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生誕40周年「ダーティペアBD-BOX」発売。高千穂遙×松本梨香×國府田マリ子座談会

アニメ「ダーティペア」の生誕40周年を記念し、12月18日に「ダーティペア COMPLETE Blu-ray BOX」が発売される。価格は初回限定版(VPXY-71758)が50,000円、通常版(VPXY-71759)が46,000円。発売を記念し、原作者の高千穂遙と、ダーティペアFLASHでケイ役・ユリ役を演じた松本梨香、國府田マリ子の座談会が行なわれた。

(C)高千穂&スタジオぬえ・サンライズ

COMPLETE Blu-ray BOXには、映像作品を全て収録。1985年に放送がスタートした「ダーティペア」全24話と、劇場版、OVAシリーズなどを収録。1994年にOVAとして発売された「ダーティペアFLASH」シリーズ全話も収めている。発売・販売元はバップ。

  • TVシリーズ全24話(Disc1~4)
  • オリジナルビデオシリーズ第1弾「ダーティペア ラブリーエンジェルより愛をこめて」全2話(Disc5)
  • ダーティペアの大勝負 ノーランディアの謎(Disc6)
  • ダーティペア(劇場版)(Disc7)
  • オリジナルビデオシリーズ第2弾 全10話(Disc8~9)
  • ダーティペア 謀略の005便(Disc6)
  • ダーティペアFLASH 全6話(Disc10)
  • ダーティペアFLASH 2 全5話(Disc11)
  • ダーティペアFLASH 3 全5話(Disc12)

初回限定版には特典として「WWWA公式プレミアムファイル」を同梱。FLASHシリーズで監督を務めた須永司と望月智充のインタビューも収録する。また、ケースが土器手司、木村貴宏、描き下ろし三方背BOXとなる。

「ダーティペア COMPLETE Blu-rayBOX」比較映像

高千穂遙×松本梨香×國府田マリ子座談会

(C)高千穂&スタジオぬえ・サンライズ

――「ダーティペアFLASH」の映像が流れる中での座談会スタート。

松本:わたし、声が全然変わってないですね(笑)

高千穂:それは立派なことですよ。本当に。

松本:確か、「『絶対無敵ライジンオー』の日向仁くんみたいにやって」って言われて。

高千穂:仁くんより、もう1~2歳年齢をあげた声にしてくれってお願いしたんじゃなかったかな。1~2歳単位で声を変えられますって言われて。

國府田:かっこいい~。

松本:ユリは、すごく可愛く演じてたね。

――キャスティングはどのような流れだったのでしょうか。

松本:オーディションあったっけ?

國府田:わたしは受けました。事務所から「『ダーティペア』って作品を知っていますか?」って聞かれて。姉が原作を全巻持っていて、それを読んで育っていたので、嬉しくてその日のうちにテープで…その当時は、まだテープだったんですけど(笑)セリフを録りました。

高千穂:梨香ちゃんについては、千葉さんからいろいろ素材をもらって聞いた中で、もうこの人!て決めたんだっけかな。でもユリの方は候補としてもらったテープの中に「これ!」って人がいなかったんだよね。それで、うちにあるアニメを次々に観ていって『おキヌちゃん』の声を聴いたときに「あ、この人!」って思ったんだ。

國府田:えぇ~!嬉しい。

高千穂:ケイも、最初は女性っぽい声だったんだけどわたしが「少年の声で行く!」って主張して、セリフも全部書き直したの。

松本:そうなんですよ。女の人でちゃんと向き合ってやろうと準備して、現場に行ったら高千穂さんは……

高千穂:セリフを書き換えちゃってた。

松本:そうなの(笑)

高千穂:で、サンライズのプロデューサーがシナリオを読んで「まるっきり男じゃん!」って。わたしは『FLASH』のケイはこれでいいって思ってた。梨香ちゃんならできると確信してた。

松本:すごく悩みましたけどね。自分の小さいときを思い出してみたりしながら、ケイとは向き合ったなぁって。ただアクションがすごく多いアニメじゃないですか。収録のときに絵はほとんどない状態だったから、それも大変でした。

(C)高千穂&スタジオぬえ・サンライズ

高千穂:できあがった絵をみたらバッチリだったけどね。もうケイもユリも完璧!

松本:そう言っていただけるとありがたいです。一生懸命にやったのと、あとはユリちゃんがすごく可愛い、まわりを振り回してるところとか、ぴったりの役だったので…。

國府田:それディスってんですか、褒めてんですか?

松本:褒めてるんだよ(笑)

國府田:えへへへへ。

松本:もう、こういうとこが全然変わってないな(笑)でもこういう二人の差がくっきり出て、きっと観てる方は楽しいだろうなって感じていました。

――音響監督の千葉耕市さんとの収録はいかがでしたか。

國府田:CDドラマで1ページ半に渡る長台詞があったんですけど、どうしてもOKが出なくて。普通なら「もういいよ」ってなっちゃうところを、千葉さんは何回もやらせてくださって。それでOKがでたその日に「最近どうだ?」って声をかけてもらって「今、自分がやっていることが正解なのか分かりません」ってお話をしたら、「自分は出来てる!と思ったときは終わりだ。そうやって迷って迷って、芝居に向き合っている方がよっぽどいい」って言ってくださったの。すごい愛情をもって指導してくださった。

松本:千葉さんはご自身も声優さんをやられていた方なので、表現のコツとか細かい描写の仕方を教えてくださったのが、本当に勉強になりました。

高千穂:全幅の信頼を寄せてたんで、千葉さんに音響監督を引き受けてもらえたらもうOKだと思ってた。

松本:千葉さんの演出は無条件に信じられたんですよね。

――当時は、各地でのイベントもよく開催されていましたね。

松本:あちこちいっぱい行ったね。

國府田:イベントといえば、北海道に行ったときのことをすごく覚えてる。梨香さんが「イクラ丼を食べないと梨香帰らない!」って言って、みんなで食べに行ったら、飛行機に乗れない時間になって……。

松本:あ!そう!タクシーで急いで空港に!

