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NHK、'23年度に受信料値下げ。2K BSとラジオを各1波削減

日本放送協会(NHK)は13日、BS/ラジオ放送の整理・削減や訪問によらない営業活動への移行などを盛り込んだ次期3カ年経営計画が経営委員会で議決されたと発表した。計画では、2021年から'23年までの3年間で、550億円規模の支出削減を進める一方、経営資源をコンテンツの取材・製作に集中させ、スリムで強靱な“新しいNHK”へと変わることを目指す。受信料についても、23年度に値下げを行なう方針という。

NHKの前田晃伸会長は今回の経営計画について「これまで取り組んできたNHKの業務・受信料・ガバナンスの『三位一体の改革』を強力に推進するため、NHKがただちに取り組まなくてはならないことを全て盛り込み、NHKを本気で変えるという強い覚悟を示したもの」としている。

構造改革としては、番組経費などの見直しや固定的経費の斬り込みなどを行なうことで、トータルで700億円規模の経費削減を目指す。

具体的には、保有するメディアの整理・削減を実施。衛星放送波のうち、右旋の3波(BS1/BSP/BS4K)の見直しを行ない、'23年度中に2Kのうち1波を削減。番組の一部を他の放送波に移すなど編成上の工夫に努めるという。さらに、将来的には4Kの普及状況を見極め、1波への整理・削減も視野に入れて検討を進める。

BS8Kについては、効率的な番組製作や設備投資の抑制を徹底し、東京オリンピック・パラリンピック後にあり方に関する検討を進めるという。またラジオに関しても、'25年度に現在の3波(R1/R2/FM)から2波(AM/FM)へ整理・削減する方向で検討を進める。

また番組の内容に関しても是正。コンテンツ制作に経営資源を集中させるため、制作の総量を削減し、コンテンツの質を高めることや、コンテンツをジャンル別に管理し、重複する内容の番組見直しやコストの査定を徹底。東京オリンピックの・パラリンピックで実施する放送やサービスの縮小など、経費の見直しなどにも取り組むという。

このほかにも、設備投資のあり方を改めることやスポーツ放映権料などの絞り込み、受信料徴収で使ってきた外部委託法人などへの委託費見直し、訪問要員の削減、業務の簡素化やジムの自動化・省力化、定年延長を前提とした職員採用規模の見直し、経常的経費の削減などを明記している。

受信料については、新型コロナウイルス感染症の影響や放送法改正の動き、訪問によらない新たな営業施策の進捗などを見極めながら、具体的な方法などを検討し、衛星波の削減を行なう'23年度に値下げを行なう方針。また、衛星付加受信料の見直しを含めた総合的な受信料のあり方について、導入に向けた検討を進める。値下げの詳細決定にあわせて、経営計画の修正を行なうという。