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NHK/JAXA開発の宇宙用高感度4Kカメラが8月4日打ち上げ。アイソン彗星を撮影

 NHKと宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で開発した宇宙用の超高感度4Kカメラシステムが、8月4日に国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられる。

 開発したのは、解像度を4Kに高めたほか、従来機の8倍を超える超高感度化など、彗星撮影のために特別な改造がなされたカメラ。このカメラは、8月4日午前4時48分(予定)に種子島宇宙センターからH-IIBロケットで打ち上げられる補給機「こうのとり 4号機(HTV4)」に搭載され、国際宇宙ステーションに届けられる。

 超高感度4Kカメラが狙うのは、12月に地球に接近する「アイソン彗星」。'12年9月に発見された新たな彗星で、初めて太陽の間近まで近づくため、大量のチリとガスを吹き出し巨大な“尾”をたなびかせる、世紀の大彗星になると期待されている。彗星が接近する12月には、JAXAの若田光一宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに滞在。若田飛行士がこの4Kカメラを使って彗星を撮影する。宇宙では大気の揺らぎが無く「観測の特等席」としており、地上からは決して見ることができない映像を撮影する計画。

 国際宇宙ステーションに4Kカメラを持ち込み、撮影するのは世界初の試み。NHKとJAXAではこれまでも、世界最先端の撮影機材の打ち上げ、国際宇宙ステーションからの撮影に取り組み、2006年には世界初のハイビジョン生中継、2011年にはハイビジョン超高感度カメラによる流星やオーロラなどの撮影に成功している。撮影した彗星の映像は、12月に「NHKスペシャル」などの番組で紹介する予定。

(臼田勤哉)