au、携帯電話の新デザインブランド「iida」を発表

-ソニエリ「G9」、超小型プロジェクタ、草間彌生モデル


ソニー・エリクソン製の「G9」
4月下旬発売

標準価格:オープンプライス


iidaブランドの製品

 auは7日、デザインを重視した携帯電話の新ブランド「iida」(イーダ)を発表。新端末としてソニー・エリクソン製の「G9」(ジーナイン)を4月下旬に発売する。価格はオープンプライス。カラーは「mirror + pink」と「black + green」、「titanium + silver」の3色。

 また、同製品を接続できるポータブルプロジェクタも発表。「Mobile pico projector」という名称で、価格は39,600円だが、上記のG9とセットで購入すると値引きキャンペーンで2万円引きの19,600円となる。ただし、キャンペーンは3,000台の限定となる。

 「iida」は、「innovation」、「imagination」、「design」、「art」の頭文字をとった名称のデザインブランド。携帯電話に対する要望が、スペックの高さだけでなく、デザインへのこだわりやライフスタイルに寄り添った製品への期待が高まっていることを受けて計画されたという。

 これまで「先進的なデザイン」として展開していた「au design project」を受け継ぎながら、それに「使いやすさ」や「質感」、「愛着」、「遊びゴコロ」などの要素を付け加え、auとは別のブランドとして展開する。

iidaのロゴマーク

iidaのコンセプト

発表会は東京ミッドタウンで行なわれた


■ ソニー・エリクソン製「G9」

G9。ボタンに傾斜が付けられたデザインを採用
 「G9」は、ワンセグにも対応したスライド型端末。ステンレスフレームにチタン合金をコーティングした筐体と、アルミキーボードを採用。デザインは、ソニーのデザインセンターや、ミラノのデザインスタジオを経て、日本で日用品から情報機器まで幅広く手掛けるプロダクトデザイナーの岩崎一郎氏が担当した。岩崎氏はこれまでau design projectの「GRAPPA」も手掛けている。

 ディスプレイは3型/480×854ドット。ワンセグの視聴/録画のほか、高音質楽曲配信サービス「着うたフルプラス」の再生にも対応。そのほか、Bluetoothオーディオ機能や、LISMO Music&VIDEO、au Smart Sports、おサイフケータイ、CDMA/GSMのグローバルパスポートなどに対応する。有効319万画素のCMOSカメラを搭載する。

 バッテリの連続通話時間は約210分で、待受は約230時間。外形寸法は約115×50×17.4~18.1mm(縦×横×厚さ)で、重量は約128g。卓上ホルダなどが付属する。

側面

背面のカメラ/スピーカー部

デザインを担当した岩崎一郎氏

カラーは3色

テレビのメニュー画面

ロッドアンテナを装備する


■ Mobile pico projector

Mobile pico projector

 DLP Picoチップセットを採用した東芝製のプロジェクタ。対応端末と接続することで、ワンセグの映像や、撮影した動画/静止画、PCドキュメントビューアーなどをスクリーンや壁面に映し出すことができる。デザインは、G9と同様に岩崎一郎氏が担当した。

 接続可能な携帯電話はG9のほか、Cyber-shotケータイ S001、CA001、Woooケータイ H001、EXILIMケータイ W63CA、WoooケータイW63H、G'zOne W62CA、WoooケータイW62Hにも対応する。

 デバイスの解像度は320×480ドット。光源はRGB LED。輝度は5ルーメン、コントラストは1,000:1以上。投写サイズは6~63型(投写距離0.25~2.5m)。レンズは単焦点(F1.9)で、フォーカスはマニュアル。コンポジットのAV入力(4極ミニ)や、PC用のミニVGA端子を装備する。本体に出力0.5Wのモノラルスピーカーを内蔵するほか、ステレオミニの音声出力も備える。

 バッテリを内蔵し、連続使用時間は約2時間10分。外形寸法は50×112×18.3~19mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約128g。

Mobile pico projectorのレンズ部

側面

 




