三洋、ワンセグを高画質化する小型液晶向けLSIを開発

-階調/ガンマ補正など。バックライト制御で省電力化も


7月サンプル出荷開始

サンプル価格:600円


 三洋半導体株式会社は19日、カーナビやポータブルテレビなどのワンセグ対応小型機器向けの画質改善LSI「LC749402BG」を開発したと発表した。愛称はSDPIC(Sanyo Digital Picture Improvement Core)。7月よりサンプル出荷を開始し、サンプル価格は600円。

 同社の映像信号処理技術を、ワンセグに対応する小型液晶向けに最適化した1チップLSI。ワンセグ映像を階調補正などで高画質化するほか、低消費電力化により機器のバッテリ駆動時間の向上にも貢献するという。

階調補正の例

 画質面では、ダイナミックガンマ補正や輪郭補正、色補正、ノイズリダクションを行なうほか、ワンセグ特有の階調欠落を補正。従来の階調補正で起きていた、画像の輪郭までぼやけてしまう課題を独自のフィルタリング技術で解消しており、輪郭をシャープに保ったまま、滑らかで自然な画像を実現したという。

 バックライト光量は、0~100%の間で最適な光量を算出し、自動制御する機能を搭載。合わせて映像信号に対する入出力特性の制御も行ない、映像の視認性を保ったまま低消費電力化。同社の実測値では平均35%の消費電力削減を確認したという。

 上記の画質改善は全てハードウェア上で実現しており、メインコントローラと液晶パネルの間に実装するだけで高画質化に寄与。従来は外付けで必要としていたタイミングコントローラも内蔵した。パッケージはFBGA96(6×6mm)。今後は、更なる周辺部品の取り込みや、倍速フレーム補間機能などの搭載を計画しているという。



(2009年 6月 19日)

[AV Watch編集部 中林暁]