ネット上でVOCALOIDの歌声を自動調整する「Netぼかりす」

-ヤマハと産総研が共同開発。NetVOCALOIDとの連携も検討


4月27日発表

 ヤマハ株式会社と独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)は27日、歌声合成ソフトVOCALOID(ヴォーカロイド)に対応する歌声自動推定技術「VocaListener(ボーカリスナー)」を共同で開発していくと発表。その第一弾として、VocaListenerをネット上のサーバーで動作させるサービス「Netぼかりす」を展開し、機能の拡充を順次進めていく。

VocaListenerの仕組み。出典:産総研 情報技術研究部門

 VocaListenerとは、産総研が研究開発を進めているソフトウェア技術で、VOCALOIDなどの歌声合成ソフトを用いて、録音された歌唱音声の事例からその歌い方をまねて歌声を合成するもの。細かいニュアンスを表現するパラメータ調整の自動化が可能で、編集段階での詳しい知識や調整時間を省略でき、手軽に高品位な歌声合成が行なえるとしている。

 共同開発で提供されるNetぼかりすは、VocaListenerをネット上のサーバーで動作させるサービスで、今回、基本技術の一部を備えたα版を用意。アップロードした歌唱事例の音声ファイルと、それに対応する歌詞テキストファイルをサーバー上で解析して、指定されたバーチャルシンガーで最適な合成結果が得られるようなVOCALOID用の音声合成パラメータファイル(VSQファイル)をダウンロードすることができる。

 現在クリエーターによるα版のモニターを実施。4月28日よりその結果のコンテンツをヤマハの技術サイト「Y2プロジェクト」にて公表し、今後の開発に反映させるとしている。

 また今後は、VOCALOIDをネット上のサーバーで動作させるサービス「NetVOCALOID」(ネットヴォーカロイド)とNetぼかりすを連携させることも検討しているという。


(2009年 4月 27日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]