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i-dio放送、2020年3月31日で終了

VHF-Low帯を利用した放送サービス「i-dio」が2020年3月31日で終了する。ジャパンマルチメディア放送のグループ会社である東京マルチメディア放送、北日本マルチメディア放送など、各マルチメディア放送会社が発表した。

なお、喜多方市、焼津市、加古川市向けに現在提供中のV-ALERTについては、2020年4月以降も引き続き音声チャンネルを伴ったサービスとして利用自治体に提供するという。

i-dioは、地上アナログテレビ放送終了後のVHF-Low帯を利用した放送サービスとして2016年7月から全国で本放送を順次開始。テレビでもラジオでもない新しい放送として、映像・音響・データなどをデジタルデータとして放送。放送波で送信するため、通信とは異なり、輻輳もなく、不特定多数に情報を送れる事が特徴。

2019年4月1日には北海道ブロックでi-dioを開業。放送エリアは北海道、東北、関東・甲信越、北陸・東海、近畿、中国・四国、九州・沖縄の全国7ブロック全てで開業し、現在はハイレゾ級番組i-dio HQ Selectionなどの番組を放送している。

しかし、環境の激変などもあり、計画通りの収益を計上できず、今年の10月には、エフエム東京が中心となり設立した持株会社であるジャパンマルチメディア放送をはじめとするi-dio事業各社が「財政的に大変厳しい状況に陥っている」と発表。i-dioの放送開始以前より、事業推進の中心となって積極的な投融資を行なってきたエフエム東京が、i-dio事業から撤退を発表していた。

なお、エフエム東京は8月、i-dioの状況が芳しくない事から生じた子会社の赤字を隠すため、子会社を連結決算から外す不適切な株取引をしていたと発表。その不適切な株取引のキッカケとなったi-dioチャンネルの「TS ONE」は9月末で放送を終了している。

各マルチメディア放送会社はi-dio終了について「お楽しみいただいておりましたリスナーと関係各社の皆様に、深く感謝申し上げます」とコメントしている。

i-dioの放送波をWi-Fiに変換することで、対応チューナーを搭載しないスマートフォンでi-dioを受信できるようにする「Wi-Fiチューナー」も開発された
i-dio受信対応のSIMフリースマートフォン「i-dio Phone」