NTTエレクトロニクス、3Dオーディオ技術「HIFIREVERB」

-直接音と残響音の混合比を調整


HIFIREVERB用エンコーダ

 NTTエレクトロニクスは、3Dオーディオ技術「HIFIREVERB(ハイファイリバーブ)」を開発した。11月21~23日に開催される「オーディオ&ホームシアター展 TOKYO 2010」に出展する。

 NTTコミュニケーション科学基礎研究所が開発した残響制御技術「Revtrina」(レブトリーナ)と、ダイマジックが開発した2チャンネルサラウンド再生用の仮想音源生成技術を組み合わせて、ステレオ音源の自然なマルチチャンネル化が可能なほか、5.1chソースをサラウンド感を維持しながらステレオ化できる。

 入力した音響信号を分析し、楽器からの直接音と演奏会場で生じる残響音を推定。その上で直接音と残響音をサラウンドシステムや、ステレオシステム、車載オーディオ、ヘッドフォンなどの再生システムにあわせて、最適に配置し、さまざまな機器でサラウンド再生を可能にする。

 HIFIREVERBの前段の処理が、Revtrinaによりステレオソースを5.1chサラウンド化。直接音と間接音の推定と、その混合比を調整。さらに、推測したマイク位置の補正やリスニングルームの音響特性などを補正し、自然な5.1chサウンドを生成するととしている。

 5.1ch再生の場合はそのまま出力。ステレオ再生の場合は、ダイマジックの仮想音源技術を通すことで、ステレオ機器でも自然なサラウンド感を得られるという。


HIFIREVERBの概要残響制御技術「Revtrina」と仮想音源生成技術の役割残響推定、制御処理法の概要
直接音と残響音の混合比調整が特徴HIFIREVERBによる再生システムの最適化車載システムでのHIFIREVERB活用例
発表会場はTHX認証を取得している「アキバシアター」

 HIFIREVERBは、アナログ・デバイセズのDSP「SHARC」と「Blacckfin」に対応し、アナログ・デバイセズと、販売代理店経由で評価用コードを民生用音響機器メーカーに近日中に供給する。

 また、2011年春には、残響制御技術Revtrinaのみを用いたスタジオ向けエンコーダユニットと、HIFIREVERB搭載の放送局/レコード会社向けエンコーダユニットを発売する。さらに、NTTラーニングシステムは、PC向けにRevtrinaの技術を応用した残響除去プラグインや残響サラウンドプラグインを開発している。

 発表会は、THX認証を取得している富士ソフト アキバプラザの「アキバシアター」で開催。美空ひばりの「悲しい酒」を使って、直接音と残響音をそれぞれ再生。さらに、直接音と残響音を組み合わせた5.1ch再生も行ない、その効果をアピールした。



(2010年 11月 2日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]