LINN、2009年内でCDプレーヤーの生産を完了

-今後はネットワークプレーヤーDSに注力


11月23日発表

 

 英LINN PRODUCTSは23日、CDプレーヤーの生産を完了し、ネットワークプレーヤーなどのデジタルストリーミング(DS)システムに専念すると発表した。

 これにより、最上位のSACD/CDプレーヤー「AKURATE CD」、低価格な「MAJIK CD」、プリメインアンプも備えた「CLASSIK MUSIC」、DVDと5.1chアンプ搭載の「CLASSIK MOVIE」、ユニバーサルプレーヤー「UNIDISK 1.1」、プリアンプも備えたユニバーサルプレーヤー「UNIDISK SC」の生産が12月31日で完了となる。

 なお、米国市場においては「UNIDISK 1.1」、「UNIDISK SC」はハイエンドDVDプレーヤーとして生産を強く要望されたため、受注生産を継続するが、日本では上記全商品の取扱を完了するという。

2009東京インターナショナルオーディオショウで展示されたDSシリーズ最新モデル「SEKRIT DS-I」。ネットワークプレーヤー機能に加え、デジタルアンプを使ったプリメイン機能も搭載。直接スピーカーをドライブできる
 今回の決定についてLINNは、「この記念碑的決断を最初にするメーカーとなりますが、LINNのCDプレーヤーマーケットからの卒業は、デジタルストリーミング技術の至高性、ネットワーク化された家庭の出現、更なる高音質に対するお客様の要望の高まりという現実を証明するものです。2009年、CD プレーヤーの売り上げをDS製品が飛躍的に上回ったことにより、LINNはこの分野でのマーケットリーダーのポジションを確固たるものにしました」と説明。

 具体的には、ワールドワイドで2009年度のCDプレーヤーの売り上げは前年度比40%低下したのに対し、DSプレーヤーの売り上げは同40%向上。DSプレーヤーの売り上げは、LINN全体の30%を占めるという。リンジャパンではこの傾向がより高く、CDプレーヤーは前年度の70%ダウン(予想)で、2007年度と比べると10分の1になっている。対して、発売から丸2年が経過したDSプレーヤー2年目の売り上げは、1年目の75%アップしたという。

 英LINNのギラード・ティーフェンブルン代表取締役は、「この2年間、LINN DSの急速な開発を行ないながらお客さまからのフィードバックに耳を傾けた結果、CDプレーヤーの生産を完了するという我々の決断に、絶対的な自信を持っています。“ブレイクスルー・レベル”のパフォーマンスと数々の利点を達成したLINN DSは、CDプレーヤーがもはやスペシャリストとしての分野に属していないことを明確にした」と、DSシリーズのクオリティを強調している。

SONDEK CD12
 なお、LINNではネットを使った高音質な音楽配信と同時に、CDやSACDなどのパッケージメディア製造・販売も実施しているが、こちらは継続するという。

 創設37年を迎えるLINNは、CDプレーヤーだけでなく、スピーカーやアンプ、アナログターンテーブルなど、オーディオ機器をトータルで手掛けている。CDプレーヤーでは'98年に、25周年記念モデルとして発表され、アナログプレーヤーの名機「LP12」と同じSONDEKの名を冠した「SONDEK CD12」が広く知られている。



(2009年 11月 24日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]