違法着うたサイト利用者は、有料配信の価格に不満

-RIAJ調査。ダウンロード違法化で「利用やめる」4割


3月24日発表


 社団法人日本レコード協会(RIAJ)は24日、携帯電話の「着うた」、「着うたフル」の違法配信に関する利用意識調査の結果を発表した。

 実施期間は2008年9月24日~10月23日で、携帯電話向けサイトでのアンケートにより調査。携帯電話3キャリアや、無料掲示板サイトなどにアンケートサイトへのバナーを設置した。サンプル数は8,029。男女比は44.8:55.2。

 なお、この調査では、楽曲全てを無料でダウンロードできる携帯電話向け一般サイト(ファイルのアップロード/ダウンロードができる掲示板を含む)を「違法サイト」と定義。プロモーション目的で一定期間無料ダウンロードできるサイトは含まれない。


■ 利用の理由は「ダウンロードにお金かけたくない」が最多

 違法サイトを「たまに利用する」または「よく利用する」と答えたのは50.9%。有料の配信サイトは67.3%が利用していた。違法音楽アップロード経験があるのは26.3%だった。

 違法サイトを利用する理由で最も多かった回答は「音楽ダウンロードにお金をかけたくない」で65.1%。続いて、「試聴できるから」(45.6%)、「ダウンロードが簡単だから」(38.0%)という順になった。自由回答では「欲しい曲がない。音質が悪い」、「正規で買ったものは複製ができないから」といった意見が並んだ。

 有料の着うた/着うたフルを購入する頻度への影響では、違法サイトの利用により有料サイトの利用が「減った」という回答は32.5%、「増えた」は10.1%、「変わらない」は57.4%。CD購入への影響では、「減った」が21.4%、「増えた」が14.1%、「変わらない」は64.5%。年齢別では10代や20代前半に比べ20代後半以上でCD購入頻度が減ったという回答が多かった。

 違法サイトを利用することの「後ろめたさ」や「罪悪感」については、7.8%が「感じる」、26.6%が「多少感じる」と回答。「あまり感じない」は32.5%、「感じない」は33.0%だった。年齢別では、年齢層が上がるにつれて後ろめたさを感じなくなるという結果となった。

 今後、違法サイトを「利用したい」と答えたのは47.8%、「どちらかといえば利用したい」は21.5%で、合わせて約7割が利用意向を示した。年齢別では特に10代の利用意向が高かった。


■ 違法サイト利用をやめるのは「値下げ」か「違法化」

 「違法サイトの利用をやめるとしたら」という問いでは、最も多かったのは「有料着うたの料金が下がった場合」で51.1%。また、41.1%が「ダウンロードが違法となったら」と回答した。以下は「有料着うたサイトで無料試聴ができた場合」(36.6%)、「アーティストの権利や生活を侵害する実態を知った場合」(26.6%)となった。「無料サイトが無くなるまでやめない」は15.6%。

 違法サイトがなくなった場合の音楽入手経路では、「有料の着うたを利用する」が56.9%、「レンタルCDを利用する」が40.5%、「CDを購入する」が37.7%だった。「パソコンで無料サイトを利用する」は22.0%だった。

 正規の音楽/映像配信サイトであることをRIAJが認めた「エルマーク」の意味を知っていたのは16.7%で、「見たことはあるが意味は知らない」は29.5%、「なんとなく見たことがある」は16.3%だった。



(2009年 3月 24日)

[AV Watch編集部 中林暁]