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業界初の“4Kダブル録画”対応ビエラ。オートAI画質や4K120pも

65型4K液晶「TH-65JX900」

パナソニックは、ビエラ(VIERA)の新製品として、業界初の“4K放送ダブル録画”や自動画質調整機能などを搭載した、4K液晶テレビ「JX900」「JX850」シリーズを4月23日より順次発売する。65型から43型まで、4サイズをラインナップ。価格はいずれもオープンプライスで、店頭予想価格は49型が18万円前後。

4K液晶ビエラ「JX900」
・65型「TH-65JX900」 約29万円前後 4月23日発売
・55型「TH-55JX900」 約20万円前後 同上
4K液晶ビエラ「JX850」
・49型「TH-49JX850」 約18万円前後 4月23日発売
・43型「TH-43JX850」 未定     今夏発売

2020年に発売した、ハイグレード4K液晶「HX900」「HX850」シリーズの後継機。

JX900、JX850ともに、AI技術を用いた自動画質調整「オートAI画質」や4K120p対応、業界初の4K放送ダブル録画、音声操作のGoogleアシスタント/Alexa対応などの新機能が追加されているのが特徴。

55型4K液晶「TH-55JX900」
49型4K液晶「TH-49JX850」

JX900とJX850は、サイズと筐体・スタンドのデザインが異なるだけで、後述する43型のパネル方式・HDMI2.1機能を除いて、基本的な性能・機能は変わらない。

なお、同時発表の最上位JX950シリーズとJX900・JX850の主な違いは、自動音質調整機能「オートAI音質」、「プレミアム液晶ディスプレイ」、「イネーブルドスピーカー」、およびスタンドのスイーベル機能の搭載有無となる。

シーンに応じて画質を自動で最適化する「オートAI画質」

JX900/JX850シリーズともに、4K/3,840×2,160ドットの倍速パネルを採用。65型、55型、49型はIPS方式、43型はVA方式。LEDバックライト構造は非公表。

'21年モデルでは、映像処理回路を一新し、高画質技術が進化。

新たにディープラーニングを活用したAI技術によるシーン認識アルゴリズムを搭載したことで、シーンに応じて画質を自動で最適化する「オートAI画質」を実現。

たとえば、映画の暗いシーンは細部までコントラスト豊かに描き、晴天のスポーツのシーンは芝生の色まで明るく色鮮やかに表現するため、ユーザーはコンテンツに応じて画質調整をすることなく自動で最適な画質で楽しむことができるという。

オートAI画質によるゴルフシーンの高画質化例

4K放送やUHD BD、ネット動画などにおいて増えているHDRコンテンツの魅力を引き出すため、映像信号処理技術もアップデート。

プロの映像制作用マスターモニターにも採用されている3次元カラーマネジメント回路(3D-LUT)を搭載した「ヘキサクロマドライブ」においては、HDR10/HDR10+コンテンツ入力時、シーンに応じてHDRトーンマッピング処理を動的に変化させる技術を採用し、高輝度域でも色鮮やかで、階調豊かな映像を実現した。

「Wエリア制御」についても、高コントラストのHDR映像信号の情報をより細かく解析して、バックライト制御に活用。より豊かな暗部の階調表現を再現できるようにした。またHDR解析情報のバックライト制御へのフィードバックを、従来より対応するHLGやHDR10、HDR10+に加え、Dolby Visionでも実現した。

バックライトの制御アルゴリズムを最適化。暗部の階調表現性能を高めた

HDR機能としては、新たに「Dolby Vision IQ」と「HDR10+ ADAPTIVE」に対応。Dolby Vision、またはHDR10+コンテンツの映像を表示する場合は、部屋の明るさに合わせてテレビが自動で画質調整するため、視聴環境に左右されずに、コンテンツの映像を最適な状態で鑑賞できるという。対応するHDR規格は従来通り、HLG、HDR10、HDR10+、Dolby Visionの4種類。

このほかの主な映像処理は、前シリーズを継承する。

AIによる機械学習で素材をHDRのような高コントラスト映像に変換する「AI HDRリマスター」や4K/HLG放送の高コントラスト化処理、HDR10規格のUHD BDコンテンツを高コントラスト化する「ダイナミックメタデータクリエーション」、入力された映像信号のオリジナル解像度を判別してディテール処理を最適化させる「素材解像度検出 4Kファインリマスターエンジン」、そして映像内で物体が動く量を検出・背景と分離して破綻のない倍速補間を行なう「オブジェクト検出 倍速表示」などを変わらず搭載している。

ダイナミックメタデータクリエーション
オブジェクト検出 倍速表示

全モデルで4K120p対応。43型のみVRRとAMD FreeSync Premiumも

HDMI2.1対応も大幅に強化された。従来はeARC、ALLMのみだったが、新たに4K120p入力をサポートした「ゲームモード エクストリーム」を設置。PlayStation 5やXbox Series X、AMD製PCカードの4K120p映像を表示できるようになった。

信号の処理時間を短縮することで通常モードよりも映像表示までの遅延を低減しており、すばやい操作を要求されるゲームも快適に楽しめるという。

さらに、今夏発売予定の43型「TH-43JX850」のみ、映像ソースのフレームレートとディスプレイのリフレッシュレートのズレによって発生する“画面割れ”を防ぐ「VRR」と、AMD製グラフィックスカードと接続した際に低遅延・ティアリングの無いスムーズなゲームプレイができる「AMD FreeSync Premium」にも対応する。

