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シャープ、15.6型IGZO/3,200×1,800の業務用Windowsタブレット。70型BIG PADも

15.6型/IGZO液晶のWindows 8.1タブレット端末「RW-16G1」

 シャープは、15.6型/3,200×1,800ドットのIGZO液晶を採用したWindows 8.1 Pro搭載タブレット端末「RW-16G1」を、法人向けに3月より発売する。価格はオープンプライスで、想定価格は25万円前後。会議や教育現場などでの利用を想定しており、個人向けの販売は予定していない。

 また、70型/60型のタッチ対応ディスプレイ「BIG PAD」2機種4モデルも3月10日より法人向けに順次発売する。価格はオープンプライスで、システム構築を含めた形で販売。ディスプレイ単体の想定価格は、「ホワイトボード機能」を備えた70型「PN-L703A」が96万円前後、60型「PN-L603A」が77万円前後、ホワイトボード機能非搭載の70型「PN-L703B」が82万円前後、60型「PN-L603B」が63万円前後。70型は3月10日、60型は4月10日に発売する。

RW-16G1の縦置き/横置き時
BIG PADの70型「PN-L703A」

15.6型Windowsタブレット「RW-16G1」

RW-16G1(キーボード/スタンドは別売)

 A4サイズのデータをほぼ原寸で表示できるという15.6型/3,200×1,800ドットのIGZO液晶を備えたWindowsタブレット。なお、1月31日より同社が発売する10.1型/LTE対応の「TA-H10L-B」などは「Mebius Pad」ブランドで販売されるが、今回の新モデル「RW-16G1」は、通信キャリアとの連携を想定していないことから、Mebius Padではないという。

 フルHDの約2.8倍という高解像度化により、写真や文字も鮮明に表示できるという。画素密度は235ppiで、CADなどの利用も想定している。静電容量式のタッチパネル(10点マルチタッチ)で、手書き入力用のデジタイザーペンも付属する。筆圧検知は256段階。手書きアプリの「ペンソフトモバイル」をプリインストールし、PDFやOfficeファイルなどに手書きが可能。Windows標準では最大2画面しか整列できないが、これを4画面まで自動整列できる「タッチディスプレイレイアウト」も採用する。

デジタイザーペンが付属
手書き入力の例

 外形寸法は約244.5×382.8×12.5mm(縦×横×厚さ)、重量は約1,250gで、約9時間のバッテリ駆動を実現。キーボードやマウスなどと接続し、デスクトップPCのように使用することも想定している。無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n/ac。Bluetooth 4.0+HSを搭載し、NFCにも対応。前述のBIG PADや他のタブレットと複数台でデータを共有し、ペーパーレス会議を可能にするミーティング支援ソフトなども用意する。

4K出力対応のDisplayPortやHDMIなどを装備

 4K映像出力が可能なMini DisplayPort(1.2)とHDMI(1.4a)を装備。同社の「PN-K321/322B」など4K対応ディスプレイに3,840×2,160ドットで出力できる。SDカードスロットや、3.5mmのイヤフォンマイク端子、USB 3.0×3も装備する。ステレオスピーカーとデュアルマイクも内蔵。200万画素のフロントカメラも備える。加速度/地磁気/ジャイロ/照度センサーも搭載。

 OSはWindows 8.1 Pro 64bitまたは、ダウングレードでWindows 7 Professional 32bit。CPUはIntel Core i5-4200U(1.6GHz)。メインメモリは4GB。ストレージは128GBのSSD。

60/70型タッチディスプレイ「BIG PAD」

70型「PN-L703A」の使用例(スタンドは別売)

 最大4人の同時書き込みが行なえ、会議や学校の授業などで利用可能なタッチディスプレイ。4製品のうちPN-L703AとPN-L603Aには、電源ONから約5秒でホワイトボードが起動する「ホワイトボード機能」も利用できる。ディスプレイはIGZOではなくUV2A技術搭載の液晶で、解像度は1,920×1,080ドット。輝度は300cd/m2、コントラスト比は3,000:1。

 タッチパネルは赤外線遮断検出方式。無線通信/感圧センサー搭載のタッチペンを同梱し、ペンに備えたページ送り/戻しボタンで画面を操作可能。第1世代モデルに比べ、手書き時の描画スピードを向上。検出回数は従来比約1.4倍となる1秒間に200回で、滑らかな書き味を実現したという。

 無線LANを介したタブレットなどモバイル端末とのデータ連携が可能なほか、BIG PAD同士を結んだ簡易遠隔会議も行なえるミーティング支援ソフト「タッチディスプレイリンク2.0」も内蔵。付属CD-ROMで、同時接続できるモバイル端末台数を増やせる。同時接続できるモバイル端末は約50台。

 入力端子はHDMIとDisplayPort、アナログRGB(D-Sub 15ピン)、コンポーネント/コンポジット(アナログRGB兼用)や、ステレオミニのアナログ音声など。外形寸法は、70型が約1,647×94×1,010ドット(幅×奥行き×高さ)、60型が1,437×94×890mm(同)。重量/消費電力は、L703Aが約61kg/250W、L703Bが約59kg/225W、L603Aが約48kg/200W、L603Bが約46kg/175W。

タブレットなどに書きこんだ文字を、BIG PADの画面にも無線LAN経由で反映
左下の電源ボタンを押してから約5秒でホワイトボードが起動
背面の端子部

遠隔会議など「スマートなミーティング」実現へ

新製品を紹介したシャープ ビジネスソリューション事業推進本部 ディスプレイ事業部の原田宗憲事業部長

 同社は、今回発表したWindowsタブレットとBIG PADを「スマートなミーティングを実現する新商品群」と説明。オフィスのフリーアドレス化や、タブレットなどの業務活用、システム/データのクラウド移行といったワークスタイルの変化に合わせて、「最適な場所で最適な機器を使って業務を行なう」ためのソリューションとして提案した。

 BIG PADの「ホワイトボード機能」で電源ONからすぐにミーティングが行なえる点や、専用ソフトの「タッチディスプレイリンク」による複数端末での連携、Windowsタブレットを普段はデスクトップPCとして使い、必要な時にタブレットとして持ち出して情報共有できる点などで「いつでも、どこでも、だれとでもつながるスマートなミーティングを可能にする」とアピールした。

 また、「文教のIT化が進むにつれて、電子黒板の市場も高いスピードで伸びている」とし、教育現場での利用にも期待を寄せている。「学習達成度を上げるため、アプリなどのトータルソリューションが必要。教育向けソフトにも注力しており、学校での授業や教育のレベルアップに貢献できれば」とした。

国内インタラクティブホワイトボード市場規模の推移(出典:富士キメラ総研)
クラウド活用の遠隔会議など「スマートなミーティング」を提案
社内コミュニケーションの円滑化や業務効率向上、意思決定の迅速化、創造的なアイディアの発掘なども可能にするという

(中林暁)