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総務省、NHKの放送同時ネット配信を認可。スポーツ生中継も試験的に提供

 総務省は9日、NHKが2015年度のサービス開始を目指している「放送と同時のインターネット配信」に対し、認可を行なう予定であると発表した。

 '14年6月に交付された改正放送法により、インターネットを活用したサービス拡張が可能になった。これを受けてNHKは、放送番組などをインターネットを通じて配信することで「放送を補完してその効果・効用を高め、国民共有の財産である放送番組等を広く国民に還元する」ことを目指し、'14年11月25日に「放送法第20条第2項第2号および第3号の業務の実施基準(案)」を総務大臣に認可申請していた。

 総務省は、NHKからの認可申請に対し、9日に電波監理審議会へ諮問。同審議会から諮問の通り認可することが適当であるとの答申を受け、総務省はNHKに対して認可を行なう予定。

 放送法第20条第2項第2号および第3号の業務の実施基準(インターネット実施基準)は、NHKがサービス開始に向けて作成したもの。この中には、放送中の同時配信を、ハイブリッドキャスト(Hybridcast)サービスによる時差再生(タイムシフト再生)や、災害など緊急の情報がある場合に実施するといったことが盛り込まれている。

 なお、「第2号業務」は一般ユーザーへの直接配信、「第3号業務」は他のインターネット配信事業者を通じたサービスを指している。第2号/第3号それぞれに無料業務(受信料が財源)と、有料業務(ユーザーが別途課金)を行なう。2号有料業務については、現行のNHKオンデマンドサービスから大きく変えず、一般的な料金水準より著しく低額にならないようにするという。

 放送と同時のネット配信サービスは「試験的な提供」とし、大きく2種類に分けて本数や時間を限定して実施することを検討。総務省はNHKの申請に対する考え方を公表し、'14年12月20日から'15年1月18日まで意見募集を実施しており、民放連や放送局、業界団体などから意見が寄せられている。

 スポーツイベントの生放送番組については、NHK総合/教育の放送と同時に試験的にネット配信で提供するものを「試験的提供A」とし、検証に適した放送番組を年間5件程度以内を対象とし、1日最大4時間程度を超えない範囲で、放送と同時に提供する。

 また、受信契約者から募集する参加者を対象に、1日16時間以内の範囲で、期間を限定してNHK総合/教育の番組を放送と同時にネット経由で試験的に提供する「試験的提供B」を実施。1回あたり1週間から3カ月以内で提供期間を定めた上で、1日16時間以内の範囲で実施する。参加者は数千人から1万人以内の規模。

 総務省はNHKへの認可条件として、業務の成果を民放など関連事業者からの求めに応じて共有することや、関連事業者との積極的な連携、市場競争への影響や受信料の公平負担を十分に考慮することなどを求めている。

 また、「試験的な提供」を段階的に行ない、結果を検証しつつ新たな提供を効率的に実施することや、財源は受信料であることを踏まえ、試験としての目的に必要な期間及び費用の範囲内で行なうことなどを示しており、毎年度の四半期ごとに、業務の実施状況を示す書類を総務大臣へ提出することを定めている。

 受信料を財源とした配信サービスについては、ユーザーに対して無料で提供される。なお、2号受信料財源業務の実施に要する費用は、各年度の受信料収入の2.5%が上限とされている。また、他の事業者を介して配信される第3号受信料財源業務の費用は、年額1億円程度を上限とする。

(中林暁)