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「銀魂 THE FINAL」舞台挨拶、空知英秋「さらば、全てのエヴァンゲリオン!」

(C)空知英秋/劇場版銀魂製作委員会

8日から全国公開された映画「銀魂 THE FINAL」。9日に新宿バルト 9で公開記念舞台挨拶「祝公開&謹賀新年最後の新年会」が開催、緊急事態宣言を受け無観客でのイベントとなったが、全国193劇場へのライブビューイングも行なわれた。そのレポートが到着した。

舞台挨拶には、杉田智和、阪口大助、釘宮理恵らおなじみの万事屋メンバーに加えて、千葉進歩や中井和哉、鈴村健一ら真選組メンバー、さらに、石田彰や立木文彦といったまさに「銀魂」オールスターともいえる声優陣が集結。最後まで「銀魂」らしい笑いと感動に溢れたトークが展開された。

「継ぎ足していった秘伝のタレのように」

(C)空知英秋/劇場版銀魂製作委員会

豪華な金屏風があしらわれたステージに登場したのは、袴や晴れ着、タキシードなど華やかな衣装を身にまとったキャスト陣。中でも主人公の坂田銀時を演じる杉田は、まばゆい輝きを放つ「銀の」羽織袴を披露。今年の干支・丑年にちなんで牛柄になったエリザベス、宮脇千鶴監督も登壇し、全員揃って「明けましておめでとうございます!」と新年の挨拶を行ない、新年会らしいムードでイベントがスタート。

ついに公開された“最後の映画”である本作について、杉田は「15年やってきた集大成が込められている」として、TVシリーズから脈々と受け継がれてきた音楽、CGなど様々なスタッフのクリエイティブにも言及。「継ぎ足していった秘伝のタレのように、僕らの芝居もそうなっていると嬉しい」と噛みしめるように語った。

志村新八役の阪口大助は、本作のエンディングにグッときたことを挙げ、「過去のTVシリーズのエンディングが取り入れられていたり、15年続けきたものがこういう形になるんだな」と感慨深げにコメント。神楽役の釘宮理恵は、「楽曲とアクションがマッチして展開が高まっていくところが胸にグッときて、ずっと応援してくださっていたみなさんも絶対高まってくれるなと思った」と興奮気味に語った。

定春役の高橋美佳子は、TV シリーズの最後に定春がどうなるのかが気になっていたとして、「今回映画に出てきているというだけで感無量でした!」と笑顔を見せた。

印象的なシーンについて問われた真選組局長・近藤勲役の千葉進歩は、「高杉のあまり見たことのないシーンがあって、いち視聴者として観た時にすごく良いシーンがあった」として、今回のキーパーソンの一人・高杉晋助について言及。

真選組副長長・土方十四郎役の中井和哉は、「新八がゲロを踏むシーンのリアルな効果音にグッとくるものがありました」と笑わせ、真選組一番隊隊長・沖田総悟役の鈴村健一は、沖田が愛用しているバズーカに言及。「沖田はいつも大体悪い時にバズーカを使ってきたけど、今回初めて“正しいバズーカの使い方”をしています!」と力強くコメントした。

桂小太郎役の石田彰は、「僕の15年間を積み重ねてきた『銀魂』の集大成を観たような気がします」と本作でのアフレコ現場を振り返り、「銀時、高杉、桂の三人が反目し合いながらも底のほうで繋がっている、絆のようなものが描かれていて、すごくいい話」としみじみ……したかと思えば、「そこは『銀魂』なので、いい話だけで終わらないのは皆さんのご期待の通りです! 心の中で「桂、しつこいよ!」とツッコミながら観ていただきたい」と語り、キャスト陣を笑わせた。

また、本作の後半に大活躍(!?)する“マダオ”こと長谷川泰三を演じた立木文彦は、最後まで長谷川がブレずに生き続けている姿が嬉しかったことを明かし、「長谷川は『銀魂』の世界ではボコボコにされているので、それが嬉しいです。これからまた何かあるとしたら、ずっとボコボコでお願いします!」とコメントした。

最後の「銀魂」で監督を務めた宮脇は、制作現場よりも「むしろ今最大の試練を迎えています!」と緊張を隠せない様子で、思わずキャスト陣からも口々に「がんばってー!」と声援が。「大変なことはたくさんありましたが、その度に周りの皆さんが助けてくださり、キャストの皆さんも励ましてくださって、ここまでたどり着けて本当によかったと思っています」とあらためて感謝を述べた。

続いては、15年を振り返ったキャスト陣による、「今だから言える『ごめんなさい』『ありがとう』」エピソード披露へ。杉田は、TVシリーズでの「千の風になって」をうろ覚えで歌うシーンを取り上げ、「真面目に歌わなくてごめんなさい。でもあれは台本に『うろ覚えで歌えなくなる』って書いてあったんです! スタッフの皆さんありがとう、ふざけんな!」と収録秘話を暴露。

