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全録から“全自動”DIGAへ進化。パナソニック新BDレコーダ

約10万円からのレコーダ新提案。150kbpsでリモート視聴

 パナソニックは、8/4チャンネルのデジタル放送全番組録画「チャンネル録画」を搭載したBlu-ray Discレコーダ「DIGA DMR-BRX6000/BRX4000/BRX2000」を5月22日より発売する。価格はオープンプライスで、6TB HDD+8~10ch全自動録画対応の最上位機種「DMR-BRX6000」が21万円前後、4TB HDD+4~6chの「DMR-BRX4000」が16万円前後、2TB HDD+4~6chの「DMR-BRX2000」が10万円前後

DMR-BRX6000

 2014年のチャンネル録画対応モデル「DMR-BXT970/BXT870」からHDD容量の追加や、使い勝手や番組の検索性/操作性、スマートフォン視聴などを強化。8/4chのチャンネル録画に加え、3chの通常録画チューナのうち2chまでをチャンネル録画に割り当てられるため、DMR-BRX6000では最大10ch、DMR-BRX4000/2000では最大6chのチャンネル録画/全録が行なえる。

 今回パナソニックでは、録画機能だけでなく、番組の見つけやすさやわかりやすさ、利便性を中心に魅力を訴求。「チャンネル録画」や「全録」といったキーワードではなく、「全自動DIGA」として使いやすさをアピールしていく。

DMR-BRX6000
DMR-BRX4000
DMR-BRX2000

 ユーザー調査において、全録という言葉の認知度が低いことや、認知している人においても「そんなに録画しても見る時間がない」という意見が多く、そのメリットが伝わっていなかったという。

 そこで、新たに「全自動DIGA」というキーワードを提唱。好きな番組は自動で蓄積されていて、「見つけるだけ」、「全て見る必要がない」という点を打ち出して、新しいレコーダの利用スタイルを提案する。

 特に力を入れるのが、普及モデルとなる2TB+4~6ch録画の「DMR-BRX2000」だ。約10万円という実売価格は、通常のBDトリプルチューナ搭載BDレコーダとほぼ同水準となる。この価格帯で「全自動DIGA」を展開することで、「レコーダ」という製品カテゴリを再定義する狙いだ。

【14年モデルと15年モデルの比較】

14年モデル15年モデル
HDD容量5TB/3TB6TB/4TB/2TB
DR全自動録画(BXT970)
-(BXT870)
(BRX6000)
(BRX4000/2000
追加chのみ)
新着番組&お気に入り-
かんたん
ザッピング
-
はじめから再生-
重力センサー-
テレビ操作
4K動画保存/再生-
ファイル共有
(NAS)
-
スマホ視聴
DIGA新ラインナップ

“全自動”に進化したチャンネル録画

 3モデルの主な違いは、録画チャンネル数とHDD容量。また、BRX6000のみ3TB HDD×2を搭載するため奥行きは長めになっている。

 全録の「チャンネル録画」は、BRX6000が8チャンネル、BRX4000/2000が4チャンネル分のチューナを搭載。さらに、通常録画用のチューナも地上/BS/110度CSデジタルチューナを各3系統搭載しているため、合計チューナ数はBRX6000が11、BRX4000/2000が7となる。

 また、通常録画用のチューナの3系統のうち2系統をチャンネル録画に割り当て可能となっている。そのため、最大でBRX6000が10ch、BRX4000/20000が6chのチャンネル番組録画が行なえる。

 HDD容量はBRX6000が6TB(チャンネル録画3TB、可変HDD 3TB)、BRX4000が4TB、BRX2000が2TB。別売のUSB HDDも追加可能で、チャンネル録画にもUSB HDDを割り当てられる(最大4ch)。録画するチャンネルや時間に応じて、BRX6000のチャンネル録画領域は3TB~5.75TBまで調整可能。BRX4000は1TB~3.75TB、BRX2000は1TB~1.75TBまで割り当てられる。

 チャンネル録画は、MPEG-4 AVC/H.264のAVC形式で、2~15倍の長時間録画に対応。BRX6000のみチャンネル録画でも、MPEG-2 TSの放送波をそのまま記録するDRモード録画に対応する。BRX4000/2000は、通常録画用の2系統でのチャンネル録画時のみ、最大2チャンネルのDRモード録画が行なえる。

