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クリプトン、PC/光/BT対応小型スピーカー大幅進化「KS-55Hyper」

KS-55Hyperのレッド・メタリック

クリプトンは、USBや光デジタル入力、Bluetooth受信も可能なコンパクト・ニアフィールドオーディオ「KS-55」の内部を一新、音質や出力を高め、DSDにも対応した進化モデル「KS-55Hyper」を10月下旬に発売する。直販サイトでの販売となっており、価格は99,800円(税別)。カラーはシルバー・メタリック、レッド・メタリックを用意する。

KS-55Hyperのシルバー・メタリック

2ウェイのコンパクトなスピーカーで、内部にDDC(Digital to Digital Convertor)とDSP(Digital Signal Processor)を搭載。USBや光デジタルで入力したデジタル信号を、DDC回路とフルデジタル ・ アンプを直結させ、デジタル信号のままダイレクトに再生。変換ロスがなく、ハイレゾ音源を忠実に再生できるという。ステレオミニのアナログ入力も備えているが、その音声もデジタルに変換して処理する。

さらに、ウーファーとツイーターを個別のデジタルアンプで駆動する、バイアンプ駆動方式を採用。デジタルクロスオーバーネットワークを採用し、ウーファーからの逆起電流がツイーターに流れ込むといった互いの干渉を防ぎ、歪の少ない音質を実現している。

KS-55Hyperでは、これらのデジタルアンプが強化された。KS-55は25W×2で総合50Wの出力だったが、KS-55Hyperは35W×2の70Wになった。これにより、音のチューニングにも余裕が出来、「小型サイズを維持しながら、大型スピーカーのような雰囲気のサウンドが再生できるようになった」という。

KS-55Hyperのレッド・メタリック
KS-55Hyperのシルバー・メタリック

従来はリニアPCM 192kHz/24bitまでの対応で、DSDには非対応だったが、新たにDSD 5.6MHzまでの入力に対応。フロントパネルにインジケーターを追加し、PCMの場合は緑に、DSDの場合はオレンジに光る事で、現在再生中の音声フォーマットを把握できる。

Bluetooth受信も可能。対応コーデックは、48kHz/24bitまで対応するaptX HDに加え、aptX、AAC、SBCに対応。プロファイルはA2DPに対応する。なお、背面にはBluetooth受信用のアンテナを備えているが、従来モデルと同等の受信性能を持ちながら、アンテナが短くなり、正面から見た時にアンテナが見えなくなった。

KS-55Hyperの背面。Bluetoothアンテナが短くなっている
KS-55のアンテナは長い

搭載ユニットに変更はなく、ハイレゾ用に開発された、60kHzまで再生できる30mmリングダイアフラム・ツイーターと、63.5mm径ウーファーを搭載。いずれもデンマークのTymphany製ユニットをつかっている。全体の周波数特性は70Hz~60kHz、クロスオーバー周波数は1,200Hz。

筐体はオーバル・ラウンドフォルムデザインで、オールアルミ製エンクロージャーを採用。回折効果による反射と内部定在波を改善して、滑らかな音質を実現している。フォールデッドダクトによるリアバスレフを搭載し、サイズを超えた低域再生も実現した。

底部も進化。従来は台形のインシュレーションボードを同梱していたが、KS-55Hyperは3点支持の滑り止め搭載インシュレーターを底部に装着したカタチとなっている。インシュレーターは、制振効果のあるネオフェード・カーボンマトリクス三層材を使っており、それに滑り止めのOリングを組み合わせている。これにより、音質だけでなく、本体が滑って移動しないよう安定感も向上させた。

KS-55は台形のインシュレーションボードを同梱していた
KS-55Hyperは3点支持の滑り止め搭載インシュレーターを底部に装着したカタチに

外形寸法は109×203.4×159.5mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は右スピーカーが約2kg、左が約1.9kg。

音を聴いてみる

左から「KS-55」と「KS-55Hyper」

短時間だが、「KS-55」と「KS-55Hyper」をハイレゾファイルで聴き比べた。

外観やサイズに違いは無いが、音は“別物”と言っていいほど進化している。前述の通り出力が大幅に向上しており、駆動力が大きくアップ。同じ音量であっても、トランペットの音像が前に吹き出してくる力強さや、ピアノの左手が奏でる低音の音圧などが、KS-55Hyperの方が圧倒的に優れている。

静かな空間に音が広がる様子や、音場の奥の方にある小さな音も、聴き取りやすくなっているため、音が前に力強く出るだけでなく、音場の奥行き、広がりなどもアップしていると感じる。

基本的な再生能力・音質が大きく向上しているため、新たに対応したDSDファイルを聴いても、DSDらしいなめらかさ、アナログライクな中低域の“うまみ”も聴き取りやすい。

パソコンと組み合わせたニアフィールド再生はもちろんだが、KS-55Hyperは光デジタル入力も備えているので、テレビ用スピーカーとしても使用できる。ソファに座ってテレビを見るといった、少し距離が離れた再生であっても、ハイパワーになったKS-55Hyperでは十分楽しめる音を出してくれるだろう。