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ソニー、次世代ゲームコンソールは演算性能向上と専用SSDで“イマーシブ”追求

ソニーは21日、2019年度の経営方針説明会を開催し、'18年に公表した中期経営計画やコンテンツIP強化の進捗を、吉田憲一郎社長兼CEOが説明。ソニーが目指す「テクノロジーに裏打ちされたクリエイティブエンタテインメントカンパニー」への取り組みについて紹介した。

ソニー吉田憲一郎社長兼CEO

2018年度の過去最高益の原動力なったゲーム事業(G&NS事業)については、PlayStation Network(PSN)が成長。G&NS事業の売上高は2兆3,109億円、営業利益3,111億円となり、売上の6割以上がPSNとなった。

中期経営計画の施策
ゲーム事業の好調が牽引

IPの強化については、Sony/ATVやEMIの取得による世界最大の音楽出版社となったことや、ゲーム・音楽・映画分野でのヒット創出を説明。ソニーブランドのエレクトロニクス「ブランデッドハードウェア」については、約900億円のキャッシュフローを創出した。CMOSやセンシング領域では、またイメージセンサーのナンバーワンポジション堅持や、iToFセンサーのスマホ向け納入や車載センサーの採用拡大などを実現した。

ブランデッドハードウェア事業

2019年度以降の展開も、G&NS事業から説明。PlayStation 4の累計出荷台数が9,680万台を超え、「今年度中に累計1億台というマイルストーンに到達する」と語り、Immersive(没入感)とSeamless(いつでもどこでも)をキーワードに強化していく。

PS4はまもなく1億台

具体的にはPS4の次世代機における描画性能の高さによる、圧倒的な動きの滑らかさを紹介。この次世代機は演算性能の向上と超高速広帯域の専用SSDを組み合わせ、圧倒的な描画スピードが創出する“Immersive”を追求したものだという。さらに、PS4のリモートプレイ機能(スマートフォンなどでPS4のゲームプレイが可能)により、スマートフォンなどでもゲームが楽しめることを紹介し、「一番身近なストリーミングサーバーが手元にある」と説明。「1億台のストリーミングサーバー」が身近にあることを訴求するとともに、PS4のリモートプレイは、Xperia以外のAndroidにも広げていく。

次世代機のパフォーマンスをアピール

また、次世代機でもリモートプレイを強化する。さらに、ストリーミングゲームでのMicrosoftとの協業も紹介した。

エンターテインメントについては、ライブラリやコンテンツIPの再活性化のほか、エンターテインメントサービスの普及によるコンテンツ需要増を事業成長機会とし、今後の投入作品などを紹介。

ハードウェアは、すべてのコンシューマエレクトロニクス事業とプロフェッショナルソリューション事業をあわせて「EP&S(エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション)」として統合。事業の最適化や効率化の追求、人材の流動化と活性化を狙い、モバイルを含めた既存事業強化を狙う。

半導体は、スマートフォン向けCMOSセンサーの多眼化、大判化を生かした需要拡大に対応。スマートフォン向けToFセンサーの需要拡大も見込む。また、長期的成長に向け車載用センサーへのエッジAIの取組みにも着手。CMOSイメージセンサー自体をインテリジェント化する。MicrosoftとのAI領域の協業もここに関連していく見込み。

中期の見通しは、2020年度までの3年間累計の金融分野を除く営業キャッシュフローの目標を2兆円から2兆2,000億円以上に増額。1兆円としていた2020年度までの3年間の設備投資は、CMOSイメージセンサーへの投資増額により、1.1兆円~1.2兆円を見込む。