 DR以外の録画モードはチャンネルごとに設定可能で、チャンネル録画のch数を減らすと、録画日数を増やすことができる。

 通常録画でも、DRモードやAVC長時間録画に対応。おまかせ録画機能やBDへのダビング機能なども備えている。

 チャンネル録画/通常録画のいずれもオートチャプタに対応。録画番組のシーンの区切りごとにチャプタを設定。再生時の頭出しなどに利用できる。

型番BRX6000BRX4000BRX2000
チャンネル録画844
通常録画333
HDD6TB
(チャンネル用3TB+
可変3TB)
4TB
(可変)
2TB
(可変)
リモコンボイス&モーション新フルリモコン
標準録画時間8ch×7日
(5倍)
4ch×7日
(5倍/1.5TB)
4ch×7日
(8倍/1.5TB)
最大録画日数10ch×21日6ch×36日6ch×16日

再生操作や表示改善で“全自動”を演出

 操作性も大幅に見直しを行ない、再生メニューや音声操作のナビゲーション、リモコンのデザインなどを変更している。

 電源ON時の画面表示も、従来は「テレビ視聴画面」を表示していたが、新モデルではチャンネル録画の「新着番組」を表示。ライブ視聴よりも、蓄積した番組群を優先し、すぐに見たい番組を探せるように改めた。

新着番組

 リモコンにも[新着番組]ボタンを装備し、アニメやドラマなどのジャンルごとの人気番組や、[あなたへのおすすめ]、[録画数ランキング]などの人気番組、[話題のニュース]などを一覧で表示。新着のいつも見ている番組や人気の番組にすぐにアクセスできるようにしたという。

 [話題のニュース]を加えたのは、「ニュースを見る人は多いが、録画する人は少ない」ため、トピックに触れやすくする考えからとのこと。このあたりも「全自動DIGA」としての利用提案といえる。なお、ニュースの取得にはインターネット接続とWebサービスのDIMORA/Memoraへの会員登録が必要となる。

BRX6000とBRX4000のリモコン。新着番組やNetflixボタンを新搭載
'14年モデルBXT970のリモコン
ジャンル

 左右に画面遷移すると、より大きくジャンル別の新着番組を表示し、登録した検索キーワードでの番組検索などにも対応。また再生メニューの表示も進化しており、よく見る番組などを画面上部にオーバーレイしながら、ジャンルやキーワードから絞り込んで検索できるようになった。

 また、番組再生中にリモコンの上下左右を押すことで、時間やチャンネルをザッピングできる「らくらく番組ザッピング」にも対応。画面に番組情報を表示しながら、次/前の時間帯や隣のチャンネルに番組表や録画リストを表示すること無く、移行できる。

 さらに、チャンネル録画の連続再生にも対応。従来モデルは、番組再生が終わると、番組表に戻って選びなおす必要があったが、新モデルではテレビを見ているかのように自動的に次の番組が再生されるため、「よりリアルタイムの感覚」で楽しめるという。

 「はじめから再生」機能も新搭載。リアルタイムのテレビ放送視聴中でも、リモコンの[スキップ]ボタンを長押しすることで、番組の冒頭を呼び出して再生できる。

ボイス&モーションも大幅に進化。電源ONからボイス検索

 リモコンは、BRX6000/4000がボイス&モーション操作対応の新リモコン。BRX2000は赤外線リモコンとなる。

 BRX6000/4000のボイス&モーションリモコンは、リモコン背面のトリガキーを使って、ポインターのような感覚で画面の表示を選択し、操作できる。新たに重力センサーを搭載することで、リモコンが傾いている場合でも、ユーザーの意図に沿ったポインター操作が行なえる様になった。また、モーション操作で、番組の内容確認からダビングまで行なえるなど、操作範囲を拡大している。

音声でチャンネル録画番組を検索
検索結果

 リモコンのマイクを使った音声検索/操作も強化。BXT970の場合、「SMAP」というキーワードを入力したあと、「チャンネル録画一覧から検索」などの操作を行なう必要があったが、BRX60000では「SMAP」と入力すると、自動的にチャンネル録画一覧から検索するなど、確認を省略。より簡単な音声検索が可能になった。

 また、電源OFFからの一発再生にも対応。例えば「今日のマッサンを再生」と、リモコンに話しかけると、DIGAとVIERA(HDMI CEC対応テレビ)が自動で起動し、番組を自動再生する。

