ニュース

NHKプラス、五輪中継は受信契約メッセージが非表示に

受信契約を確認するためのメッセージ

NHKは1日、7月の会長定例記者会見を実施。配信サービス「NHKプラス」を利用拡大を目的に、「東京2020オリンピック」競技中継の同時配信は、受信契約の確認メッセージを表示しない事を明らかにした。

既報の通り、NHKは7月23日より開催する「東京2020オリンピック」を、総合テレビ、Eテレ、BS、ラジオなど6つの放送波で競技の模様を中継。総合テレビとEテレで放送する競技中継は、NHKプラスでも同時配信される。

通常、NHKプラスを利用するには、受信契約の氏名や住所等を入力するなどのID登録が必要。ID登録・ログインすると、受信契約の確認メッセージが消え、見逃し番組配信も視聴できる仕組みになっているが、競技中継の同時配信は、ID登録無し・メッセージ非表示で視聴できるという。

正籬副会長は今回の措置について、「同時配信については、メッセージをはずしてご覧いただけるということで、やはりまだまだNHKと受信契約を結んでくださっている世帯に比べると、NHKプラスの方はID登録してくださっているのが百数十万台ですので、桁が違います。いろいろな調査をして、我々の努力不足もあると思うのですが、NHKプラスの存在自体をまだご存じない方が大勢いらっしゃる。我々の経営計画でも、いつでもどこでも適切な媒体を通じてNHKのコンテンツをご覧いただけるようにするのが目標ですので、このオリンピックをきっかけに、今回メッセージをはずして多くの方に触れていただいて、いつでもどこでも必要な情報が手に入るということを多くの方に体感していただければと思っています」と話した。

スマホがTVに! ついにスタート「NHKプラス」を使ってみた

8Kは「放送だけに頼っていると、せっかく開発した技術がいきない」

会見では「8K」についても言及。前田会長は、「8KはNHKだけがいまやっているが、まだ受信機が普及しているわけでもなく、パブリックビューイングもできそうにないという状況です。ただ非常に高い技術、非常に高い解像度の高い技術で映したこのデータを、これからどう使っていくかというのはひとつの課題でして、やはり世の中に還元するという意味でも、もう少し使い勝手を広くするということを研究する必要があり、いろいろな研究をしております。その中で、経営計画の中でも見直すと言ったのは、単純にただ放送だけすればいいということではないということで、その以外の用途も含め、もう少し使えるようなものにしていきたいという意味であります」と、用途展開の重要性を説明。

“単なる放送だけでない”という発言の意味を記者から尋ねられると、前田会長は「放送だけだと、8Kの受信機がなければ見られません。ただ8Kの技術は、非常にもちろんコストもかかるんだけれども、それぞれの画像認識がものすごく細かいデータが見られる。こうゆう特殊な技術でもありますので、医療用の機器に使うなど、使い勝手、用途についてはかなりあるのですが、それをビジネス化するところまでいってない。放送するところまでやっとこぎ着けたわけです」とコメント。

続けて「ただ放送だけに頼っていますと、このせっかく開発した技術がいきないので、なんとかならないのかということで、いま技研を含めて研究しています。民間の方とも、どういう形でやるとこの技術が生かせるのかという研究をしています。最先端の8Kで記録した映像は受信機がないと見られないわけで、ですから世界中に8Kで放送はできないんですけれども、これだけの技術をどう生かすかというのは非常に重要なことだと思っています」と話した。