■ 草間彌生モデル3製品など。ACアダプタにも新デザイン
 
草間彌生モデルの展示コーナー。なお、携帯電話のベースはいずれも「フルチェンケータイ T001」と見られる
 前衛芸術家として知られる草間彌生氏が、自身の主要なモチーフである水玉を携帯電話の筐体や周辺アクセサリなどに使った「Art Editions YAYOI KUSAMA」3製品を発表。発売時期は未定で、iidaのサイトで改めて案内されるという。
 
 大きな箱が目を引く「ドッツ・オブセッション、水玉で幸福いっぱい」は、赤地に白の水玉の箱に、同じく水玉模様の携帯電話を収納できるもの。箱にはのぞき穴があり、内部が鏡張りとなっていることで、水玉模様が延々と続いているように見える。箱の部分にエディションナンバーと草間氏の直筆サインが入っている。
 
 「私の犬のリンリン」は、ピンク色の地に白の水玉が描かれた犬のオブジェ作品で、背中のフタをはずすことで携帯電話を収納することができる。こちらもエディションナンバーと直筆サイン入り。「宇宙へ行くときのハンドバッグ」は、携帯電話の側面にハンドバッグのような持ち手がついているもの。エディションナンバーのみ入っている。
 
「ドッツ・オブセッション、水玉で幸福いっぱい」

箱の側面にのぞき穴が

携帯電話も水玉模様で統一
「私の犬のリンリン」。背中の部分が収納になっている

携帯電話を収めた状態

「宇宙へ行くときのハンドバッグ」

緑色のツタのようになった遊び心のあるACアダプタ「MIDORI」など
 迎義孝氏がデザインした「misora」(ミソラ)も展示。生活の中の何気ない風景をモチーフにしたというもので、“雲の重なりが生む自然のグラデーション”、“夕日に染まる空の絶妙なニュアンス”、“月明かりに照らされた夜の海”の3種類のカラーリングを用意する。筐体や画面などデザイン以外の仕様は既発売の「ベルトのついたケータイ NS01」と同等。
 
 そのほか、ACアダプタにも新カラーモデルをラインナップ。ケーブルに葉をあしらって、ツタのようにした「MIDORI」(1,365円)と、カラーのみ変更した「AO」、「SHIRO」、「MOMO」、「CHA」(各1,050円)をau携帯電話取扱店にて4月下旬より発売する。
 
 
 

misora

デザイン以外の仕様は既発売の「ベルトのついたケータイ NS01」と同等

misoraのコンセプト

 

■ 「デザイン力」を大きな柱に

小野寺正社長兼会長

 小野寺正代表取締役社長兼会長は、2001年からのau design projectの歴史を振り返り、INFOBARなどがニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久収蔵品となったことを挙げて、「これまで培ったデザイン力は、携帯電話が多様化する中での大きな柱になる」と新ブランドに期待を寄せ、「これからもドキドキさせる製品を次々と発表していく」と宣言した。

 また、取締役執行役員常務 コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏は、「若手社員を募り、2008年2月ごろに始めたのがきっかけ」と経緯を説明。iidaとこれまでのauブランドの関係としては「お互いにいい刺激を与えながら成長させたい」とした。

高橋誠氏

 今後の製品ラインナップについては「デザイナーの想像力によるところが大きい」と明言しなかったが、「他社のデザインケータイは、携帯電話に特化したデザイナーとのコラボレーション。iidaでは、デザイナーがプロダクトだけにとどまらず、ライフスタイルを演出するような広がりを想像している」と述べた。

 

 

 

デザインコンセプトモデル(発売日未定)も多数展示された拍子木のように2つで1つというモデルポータブルオーディオプレーヤーのような形状

本体が楽器そのものとなって、演奏できるというイメージのモデルも

太陽光発電への対応を想定“ケータイにデザインを重ねていくもの”というコンセプトの「PLY」
複数人で聞ける分岐型のイヤフォンケーブルや、本体デコレーション用パーツなども展示されていた複数人で聞ける分岐型のイヤフォンケーブルや、本体デコレーション用パーツなども展示されていた


(2009年 4月 7日)

[AV Watch編集部 中林暁]