 さらに、Webサービス「Memora」の有料会員向けには、アジアカップの「ニュース」、SMAPの「出演シーン」などの音声検索も可能とした。

リモート視聴を150kbpsで実現。Netflix対応

 ネットワーク機能関連機能も強化。DTCP-IP/DLNAサーバー機能により、録画番組や放送番組を家庭内でスマートフォンやタブレットに配信できる「お部屋ジャンプリンク」に対応する。専用のアプリとしてiOS/Android向けに「MediaACCESS」を提供している。

 次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)によるリモート視聴機能「外からどこでもスマホ視聴」に対応。あらかじめ家庭内でアプリ「メディアアクセス(MediaAcess)」とDIGAの認証を行なっておくことで、同アプリ搭載スマートフォンやタブレットからの「外からまるごと視聴」が行なえる。通常録画番組だけでなく、チャンネル録画番組もすべて外出先からストリーミング再生できる。

 メディアアクセスも進化し、画質モードとして、新たに150kbpsまでビットレートを抑えた[150kbps(パケット節約)]を追加し、5段階で選択可能となった。その他のモードは最高画質(3.5Mbps)/高画質(1.5Mbps)/標準画質(650kbps)/通信優先(400kbps)。同社独自のアドバンストAVCエンコーダに、ネット最適VBR制御技術を導入し、映像フレームや画素ブロックなど局所的な困難度に基づくビットレート制御を行なうことで、低レートでも画質を改善しているという。

 これにより、150kbpsモードでは、1日1時間の視聴で一カ月間利用しても通信容量を2GBに抑えることができるため、他社のリモート視聴対応アプリより大幅に通信パケット量を節約できるとする。

 外で視聴した番組を[あとから見る]で登録して、自宅のテレビで続きを見る「あとから見る」やレジューム再生、シーン再生、ガラポンTVと連携した「番組コメント」など、メディアアクセスの機能も強化した。

 また、2015年10月にスタート予定の映像配信サービス「Netflix」にも対応。リモコンにもNetflixボタンを備えている。

4K/ハイレゾ

 2014年秋モデルから搭載したファイル共有機能や4K動画保存機能も搭載。パナソニックのビデオカメラ「WX970」や「GH4」、「FX1000」、アクションカメラ「A500」などで撮影した4K/30pまでのMP4動画ファイルをUSBやSDカード、Windows経由でDIGAのHDDで共有できる。パナソニック製品だけでなく、ソニーのAX100やXperia Z2、GoPro HERO 3+ BLACKなどの4K動画の保存も動作確認しているという。

 DLNAサーバー機能を備えているため、ホームネットワーク内のDLNAクライアントからDIGA内の動画/写真/音楽コンテンツの再生が可能。さらに、新たにNAS(LAN HDD)としても動作可能となり、Windowsのファイル共有機能を使って、パソコンからDIGAにドラッグ&ドロップでファイルコピーが行なえるようになった。

 ハイレゾサーバーとしても動作。FLACやDSDファイルのDLNAサーバーとしても利用できる。e-onkyo musicで購入したコンテンツの自動ダウンロード機能も搭載する。これも“全自動”の一要素としてアピールしている。

 新著作権保護のSeeQueVault対応USB HDDにも対応する。デジタル放送番組のバックアップのほか、4K動画ファイルや音楽のバックアップにも利用可能。

4K出力やMGVCに対応

 HDMI出力を装備し、4K(24p/30p)アップコンバート出力が可能。また、マスターグレードビデオコーディング(MGVC)にも対応。通常のBDビデオは24bit記録となるが、独自のビット拡張データをディスクに追加記録し、36bitのスタジオマスターに迫る高階調を実現する。

DMR-BRX6000の背面

 出力端子はHDMI×1と光デジタル音声×1。コンポジット映像入力やアナログ音声入力、i.LINK入出力×1などを装備する。SDカードスロットやUSBを備え、録画番組以外の写真や音楽などもDIGAに取り込み可能。また、新DIGAを購入時に、これまで使っていたDIGAの内容を新DIGAに「引っ越し」する機能も備えている。

 消費電力はBRX6000が51W、BRX4000が33W、BRX2000が約31W。待機時でクイックスタート[入]で、BRX6000が0.1W、BRX4000/2000が0.15W。外形寸法はBRX6000が430×309×68mm(幅×奥行き×高さ)、BRX4000が430×199×61mm(同)、BRX2000が430×199×59mm(同)。重量はBRX6000が約4.9kg、BRX4000が約3.2kg、BRX2000が約2.9kg。

BRX6000の側面
BRX6000と比較すると、BRX4000/2000は奥行きが短い

(臼田勤哉)