アップル、iTunes共有/AirPlay強化したiOS 4.3を公開

-Safariも高速化。720pのHDMI出力にも対応


AirPlayを強化

 アップルは9日、iPhoneやiPad、iPod touch向けの新ソフトウェア「iOS 4.3」を発表した。3日の発表時には、米国時間で3月11日に提供開始予定としていたが、前倒しでの提供となる。

 アップデートは無償で、対象となる製品は、iPad、iPad 2、iPhone 3GS、iPhone 4、第3世代と第4世代のiPod touch。

 iOS 4.3では、対応するAV機器などにワイヤレスで音楽や映像を配信するAirPlay機能が強化される。新AirPlayでは、新たに「写真」アプリに保存してある動画もストリーミング配信できるようになり、Apple TVを経由してテレビなどに表示できる。また、他社製のAirPlay対応のアプリの操作画面やWebサイトのビデオも、Apple TVで再生可能となる。

 iTunesホームシェアリングにも対応。MacintoshやWindows PCのiTunesに保存されている楽曲や映画、ポッドキャスト、オーディオブックなどのライブラリを、無線LAN内にあるiPhone、iPad、iPod touchで共有再生でき、同期やダウンロードをせずに、これらの端末でPCのライブラリが再生できる。

 WebブラウザのSafariも新しいNitro JavaScriptエンジンを採用し、高速化。iOS 4.2との比較で最大2倍の速度で動作するとしている。また、iPadでは本体横のスイッチに割り当てる機能をカスタマイズできるようになり、スクリーンの回転ロックにするか、消音にするかを、「設定」から切り替えられる。

iTunesホームシェアリングSafariも新JavaScriptエンジンで高速化Apple Digital AVアダプタで720p出力に対応
アップデート内容

 日本では利用できないものの、OSの機能としては「パーソナルホットスポット」を搭載。iPhone 4のみで対応し、iPhone 4を小型無線LANルーターのように使うもの。PCやiPadから無線LANでiPhone 4に接続し、iPhone 4の3G通信機能を利用してネット接続ができる。無線LANだけでなく、iPhone 4とはBluetoothやUSB接続も利用でき(テザリング)、一度に最大5つのデバイスと3G通信機能を共有可能。無線LAN接続は3つのデバイスまで。

 また、iPadと同時に発表されたHDMI出力ケーブル「Apple Digital AVアダプタ」による720p HDビデオ出力に対応。ビデオAppやiPod App、写真、YouTube、Safari、Keynoteおよび対応の他社製AppのビデオをDigital AVアダプタを使ってHDMI出力できる。

 音楽SNS機能のPingについても、コメントとフォロワー申請がプッシュ通知されるようになるほか、曲に対するコメントや「いいね!」を曲の再生中画面から投稿可能になる。また、ペアレンタルコントロールも追加される。

 そのほか、SMS/MMS設定で、通知音を再生する回数を設定可能になるほか、シングルタップでのグループ通話発信機能の追加や問題修正が行なわれる。



(2011年 3月 10日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]