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Dolby Visionで4K撮影、最上位スマホ「iPhone 12 Pro/Pro Max」

アップルは14日、5Gに対応し、大型センサーを採用した広角カメラなどを備え、新しい“Apple ProRAW”形式での撮影や、Dolby Visionでの動画撮影にも対応したスマートフォン「iPhone 12 Pro」と「iPhone 12 Pro Max」を発表した。iPhone 12 Proは直販サイトで10月16日予約開始で、128GBが106,800円、256GBが117,800円、512GBが139,800円。iPhone 12 Pro Maxは11月6日予約開始で、128GBが117,800円、256GBが128,800円、512GBが150,800円。

どちらもカラーはグラファイト、シルバー、ゴールド、パシフィックブルーの4色。底部の端子はLightning。

iPhone 12 Pro
iPhone 12 Pro Max

ディスプレイサイズは、iPhone 12 Proが6.1型で2,532×1,170ドット、iPhone 12 Pro Maxが6.7型で2,778×1,284ドット。どちらもOLEDの「Super Retina XDRディスプレイ」を採用。HDR表示やTrue Tone、広色域(P3)、触覚タッチ、2,000,000:1のコントラスト比(標準)、最大輝度800nit(標準)、最大輝度1,200nit(HDR)に対応する。

業界初という5nmプロセスの「A14 Bionicチップ」と次世代のNeural Engineを採用。トランジスタの数が40%増加し、高速化したほか、電力効率も向上。長時間駆動にも寄与しているという。このパワーで、後述するDolby Visionでの映像撮影などを可能にした。

カメラは、35mm換算で焦点距離13mmの「超広角」、26mmの「広角」、52mm(12 Pro)/65mm(12 Pro Max)の「望遠」と、3基搭載。超広角カメラはF2.4の絞り値で、120度の視野角。広角はF1.6、望遠はiPhone 12 ProがF2.0、iPhone 12 Pro MaxがF2.2。

iPhone 12 Proは2倍の光学ズームイン、2倍の光学ズームアウト、4倍の光学ズームレンジを実現。最大10倍のデジタルズームも備える。

iPhone 12 Pro Maxは2.5倍の光学ズームイン、2倍の光学ズームアウト、5倍の光学ズームレンジで、最大12倍のデジタルズームが使用可能。

広角と望遠では光学式手ぶれ補正が利用可能。さらに、iPhone 12 Pro Maxの広角カメラでは、センサーシフト方式の光学式手ぶれ補正も採用。センサーサイズも従来から大型になっており、「暗い場所で撮るビデオの画質が87%向上した」とする。

LiDARスキャナを搭載し、高速でリアルなAR体験が可能になったほか、暗いシーンでのオートフォーカスを6倍向上。ナイトモードでのポートレート撮影も可能になり、ポートレートモードではボケ効果と深度コントロールも進化。

6つのエフェクトを備えたポートレートライティング(自然光、スタジオ照明、輪郭強調照明、ステージ照明、ステージ照明:モノ、ハイキー照明:モノ)も用意。ナイトモード撮影はフロントカメラにも対応した。

静止画撮影での新機能として、RAW撮影を進化させた新フォーマット「Apple ProRAW」を開発。Appleの画像パイプラインデータと一緒に、標準的なRAW情報を内包するほか、色や細部の描写、ダイナミックレンジをより細かく設定できるという。また、他社がこのApple ProRAWを利用できるように、APIも作っているとのこと。

動画撮影は4K/60pまで対応するが、新たにDolby Vision方式で、最大4K/60fpsのHDRビデオ撮影にも対応。10bit対応で、多くの色がとらえられ、「映画業界のカメラもしのぐ性能を発揮する」という。

Dolby Visionのグレーディングは、映画の制作などにおいて、ポストプロダクションで処理される。これをスマホで実現するための仕組みを新たに開発した。iPhone 12 Pro/Pro Maxが、2つの露出をApple製のカスタム画像信号プロセッサに通してヒストグラムを作る。このヒストグラムは、各フレーム内の色調の値を示すグラフで、これをもとにDolby Visionのメタデータを生成。A14 Bionicの性能で、この処理をリアルタイムで行なっている。

今までのDolby Visionグレーディングのイメージ

撮影したDolby Vision映像は、iPhone上の写真アプリ、iMovie、Clipsを使ってその場で編集可能。Mac上で編集したい場合は、年内に登場する新しいFinal Cut Proで対応するという。

Dolby Visionでの撮影から、アプリでの調整・編集までがスマホだけで可能に

1080pスローモーションビデオ(120fps/240fps)や、手ぶれ補正機能を使ったタイムラプスビデオ、ナイトモードのタイムラプスなども撮影可能。

フロントのTrueDepthカメラでも、ナイトモードが撮影可能に。Deep Fusion、スマートHDR 3、最大30fpsとなるがDolby Visionビデオの撮影にも対応する。

磁力で周辺機器と固定できるMagSafeも搭載。ケースやカード入れ、充電台などと素早く、強固に固定できる。ワイヤレス充電のQiデバイスにも対応し、超高速充電もサポートしている。

磁力で周辺機器と固定できるMagSafeも搭載

GPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou、デジタルコンパスを搭載。Face ID、LiDARスキャナ、気圧計、3軸ジャイロ、加速度センサー、近接センサー、環境光センサーも搭載する。

バッテリー持続時間は、ビデオ再生でiPhone 12 Proが17時間、Pro Maxが20時間、ストリーミングでのVideo再生は11時間と12時間。音楽再生は65時間と80時間。

外形寸法はiPhone 12 Proが、146.7×71.5×7.4mmで187g。iPhone 12 Pro Maxが160.8×78.1×7.4mmで226g。iOS 14を搭載する。