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パナソニック×開化堂、茶葉の香りが広がるように音が出るスピーカー「響筒」

パナソニックは、京都の手作り茶筒の老舗・開化堂と共に、ワイヤレススピーカー「響筒」(きょうづつ)を開発した。11月8日発売。開化堂にて100台限定発売し、価格は30万円。「手のひらで感じる音の響きや、時の流れとともに変わる表情を楽しむという、心豊かな体験を生み出す」という。

ワイヤレススピーカー「響筒」

パナソニックの家電のデザイナーが2015年から、京都の伝統工芸の継承者とともに、日本の感性とモノづくりの原点を探り、未来の豊かなくらしを実現する新たな家電を研究する共創プロジェクト「Kyoto KADEN Lab.(京都家電ラボ)」に取り組み、さまざまなプロトタイプを開発。そこから初めて商品化されるのが「響筒」。

「五感や記憶に響く体験価値」をコンセプトに、耳で聴くだけでなく、音の響きを手のひらで感じる新たな体験を創造するという。開化堂が精巧を極めて本体の板厚を響筒オリジナルに仕上げた茶筒に、パナソニックがオーディオ分野で培った技術とノウハウを用いて、最適な響き方と音作りを両立したスピーカーを0.01mm単位まできめ細かに調整して固定。「長年の歴史に裏付けられた開化堂の伝統工芸技術とパナソニックのモノづくり技術の融合により、不要な音を発生させることなく心地よい音の響きを手のひらに伝える構造を実現した」という。

明治8年に創業した開化堂の茶筒は、極めて高い密封性を持つという。その特徴を生かして、蓋を開けると茶葉の香りがフワッと広がるように音が立ち上がり、閉じる際は蓋と胴体の継ぎ目を合わせると蓋が重力に従ってゆっくりと落ち、上品に音がフェードアウトする、新たな音の表現を実現。

本体には、響筒のために創られたオリジナル音源がプリインストールされており、商品梱包を開封後、電源を入れて、初めて蓋を開けた瞬間から音楽を楽しめる、オルゴールのような機能も備えている。

音質にもこだわり、独自開発のDSPで、低音から高音まで広帯域で自然な、聴きやすく優しい音を実現。バスレフポートで低域を強化するとともに、スピーカー上部のディフューザーで音の広がりを持たせている。Bluetoothモードも備え、Bluetoothスピーカーとして使うことも可能。プロファイルはA2DP(SCMS-T非対応)、AVRCP。対応コーデックはAAC、SBC。

真鍮素材特有の滑らかな手触りと美しい光沢を持ち、触れれば触れるほど徐々に濃い飴色になり、使い込むほどに愛着が湧くという。本体底面には本革を採用し、本革の風合いの変化も楽しめる。

経年変化のイメージ

また、付属の充電台に本体を置くだけで充電が可能な非接触給電方式を採用。ケーブルに接続する煩わしい所作をなくし、接続端子のない美しい外観を実現した。充電台にも本体同様の真鍮と本革を採用し、「充電時も凛とした佇まいを演出する」という。

外形寸法は80×91.5mm(直径×高さ)、充電台は80mm×13.5mm(同)。重量は本体が約500g、充電台が約110g。

左から響筒と充電台