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TASCAM、デジタル一眼動画用の4chミキサー搭載PCMレコーダ。マイク内蔵など2機種

 ティアックは、TASCAMブランドの新製品として、デジタル一眼レフカメラの動画撮影時に利用する4トラックのリニアPCMレコーダ/ミキサー2モデルを11月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はステレオマイク内蔵の「DR-70D」が33,000円前後、マイク非搭載の「DR-60DMKII」が22,000円前後。DR-70D用のアクセサリーをセットにした「AK-DR70C」も同じく11月下旬に発売し、価格はオープンプライス。店頭予想価格は5,500円前後。

DR-60DMKII(写真下)とカメラ、三脚の装着例

 いずれも4系統のXLR/TRSコンボ入力を備え、最高96kHz/24bitのWAVまたは業務用のBWFフォーマットで記録できる4トラックのリニアPCMレコーダ。デジタル一眼カメラやビデオカメラなどの動画撮影時の音声記録を想定している。記録メディアはSDカードで、DR-70DはSDHC/SDXC、DR-60DMKIIはSDHCに対応する。

 共通の特徴として、マイクのプリアンプにはゲイン幅最大64dBでEIN(等価入力雑音)が-120dBuのHDDA(High Definition Discrete Architecture)回路を搭載。4つのマイク入力にリミッタや、ローカットフィルタも備え、独立したゲイン調整が行なえる。一般のビデオカメラ用マイクなどが使えるステレオミニ入力も搭載し、様々なマイクの組み合わせで4トラック録音ができる。主な違いは、DR-70Dのみステレオマイクも内蔵する点や、本体のサイズなど。

DR-70D
DR-60DMKII

マイク内蔵でカメラの上下どちらにも装着できる「DR-70D」

 内蔵のステレオマイクによる単体での2ch録音に加え、外部マイクを組み合わせて4ch録音も可能。外部マイクのみでの4ch録音も行なえる。入力はXLR/TRSコンボジャックで、端子は独ノイトリック製。4入力2出力のミキサーを備え、4chマルチ録音またはステレオミックス録音が可能。

DR-70D

 DR-70Dとカメラでの同時録音を可能にする出力ボリューム付きのCAMERA OUT/LINE OUT端子や、カメラ本体での収録音をモニターできるCAMERA IN端子も備える。ステレオミニのマイク入力や、20mW×2chのヘッドフォン端子も装備。

 筺体はプラスチック製で、本体のみの重量は530g。カメラと雲台の間に装着する方法だけでなく、別売アクセサリの「AK-DR70C」に含まれるシューマウントアダプタを介してカメラの上にも装着できる。

 HDDAマイクプリアンプにより高音質化を図っているほか、オペアンプにはTIの「NE5532」を採用している。アナログ・デバイセズ製の16/32bit Blackfin組み込みプロセッサによりデジタル信号処理と制御を行なうことで、高性能化と省電力化を実現したという。5段階のローカットフィルタ(40/80/120/180/220Hz)や、リミッタ、ディレイの調整も備える。MSステレオマイクを使用可能にするMSデコード機能も搭載。

 動画ファイルと音声の位置合わせを簡単にするスレートトーンジェネレーターも装備。スレートトーンは自動または手動で挿入でき、挿入位置の選択も可能。そのほか、異なるレベルで2系統同時録音できるデュアルレックや、録音中に任意の位置でファイルを更新できるトラックインクリメント機能、電源OFF時の再生位置を記憶するレジューム機能、1曲で最大99ポイントを設定できるマーク機能(BWF対応ソフトでマーク情報を復活可能)なども備える。

 電源は単3電池4本またはUSBバスパワーに対応。別売バッテリパック「BP-6AA」による長時間動作も行なえる。別売ACアダプタ「PS-P515U」も利用可能。別売フットスイッチ「RC-3F」や有線リモコン「RC-10」でも操作できる。

 128×64ドットのバックライト付き液晶ディスプレイを装備。外形寸法は169×106.5×55.2mm(幅×奥行き×高さ)、電池を含めた場合の重量は625g。

背面
左側面
右側面

カメラに合わせた幅133mmの「DR-60DMKII」

 マイクを搭載せず、XLR/TRSの外部入力で最大4ch録音が可能なモデル。4入力2出力のミキサーを備え、ミキサーのみの利用も可能。DR-60DMKIIとカメラで同時録音できる出力ボリューム付きのCAMERA OUT端子や、カメラ本体での収録音をモニターできるCAMERA IN端子、ステレオミニのマイク入力、50mW×2chのヘッドフォン端子も装備。

DR-60DMKII

 筺体はプラスチック製で、本体幅は一般的なデジタル一眼カメラなどに合わせた133mmに抑えている。本体のみの重量は510g。カメラと雲台の間に装着して利用する。

 HDDAマイクプリアンプを搭載するほか、より小さい音の録音に対応するための「HI+PLUS」ゲイン設定を新たに追加。従来のトリム最大値からさらに+12dBのレベル引き上げを可能とした。3段階のローカットフィルタ(40/80/120Hz)や、リミッタ、ディレイの調整も備える。MSステレオマイクを使用可能にするMSデコード機能も搭載。

 動画ファイルと音声の位置合わせを簡単にするスレートトーンジェネレーターも装備。スレートトーンは自動または手動で挿入でき、挿入位置の選択に加え、長さの調節(0.5/1/2/3 秒、オートトーン機能使用時)も可能。そのほか、異なるレベルで2系統同時録音できるデュアルレックや、音声のレベルを感知して自動で録音開始/終了するオートレック、録音開始操作前の音を録音できるプリレック、セルフタイマーレコーディング、トラックインクリメント機能を搭載。

 再生時の機能として、数秒前に戻るジャンプバック再生や、再生音質を調整できるイコライザなどを搭載。ばらついた音量を均一に揃え、聴き取りやすくするレベルアライン機能や、曲を分割するディバイド機能も備える。レジューム機能や、1曲で最大99ポイントのマーク機能も利用可能。

 電源は単3電池4本またはUSBバスパワーに対応。別売バッテリパック「BP-6AA」による長時間動作も行なえる。別売ACアダプタ「PS-P515U」も利用可能。別売フットスイッチ「RC-3F」や有線リモコン「RC-10」でも操作できる。

 128×64ドットのバックライト付き液晶ディスプレイを装備。外形寸法は133×78×93.2mm(幅×奥行き×高さ)、電池を含めた場合の重量は605g。

左側面
右側面

カメラマウントやウインドスクリーンなどがセットの「AK-DR70C」

AK-DR70C

 「DR-70D」用のアクセサリ。風切音を抑制するファーウィンドスクリーンと、カメラのアクセサリーシューに装着できるシューマウントアダプタ、カメラへの音声出力と音声モニタリングに利用できるステレオミニジャックケーブルがセットになっている。

 外形寸法と重量は、ファーウィンドスクリーンが165×33×45mm(幅×奥行き×高さ)、15.3gで、シューマウントアダプタが25×30mm(直径×高さ)、21.4g。ステレオミニケーブルの長さはいずれも300mm。

(中林暁)