國府田:でもスタッフのみなさんは飛行機に間に合わなくて、千歳空港で一晩過ごしたの。

高千穂:すごい記憶力だ。

國府田:イベントは、いつも観てくれてる皆んなに直接会えるので、幸せでした。

――当時の収録でのエピソードはありますか。

高千穂:そういえば、梨香ちゃんが一生懸命説教をしていたのを思い出したよ。

松本:ああ!(笑)

國府田:えぇ!?お説教されたことないですよ。

高千穂:意識してないのか。

松本:説教というか、アドバイスをしてたね。

國府田:えぇ?

高千穂:馬耳東風だったのね。

松本:でもね、マリ子ちゃんは、ユリにぴったりだった。本当に自然でやってるなって。

(C)高千穂&スタジオぬえ・サンライズ

國府田:二人の友情というか、愛情のなせる……

松本:そうそう、愛情がないと私もアドバイスは言わないと思うんだよ、マリちゃん。

國府田:わたしもそう思う。

松本:もう、ユリそのままじゃない(笑)

高千穂:まったく(笑)当時、ユリはだれにでも嫌われる子に演じてってお願いしたんだよね。

國府田:はい……。アニメ史上最悪のヒロインを目指してって。

松本:じゃあ「ぴったり」って言うのはかわいそうじゃないですか(笑)

國府田:だから、ずっとディスってるのかなって。

松本:違う違う。

國府田:でも、自分の中ではユリはすごく可愛いと思ってて……。友達に居たら面白いじゃないですか。

高千穂:そう思ってやってくれてたならバッチリ。

松本:ナイスキャスティングだったんですね。

高千穂:うん。最初からそう思ってたんだけど、いざ収録に行って聞いたら「オレってなんて天才だろう」って思ったね。

國府田:うわぁ!嬉しい。

高千穂:『ダーティペア』はTVだから現場に口を出すとスケジュールに差し支えると思って遠慮したんだけど、『FLASH』はもう口をだしまくりで。久しぶりのアニメの現場でもあったから、楽しくてしょうがなかったんだよな。

國府田:現場に来てくださってたのがすごく嬉しかった。

松本:バップの人もそうだし、作品に対する愛を感じる現場でしたよね。いつも人がたくさんいるスタジオだった。

高千穂:あのときはもう「サトシくん」だったの?

松本:まだです。

高千穂:昨日、自転車ショップのオーナーに「明日はサトシくんと一緒なんだよ」って言ったら尊敬されちゃったよ。

松本:あははははは。

――OPとEDの主題歌もお二人が歌われていましたよね。

左:『ダーティペア FLASH3』ED「心で見つめてる」/右:同作 OP「本気にしないで」
(C)高千穂&スタジオぬえ・サンライズ

高千穂:OVAなのにOPとEDが発売されてたんだよね。

松本:わぁ懐かしい細長いの!うわぁ今と全然違う!ほら!女を振りかざしてるころですねこのジャケット(「心で見つめてる」)は。なんかもうポーズが!やばい!

高千穂:こちら(「本気にしないで」)もずいぶんやばい(笑)

國府田:これ……カメラさんのリクエストですから……。

松本:なんだろう?いやいや、もう本当になんだろう?だって、もう見てみ?この写真。

國府田:え?綺麗ですよ。

松本:ブイブイ言わせてた時期だったんじゃないっすかね。

國府田:それ、掘り下げていいんですか?

松本:こう、髪の毛も長いし。

高千穂:それだけ言うと、この写真、使われるよ。

松本:あ…。いや、使おう使おう!残してもらった方がいい。

――最後に、皆さんへのメッセージをお願いします。

國府田:観たあと気持ちがよくって、自分もこの世界に入れたらなぁと感じられる作品なので、是非観てください!そして続編が出るように皆さん、Get してくださいね。

高千穂:わはははは。

國府田:お友達にも勧めてください!お願いします。

高千穂:この夏の日本SF大会で上映したら『FLASH』も面白いじゃないかって感想があってね。やっぱりOVAだから観てない人もけっこういて。今観てもよくできてるから、観たことのない人も、ある人も是非観て欲しい。

松本:今観ても全然古さを感じない作品ですよね。最初の『ダーティペア』があっての『FLASH』だけど、続編ではなくて、キャラ設定もビジュアルもメカも別なので『ダーティペアFLASH』という作品として是非観て欲しいです。最初の『ダーティペア』が好きだった人も、初めて観る人も、楽しんで欲しいなと。自分たちが参加した作品がこんな形で残るのも嬉しい

高千穂:うん。出した当時、続編だと受け止められて「違うじゃないか!」という感想もあったんだけど、そもそも違う作品として出したので、そこは梨香ちゃんの言うとおり単体の作品として観てもらいたい。…バッチリまとまったね。

一同 爆笑