ニュース

ラトック、ウォークマン/iPhone対応バランスポタアン

話題のCHORD製DACアンプ「Hugo」最終版も登場

会場の中野サンプラザには、朝から開幕を待つ長い行列もつくられた

 5月10、11日に東京・中野サンプラザで開催されている「春のヘッドフォン祭 2014」。RATOC Audio Lab(ラトックシステム)はiPhoneやウォークマンと接続でき、ヘッドフォンのバランス駆動も可能なDAC内蔵ポータブルアンプなどを参考展示した。

 ここではRATOC Audio Lab、タイムロードなどのブースをレポートする。

RATOC Audio Lab

USB入力を備えた「REX-KEB02iP」

 ラトックは、デジタル出力を備えたハイレゾプレーヤー「Astell&Kern AK100」などとの組み合わせを想定し、光/同軸デジタル入力を備えたDAC内蔵ヘッドフォンアンプ「REX-KEB02AK」(オープンプライス/実売5万円前後)を発売している。

 そのデジタル入力をUSBに変更、iPhoneやウォークマン、パソコンとのデジタル接続や、DSD入力にも対応させた「REX-KEB02iP」というモデルを、今回参考出品した。「夏頃には発売したい」としており、価格は「REX-KEB02AKと同程度にしたいが、少し高価になるかもしれない」とのこと。

 入力として、USB×2系統を装備。カメラコネクションキットか、Lightning-USBカメラアダプタを介してiPod/iPhoneを接続、もしくはハイレゾ出力ケーブルを介してウォークマンと接続可能。パソコンとも接続できる。

入力端子部
iPhoneと接続しているところ
ウォークマンと接続しているところ

 384kHz/24bitまでのPCMに加え、5.6/2.8MHzのDSDファイルにも対応(DoP対応)。DACには「REX-KEB02AK」と同様に、ESS製の「ES9018K2M」を採用。DSDのネイティブ再生もできる。デジタルフィルタの切り替えスイッチも備え、好みに合わせてシャープ/スローの設定変更が可能。

 ヘッドフォンアンプ部にも特徴があり、出力端子としてアンバランスのステレオミニ×1に加え、2.5mmモノラルミニミニ×2のバランス出力も装備。別売のモノラルミニミニケーブルと、リケーブル対応のイヤフォン/ヘッドフォンなどを組み合わせ、屋外でもバランス駆動が楽しめる。バランス駆動回路には、TI製「TPA6138A」と、独立したアナログフィルタを実装。バランス入力とDirectPathによるOCL出力で、音質を高めている。

 電源は1,200mAのリチウムイオン充電池を採用。国産の充電池にこだわっている。

タイムロード

CHORDの「Hugo」

 タイムロードブースでは、CHORDのDAC内蔵ポータブルヘッドフォンアンプ「Hugo」(ヒューゴ/実売24万円)の最終版を展示している。

 3月15日から発売されているが、初期のロットはアナログRCA出力端子の周囲に隙間があまり無く、ケーブルによっては挿しにくいという声があったため、後発ロットでは隙間を大きくした。会場には、初期と後発ロットがどちらも展示されており、違いを確認できる。

 なお、初期ロットを購入したユーザーは、希望すれば、新仕様の製品に無償交換するプログラムも実施されている。詳細はタイムロードのサポートページを参照のこと。

初期ロット。側面の中央にあるRCA端子周囲の隙間に注目
こちらが後発ロット。隙間が大きくなっているのがわかる

 384kHz/32bitのPCMや、5.6MHzのDSDなどに対応し、豊富な入出力端子を備えたポータブルアンプ。既存のDACチップを使わず、独自のプログラムを搭載した第6世代のXilinx Spartan-6 FPGAと、ディスクリート構成のパルスアレイDACで信号処理を行なっているのが特徴。

左にあるのが13.5cmの光デジタルケーブル「TL-OP1」

 また、「Hugo」のようなデジタル入力を備えたポータブル製品での利用を想定した、13.5cmの光デジタルケーブル「TL-OP1」も展示。5月20日発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は2,500円前後。

 ミニプラグと角型プラグのケーブルで、透明度と柔軟性に特に優れるアクリル素材の光ファイバー導体を採用。装着時の安定性に優れた業務用高信頼性コネクタも使う事で、接続時のグラつきが低減され光軸を安定。ハイサンプリングデータの安定伝送を可能にするという。

 さらに、Audioflyのイヤフォンも展示。今後発売を予定しておるPerformanceシリーズの新製品として、BAドライバを4基搭載した「AF180」(店頭予想価格53,000円前後)、3基搭載した「AF160」(同43,000円前後)、9mmのダイナミック型と、BA×2基のハイブリッド型「AF140」(同34,000円前後)で、AF140は5月中旬に発売予定。その他のモデルは近日発売予定となっている。

BAドライバを4基搭載した「AF180」
BAドライバを3基搭載した「AF160」
9mmのダイナミック型と、BA×2基のハイブリッド型「AF140」

その他

 PS Audioの「Direct Stream DAC」は、バランスやUSB、同軸/光デジタルなどから入力された信号を、内部でDSDに変換して処理し、アナログ出力するというユニークな単体DAC。6月下旬頃の発売を予定しており、米国での価格は5,995ドル。

PS Audioの「Direct Stream DAC」

 Bakoon Productsの「HDA-5520」は、単三電池12本で動作する巨大なポータブルヘッドフォンアンプ。ステレオミニとRCAの入力を備え、出力として電圧出力ミニジャック、電流出力ミニジャックを各1系統備えているのが特徴。電流出力は電流ゲインを切り替え可能。対応するヘッドフォンのインピーダンスは8~600Ω。アルカリ電池使用の場合、8~10時間の使用が可能。

 その他のラインナップとして、「HPA-21」は電圧入力、SATRO-LINK入力を備え、出力は電圧出力、電流出力に対応。価格はオープンで、実売は350,000円前後。「HPA-01」は、電圧入力、電圧出力、電流出力対応モデル。実売は220,000円前後。どちらも充電式のバッテリを内蔵している。

Bakoon Productsの左から「HDA-5520」、「HPA-21」、「HPA-01」

 バッファローは、ハイレゾオーディオ向けブランド「DELA」の製品を展示。NASとして、独自開発のオーディオ用SSDを搭載し、電源やシャーシなどにこだわり伝送品質を追求した最上位モデル「N1Z」(HA-N1ZS10)と、HDDで430mmとフルサイズのコンポと同等の筐体を持つ「N1A」(HA-N1AH20)を展示。さらに、ハイレゾオーディオLANケーブル「C1AEシリーズ」も紹介している。

左がN1Z、右が「N1A」
ハイレゾオーディオLANケーブル「C1AEシリーズ」
バッファローブースでは、グループ企業のCFD販売が扱っている、吹きガラス製のヘッドフォンスタンドも参考展示

(山崎健太郎)