三菱、同社初の27型IPSパネル採用フルHD液晶

-応答速度3.5ms。「スマホビュー」機能も


RDT272WX

 三菱電機は、液晶ディスプレイ「Diamondcrysta WIDE」の新モデルとして、27型フルHDのIPSパネルを使った「RDT272WX」を6月15日に発売する。ノングレア(非光沢)タイプで、価格はオープンプライス。店頭予想価格は5万円前後。カラーはブラック。

 同社の27型モデルでは従来VAパネルを使ってきたが、初めてIPS液晶を採用。中間階調の応答速度を向上させ立ち上げを速めるオーバードライブ回路の工夫により、IPS液晶で最速という応答速度3.5ms(G to G)を実現。VAパネルの従来モデル「DT271WV」の6.5ms(同)から大幅に改善している。映像コンテンツに合わせて、「オーバードライブチェンジャー」機能の効果を切/モード1/モード2の3段階から選べる。

 27型/1,920×1,080ドットの高透過率IPS液晶パネルを搭載。輝度は250cd/m2、コントラスト比は1,000:1で、CRO動作時は8,000:1.視野角は上下/左右各178度。バックライトは白色LED。

 ゲーム時などに、フレーム遅延時間をOSDで確認できる「フレーム遅延時間表示」機能を搭載。スルーモード時やPinP(子画面表示)時などの設定によってフレーム遅延時間は変化するが、現在の設定でのフレーム遅延時間をリモコンのボタン1つで確認できる。

 ゲーム機器のクイックな入力操作に対応する「スルーモード」も備え、フレーム遅延時間を0.1フレームまで低減可能。スルーモード時は子画面や3次元ノイズリダクションがオフになるほか、オーバースキャンは「フル」(100%)、画面サイズは「アスペクト」で固定される。

 スマートフォンからのHDMI映像入力時にも大画面/高画質で表示できる機能「スマホビュー」を搭載。「画面スタイル」機能により、PCとスマートフォンの2画面表示時も、左右に黒い余白を表示せず子画面の枠いっぱいにスマートフォン画面を表示できる。また、スマートフォンの表示に適した画質を4つのモードから選択する「アドバンストDV MODE:モバイル」を搭載。モードの種類は「テキスト」、「フォト」、「動画(高解像度)」(スマホで撮影した高解像度の動画など)、「動画(低解像度)」(ストリーミング動画など)。

 超解像技術や独自の高画質技術を採用した画像処理専用LSI「ギガクリア・エンジンII」を搭載。ちらつきを抑えた超解像処理や、超解像の各調整範囲を入力映像の解像度に合わせて自動で設定する機能、全体のコントラスト感を向上させながら、白飛びや黒つぶれを調節して細部のコントラストまで表現する機能、自動検出した肌色部分の超解像効果をコントロールする機能、ネット動画などのブロックノイズを低減させる技術などが含まれている。

 さらに、付属ソフトウエア「ギガクリア・ウインドウ」をインストールすることで、マウスで指定した画面の任意のエリアだけに超解像技術を適用する事も可能。対応OSはWindows 7のみ(D-Sub/DVI-D入力)。

 映像設定機能の「アドバンストDV MODE」も搭載。「静止画」4モード、「動画」4モード、「モバイル」4モード、「動画(自動)」から選択できる。「動画(自動)」では、入力された動画から自動で判別して、「テレビ」、「シネマ」、「ゲーム」それぞれに適した画質を自動設定する。各モードはリモコンで切り替え可能で、あらかじめ設定しておけば使用しないモードをスキップできる。

 入力端子はHDMI×2、DVI-D(HDCP対応)×1、D5端子×1、アナログRGB(D-Sub 15ピン)×1、ステレオミニ音声入力×1、RCA音声入力×1を用意。出力3W×2chのスピーカーと、ステレオミニのヘッドフォン出力も備える。

 PinP(子画面表示)機能では、DVI-D入力とHDMI入力を親子画面で表示可能。子画面の表示位置やサイズは変更できる。そのほか、ポータブルゲーム機の信号を全画面表示できる「ポータブル」などのAVアスペクト機能も装備。ゲーム映像などを拡大表示する場合は、「フル」、「アスペクト」、「2×ズーム」と「リアル」の4種類から選べる。

 高透過率IPS液晶の採用で、消費電力は39Wまで低減(従来は55W)している。スリープモード時は0.8W以下、オフモード時は0.5W以下。スタンドは上20度、下5度のチルトが可能。スタンドを含む外形寸法と重量は643×230×444mm(幅×奥行き×高さ)、約6.6kg。リモコンや、カラーマネージメントソフト「EASYCOLOR!3」などを同梱する。



(2012年 5月 31日)

[AV Watch編集部 中林暁]