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円谷プロのSFドラマ「猿の軍団」が放送から40年を経てDVD-BOX化。キャストが特典で再会

 1974年からテレビ放送された、円谷プロのSFドラマ「猿の軍団」が、放送から40年を経て、2014年8月8日にDVD-BOX化される。ディスク5枚に全26話を収録、特典ディスクも付属し、価格は18,000円。タイトルは「SFドラマ 猿の軍団 DVD-BOX」(DSZS-07685)。発売元は円谷プロダクション、販売元は東映・東映ビデオ。

SFドラマ「猿の軍団」
※ジャケットとは異なります
(C)円谷プロ

 「ウルトラマン」などでお馴染みの円谷プロダクションは、ヒーロー作品だけでなく、特撮を活用して冒険活劇や人間ドラマも手がけて来た。そんな円谷プロは、2013年で50周年を迎えており、それを記念し、過去の様々なドラマをDVDでリリースするレーベル「復刻 円谷TVドラマライブラリー」を展開。その1つとしてDVD-BOX化されるのが、1974年に放送された異色のSFアドベンチャー「SFドラマ 猿の軍団」となる。

 1973年に大ヒットした映画「猿の惑星」がテレビ放送され、当時37.1%の高視聴率を記録。その影響を受けて制作されたのが「SFドラマ 猿の軍団」。原作は日本SF界を代表する小松左京、田中光二、豊田有恒が担当。メイン監督に「緊急指令10-4・10-10」、「ウルトラマンタロウ」の深沢清澄、「仮面ライダー」シリーズの奥中惇夫も参加。脚本は「スターウルフ」、「恐竜探険隊ボーンフリー」の阿部桂一らが担当した。

あらすじ

 西暦にして3713年の超未来世界。なんとそこでは支配者となった猿たちが、かつての人間と同じように派閥に分かれて争いあっていた。さらに、遠い過去の世界からやってきた人間たちが絡み、新たな争いの火種が生まれる。猿と人間が理解し合い、共生できる日はやってくるのか……。

 タイムスリップにより、猿が支配する世界に飛び込んだ人間たちの苦難と、味方をしてくれる猿との感動的な交流や、ゴリラとチンパンジーの権力抗争が展開。UFOやロボットなどSFガジェットによる伏線も盛り込まれている。練られたストーリーや、人間・猿のキャラクターの魅力で、今なお根強いファンがいる。

DVD-BOXには豊富な特典を収録

 BOXは片面2層ディスク5枚に、全26話を収録。さらに特典ディスクも1枚付属しており、当時のメインキャストを集めた座談会の様子を「遥かなる時を超えて‐喜びの再会!」と題して収録。徳永れい子(泉和子役)、潮哲也(ゴード役)、斉藤浩子(ユリカ役)が、40年ぶりに再会している。また、DVD-BOXのテレビCMやプロモーション映像も収録する。

 また、封入特典として20ページの解説書も同梱。初回特典として、番組企画資料Bookも付属する。

SFドラマ 猿の軍団 DVD-BOX
(C)円谷プロ

座談会参加のメインキャストからコメント

 ●座談会を終えて

座談会で40年ぶりにメインキャストが再会

 潮:40年も前のことを思い出せるか、全く自信がなかったんだけど……。こうして顔を合わせてみたら、意外と記憶が戻ってきた(笑)。とても楽しかったです。

徳永:こんなふうに、みんなで会えることはもう一生ないかと思っていました。わたしが女優をやっていた期間は10年弱なんです。17歳ぐらいから始めて、25歳で引退。その後は4人の子どもを育てました。引退してから公の場に出るのは初めてなんですが、今日は2人に会えて本当に良かった……。

斉藤:わたしも、すごくうれしいです。当時、お世話になった2人なので。特に、れい子さんは同じ女性ということもあり、本当に頼りにしていました。

 ●ストーリーについて

 潮:お話は面白かったのですが、裏番組が強くて、視聴率が獲れなかったのが残念だった。こればっかりはテレビの宿命のようなもので仕方ないんだけど。

 徳永:でも、日曜の夜なんていう、すごい時間帯をいただいていたということは、かなり期待もあったんでしょう。なんといっても、小松左京先生の原作ですし。

 斉藤:面白くならないはずがないですよね(笑)。

 潮:SFドラマだけど、社会風刺の要素も入っていたり。

 徳永:今は、なかなかこういう企画を実現させることはできないでしょうね。小松先生のテーマとして、「科学技術の発達が人間の存在そのものを変えてしまう」というものが根底にあったと思うんですけど、まさにそういったことが描かれていて。

 潮:撮影は大変だったけど、26本じゃ惜しいぐらいですよ。「第2部」なんていうのがあったら、どうなったのかなぁ?

 徳永:今がそれかもしれませんよ。40年経って、ゴードと再会(笑)。「お互い、歳をとりましたね」なんて(一同笑)。

 潮:40年も前のことを思い出せるか、全く自信がなかったんだけど……。こうして顔を合わせてみたら、意外と記憶が戻ってきた(笑)。とても楽しかったです。

●DVD-BOX化にあたり

 潮:僕は『快傑ライオン丸』から子ども向け番組を立て続けにやってきて、この作品が一区切りだったんです。ちょうどTBSの方が『猿の軍団』を観ていてくださって、翌年に始まった『高原へいらっしゃい』というドラマに呼んでいただけた。その意味でも自分にとって思い出深い作品です。ファンレターでも、とにかく「面白い」という意見が多かった作品なので、初めて観る人にもオススメしたいですね。

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(山崎健太郎)