阪口は、万事屋メンバーを共に演じてきた杉田と釘宮の二人について、「二人と現場に来ると楽しくて、ポジティブになれたので助かったし、支えられた時期があった」と感謝の気持ちを伝えた。釘宮は自分自身に対し、「最初は下ネタなんて絶対言いたくなかったのに、どんな汚い言葉も台本にあればさらりとつぶやけるようになった」として、「ピュアな時代の釘宮さん、ごめんなさい!」と絶叫。

高橋は、かつて30歳以上が受けられるアイドルオーディションを受け、選考が進んでしまい事務所をザワつかせたことを明かし、「『銀魂』ではお通ちゃんの役も演じていて、アイドルへの憧れがあったので……」とまさかの「ごめんなさい」エピソードを披露した。

石田は「『鬼滅の刃』が当たっていいなと思っていて、ごめんなさい!『銀魂』がんばれ!」とエールを贈る形に。千葉は、劇中で度々モザイクがかかる自身の演じるキャラ・近藤について「お見苦しいところを見せ続けごめんなさい!と共に、見守ってくださった皆さんにはありがとうと言いたいです!」と謝罪と感謝を同時に伝えた。

中井は、「うちの子には『あまり銀魂を観るんじゃありません』と言っていてごめんなさい!」と言いながらも、今や子供もすっかり成長したことに触れ、あらためて15年という年月の長さを実感していた様子。

鈴村は、自身のラジオで「『鬼滅の刃』と『銀魂』どちらが好きか」という質問を受けた際に、「勢いで『鬼滅の刃』と答えてしまってすみませんでした!」と言いつつ、あらためて「『銀魂』も大好きです!」と笑顔を見せた。

立木は、「嘘偽りなく、『銀魂』声優メンバーが一番好きで、いつ会っても優しくしてくれて、このメンバーが日本一!本当にありがとうございました!」と共演者たちに感謝の気持ちを述べた。

宮脇監督は、「このご時世にも関わらず劇場に足を運んでくださった皆さんに感謝を述べたい」とファンに感謝すると共に、本作の監修・藤田陽一と音響監督・高松信司に対し「私をここまで連れてきてくださってありがとうございます」と深く感謝の意を表した。

続いては、シークレットゲストからのサプライズメッセージが公開に。声の主は、本作に神威役で出演している日野聡。大ヒット上映中の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』では、メインキャラクターの一人・煉󠄁獄杏寿郎を務めたことでも知られている日野が、“縁起の良い”ゲストとして音声でのメッセージを寄せた。さっそく「地球の飯はうまいなあ!」と神威の声で始まったメッセージは、「(舞台挨拶に神威を)呼ばなかった偉い人、殺しちゃうぞ」と名台詞を思わせる物騒なセリフも登場。

最後は日野自身として、「心はいつでも銀魂でいっぱい!最後の銀魂、たっぷりとお楽しみください!」と元気いっぱいに締めくくった。

さらば、全てのエヴァンゲリオン!

舞台挨拶の終盤には、『銀魂』のイベントではすっかり恒例のプログラムとなった、原作者・空知英秋からの手紙を披露。『銀魂』ファンにはおなじみのゴリラの着ぐるみが手紙を持って登場し、釘宮が代読する形で、空知からのメッセージが読み上げられた。

空知英秋の手紙

とうとうこの日が来てしまいましたね。
幾度も終わる終わる詐欺を繰り広げて来たこのアニメも、
間もなく本当の終わりの時を迎えます。心の準備はできたでしょうか。
泣いてサヨナラするのも、笑ってサヨナラするのも自由。
みなさんそれぞれの、らしいと思うやり方で、
彼等、彼女等との最後の逢瀬、楽しんでもらえたらと思います。
え?僕ですか?僕は......多分泣いちゃうでしょうね。
心待ちにしつつも、この日が来なければいい、
そう思ってもいたから。
...けど涙を拭いて、きっとこう言うと思う。
さらば、シンジ、レイ、アスカ。
さらば、全てのエヴァンゲリオン!
シン・エヴァンゲリオン劇場版1月23日ロードショー!!
みんなぜってー観に行こうな!!
......え?違う?「あんの」じゃなくて、「あほの」ひであきの方の奴?
いやでもどっちのひであきも終わる詐欺やってるけど。
すみません、そっちの方の奴は特に言う事ないです。
多分ひであきのあほの仲間たちが、全部映画にぶち込んでくれているので。
なので僕らは、銀魂は、サヨナラも言わなくていいですよね。

きっとまたいつかどこかで。
ありがとうきびうんこ。

あほのひであき

イベントの最後には、宮脇監督と主演の杉田からファンへのメッセージが贈られた。宮脇監督は、あらためて映画を観に来るファンへの感謝を伝えながら、「この映画が、これから長く皆さんに観られるようになってほしい」と昨今の情勢に触れつつ、願いを込めた。

杉田は「アニメはいったんファイナルだけど、作品は残り続けるし、これから未来に向かって進んでいくはず」と、あらためて『銀魂』という作品に希望を込めたメッセージを語った。

映画『銀魂 THE FINAL』90秒予告 2021年1月8日(金)公開