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ソニー、ゲーミングヘッドセット参入。強力NC、1000XM5の技術も投入

INZONE H9

ソニーは、ゲーミングギア業界に参入。「INZONE(インゾーン)」という新しいブランドを起ち上げ、ゲーミングモニターとゲーミングヘッドセットを発売する。ここではゲーミングヘッドセットを紹介する。3機種あり、価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は、NC(ノイズキャンセリング)機能を搭載したワイヤレスの「H9」が36,000円前後、NC非搭載ワイヤレス「H7」が29,000円前後、NC非搭載で有線接続の「H3」が12,000円前後。

ソニーは、オーディオ市場でヘッドフォンの人気モデルを多く手掛けているが、ゲーム用では、音楽用ヘッドフォンとは異なるユーザーニーズが存在する。例えば、敵の位置を正確に察知するための音の定位感や明瞭度、低遅延な2.4GHzでの無線接続、ボイスチャットで使いやすいマイク通話機能、PC用ソフトで音質をゲームタイトル毎にカスタマイズする機能など。

これらのニーズを満たしつつ、これまでオーディオヘッドフォンで培った立体音響技術、装着快適性、ノイズキャンセリング機能を投入して開発したのが、今回のゲーミングヘッドセットとなる。

INZONE。左からH9、H7、H3

ワイヤレスのH9/H7

H9
H7

スティック型でUSB接続の送信機が付属し、2.4GHzを使った低遅延な無線接続が可能。送信機はPCだけでなく、PS5でも使用でき、送信機に搭載したスライドスイッチで切り替える。

送信機
側面にPCとPS5の動作モード切り替えボタン

PCと接続した場合は、7.1chまでのサラウンドサウンドを入力でき、それをPC用ソフト「INZONE Hub」に搭載されている「360 Spatial Sound for Gaming」で、ソニーの360立体音響技術を用いて2chに圧縮。ワイヤレスでH9/H7に伝送する。H9/H7自体はユニットを左右2基のみ搭載したヘッドセットだが、立体音響バーチャライザーで処理した2chサウンドを再生するため、擬似的に7.1chの立体的なサウンドを再現して聴くことができるという。

また、オーディオ用のヘッドフォンでは、アプリでユーザーの耳の形状を撮影、個人の聴感特性を解析し、個人差を補正することで立体音響再生の個人最適化を行なっているが、その技術をゲーミングヘッドセットにも適用。アプリで耳画像を撮影し、INZONE Hubと連携させることで、上記のバーチャルサラウンド再生が、より最適なサウンドで聴けるという。

なお、既にソニーのヘッドフォンを利用していて、アプリで耳の写真を撮影し、それをアカウントと紐づけている場合は、INZONE Hubでアカウントを選択することで、再度撮影しなくても、個人最適化が可能。

PS5との接続時は、PC用ソフト「INZONE Hub」と「360 Spatial Sound for Gaming」が利用できないため、通常の2chヘッドセットとして動作する。しかし、PS5側には「Tempest 3Dオーディオ」という立体音響技術が既に用意されており、H9/H7でその効果を十分発揮できることが確認されているという。

ユニットは40mm径のドーム型。こうした立体音響がよりハイクオリティに再生できるように、振動板の形状も工夫。音楽用ヘッドフォンで実績のある形状でもあり、高い高域再生能力とハイコンプライアンス化を実現。低域から高域まで、ゲーム内の音を余すことなく再生できるという。

ハウジング上にダクトを設け、低域を最適にコントロール。左右ハウジング内部の音響構造を左右対称にすることで、聴こえてくる音の定位を高める工夫もしている。

ハウジング上にダクト
充電端子はUSB-C
ボリュームダイヤル

H9のみの特徴として、1000Xシリーズで実績のあるデュアルノイズセンサーテクノロジーを用いた、アクティブノイズキャンセリング機能と、アンビエントサウンドモード(外音取り込み)機能を搭載。PCのファンノイズなど、室内ノイズを遮断することで、没入感がアップするという。

長時間のプレイを快適にサポートするため、ヘッドクッションは柔らかく厚みのあるものを選択。イヤーパッドの素材はモデル毎に異なり、H9はWH-1000XM5にも採用された、ソフトフィットレザーイヤーパッド(合皮)を採用。

H7

H7と後述するH3は、さらさらした肌触りのナイロン素材となっている。長時間でも快適に使えるようにするため、側圧は抑えている。

左上がH9、左下がH7、右がH3のイヤーパッド

前述の2.4GHzワイヤレス接続に加え、Bluetooth接続にも対応。対応コーデックはSBC/AAC。2.4GHzとの同時接続もできるため、例えば、PCのゲームサウンドを2.4GHzで受信しながら、スマートフォンとBluetooth接続し、そちらでボイスチャットをする事もできる。

マイクは可動式のブームマイクを装備。ゲーム音とボイスチャット音のバランス調整も可能。なお、ブームマイクの着脱はできない。

H9のマイク

「Perfect for PlayStation 5」と名付けられた機能群も用意。PS5と接続した時に機能するもので、PS5の画面上にヘッドセットの音量、バッテリー残量、マイクミュートのステータスを表示できる。ゲーム音とボイスチャット音のバランス調整も可能。

デザイン面では、H9のみ、ハウジングにリング状のLEDランプを搭載。ステータスを色で表示するものだが、色の光方をユーザーがカスタマイズすることはできない。

バッテリー駆動時間(NC OFF時)はH9が最大32時間、H7は最大40時間。ケーブルで充電中も、プレイできる。重量はH9が約330g、H7が約325g。

有線のH3

H3

有線接続のH3は、カラーリングやデザイン・テイストはH9/H7と似ているものの、形状は異なる。

PC用ソフト「INZONE Hub」に対応し、前述の360 Spatial Sound for Gamingも利用可能だが、Bluetooth接続や、Perfect for PlayStation 5には非対応。

搭載するユニットは40mm径ドーム型。ブームマイクも装備。ケーブルは約1.2mで、入力端子は金メッキ仕上げの4極ミニ。重量は約299g。

H3は有線接続