VA液晶を採用した「TH-43JX850」。4K120p、ALLM、eARCに加え、43型のみ「VRR」と「AMD FreeSync Premium」にも対応する

業界初の4K放送ダブル録画を実現

BS4K・110度CS4Kチューナーを2基、地上/BS・110度CSチューナーを3基搭載。

別売のHDDを接続する事で裏番組録画が可能。2K放送、または4K+2K放送の2番組同時録画に加え、4Kテレビでは業界初となる“4K放送ダブル録画”を実現している。なお、4K放送のダブル録画中は、録画中のチャンネルしか選局できない。

2画面機能も4K放送に新対応。2K/4K放送+2K放送、2K/4K放送+BD/録画番組視聴が可能になった。ただし、4K放送の2画面表示はできない。

2画面機能が4K放送にも対応

お部屋ジャンプリンクを使った4K放送番組の受信に引き続き対応。全自動4Kディーガなど“4Kお部屋ジャンプリンク対応サーバー”を組み合わせることで、ディーガ内の4K録画番組を4K解像度のまま受信・再生できる。また全自動4Kディーガとの組み合わせで、過去の録画番組と未来の放送予定番組を番組表からチェックできる「過去未来番組表」も4K放送に対応する。

新メニュー画面とデザイン一新のBluetoothリモコン

放送やネット動画など、あらゆるコンテンツを快適に楽しめるよう、メニュー画面やリモコンを大幅にリニューアル。

新しいメニュー画面では、操作頻度の高い各種設定がピックアップされており、2画面表示や字幕操作も新メニューから簡単に行なえるようになった。

新リモコンでは、デザインとキーレイアウトを刷新。操作性を高めるために、リモコンのエリアを放送視聴操作、基本操作、録画コンテンツを見るための再生操作、ネット動画視聴操作の4つにゾーニングして配置したという。

新リモコン

リモコン中央にあるマイクボタンを押して発話すると、音声でコンテンツの検索やテレビの基本操作が行なえる。従来のビエラ音声操作に加え、新モデルではGoogle アシスタントとAmazon Alexaに対応。音声操作を行なう際は、いずれかを選択・設定して利用する。またテレビとの通信には赤外線ではなく、Bluetoothを採用。これにより、テレビにリモコンを向けることなく操作できるようになった。

ネット動画視聴のニーズに応え、配信サービスのダイレクトボタンを増設。従来のABEMA、Netflixに加え、Amazon Prime、Hulu、U-NEXT、Rakuten TVのボタンを新設している。

ダイレクトボタンを設けた映像配信サービス以外にも、TVer、YouTube、dTV、デジタル・コンサートホール、DAZN、TSUTAYA TV、スカパー! オンデマンド、Paravi、TELASA、DMM.com、ひかりTV 4Kなどが視聴できる。

アプリ一覧から、ダイレクトボタン以外の動画配信サービスを呼び出せる

立体音響Dolby Atmos対応。地震に強い転倒防止スタンドも

最大出力30W(15W×2ch)の高出力アンプとスピーカーボックスの「ダイナミックサウンドシステム」のほか、立体音響のDolby Atmosにも対応。

UHD BDやVODなどの一部コンテンツに収録されているDolby Atmos音声を、ビエラ本体のスピーカーだけで立体サウンドを擬似的に再現。地デジなどのステレオ音声の場合でも、アップミックス技術を使って立体的なサウンドに変換する。

「ダイナミックサウンドシステム」(写真はJX900)

“地震に強い”吸着機能付き転倒防止スタンドも引き続き搭載。スタンド前面の吸着操作スイッチでスタンド底面の吸盤が接地面に吸着し、強い揺れでも倒れにくい独自構造を採用した。

JX900とJX850のスタンドデザインは異なる。スイーベルにはどちらも対応しない

HDMI入力端子は4系統で、HDMI 1~2が40Gbps(最大4K120p)、HDMI 3~4が18Gbps(最大4K60p)入力に対応。HDMI 2はeARCをサポート。

【お詫びと訂正】記事初出時、48Gbpsと記載しておりましたが誤りでした。お詫びして訂正します。(3月26日16時)

HDMIの他には、ビデオ入力×1、光デジタル音声出力×1、サブウーファー端子兼用ヘッドフォン×1、LAN×1、USB×3を備える。USB1端子のみUSB 3.0に対応。無線LANを内蔵。Bluetoothは送受信をサポートし、テレビの音を2台まで同時送信できる。

側面(JX900)
背面(JX900)

消費電力と年間消費電力は、65JX900が183W、137kWh/年。55JX900が163W、114kWh/年。49JX850が162W、117kWh/年。43JX850が146W、113kWh/年。

スタンドを含めた外形寸法/重量は、65JX900が145.1×34.8×89.0cm(幅×奥行き×高さ)/約32.5kg。55JX900が123.1×34.8×76.6cm(同)/約23kg。49JX850が109.9×24.5×69.4cm/約20.5kg。43JX850が96.6×24.5×61.9cm/約17kg。

側面(JX850)
背面(JX850)