型は、小型ながらすべてを詰め込んだ特異なモデル。43型で80W出力のサウンド性能を備えるモデルは他にないだろう。でもこういうことをするのがレグザだ。ぜひ一度、画質、音質、そしてタイムシフトマシンを体感してみてほしい」と話した。

マーケティング部 ブランド統括マネージャー 本村裕史氏