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スマホ初のLDAC対応、ハイレゾ再生も強化した「Xperia Z4」が今夏日本発売

 ソニーモバイルコミュニケーションズは、ハイレゾ音楽再生機能の強化や、スマートフォンでは初めてBluetoothの新コーデック・LDACをサポートした「Xperia Z4」を、今夏に日本で発売する。カラーはWhite、Black、Copper、Aqua Greenの4色をラインナップする。

Xperia Z4

 5.2型のフルHD液晶を備えたハイエンドモデル。液晶はX Reality for mobileで従来モデルのZ3と同じだが、輝度は向上している。CPUは2GHz/1.5GHzオクタコア「Snapdragon 810」で、新たに64bit CPUとなった。OSはAndroidは5.0を搭載している。パフォーマンスはZ3と比べ、約2倍になったという。

Copper
White
Aqua Green。青にも見えるが、角度によって緑が強くなる
Black

 ストレージメモリは32GB、メモリは3GB。LTEは225Mbpsに、無線LNAはMIMOを新たにサポートするなど、通信速度や安定性も向上。バッテリはZ3の3,100mAhから2,930mAhに少なくなっているが、バッテリ持続時間はZ3相当になる見込み。

 IPX5/8の防水機能も引き続き搭載。USB端子とイヤフォンジャックはキャップレス仕様になり、カバーを装着しなくても防水性が保たれている。USB端子は側面から底部に移動した。

USB端子は底部に移動した

ハイレゾ対応やBluetoothが強化

 Z4で大きく強化されたのはオーディオ機能。Z3も192kHz/24bitまでのFLAC/WAVが再生可能だったが、再生時に内部で96kHz/24bitにダウンコンバートして処理していた。Z4では新たに、192kHz/24bitのまま処理できるようになり、より音質を高めたとする。また、再生可能ファイルにAIFFが新たに追加された。

 CDからリッピングした音源やMP3などの音源を再生する際に、96kHz/24bitに拡張してから再生する事で、ハイレゾ相当のサウンドが楽しめるというDSEE HXも引き続き搭載する。

 Bluetoothにも対応。新たに、ソニーが開発した新コーデック「LDAC」にスマートフォンで初めて対応。既存のA2DPプロファイルのSBCコーデックが328kbpsで伝送を行なうところを、最大990kbpsで伝送。96kHz/24bitのデータもサンプリング周波数や量子化ビット数をそのまま圧縮するため、より高音質なワイヤレス再生ができるという。ただし、Bluetoothを受信する側の機器もLDACに対応している必要がある。

LDACをサポート。対応機器とであれば、高音質なワイヤレス再生ができる

 新機能として、接続したヘッドフォンに再生音を最適化する機能を搭載。有線のヘッドフォン/イヤフォンを接続した上で、「自動最適化」機能をONにしてしばらく音楽を聴いていると、スマートフォンがドライブしているヘッドフォンの挙動を検知、どのようなヘッドフォンが接続されているかというデータを収集する。高音の時にどう動く、低音の時は……といった様々な情報が必要なため、データ収集には少し時間がかかり、最適化が終了するとその旨の表示が出る。

自動最適化を行なう画面

 最適化した後は、接続しているヘッドフォンに最適な音質設定を施した上でサウンドを出力する。ただし、処理の重さなどの問題で、ハイレゾ楽曲の再生時にこの機能は利用できない。

 なお、複数のヘッドフォンを付け替えるような場合、接続されたヘッドフォンが過去に最適化の学習をしたヘッドフォンかどうかをチェック。該当するデータがあれば、それを適用しての再生に切り替わるという。これとは別に、ソニーのおまかせ設定で高音質な再生ができる「ClearAudio+」も利用できる。

 別売のノイズキャンセリングヘッドセットや、ウォークマンに同梱しているノイズキャンセリングヘッドフォンを接続する事で、デジタルノイズキャンセリング機能が利用可能。周囲の騒音を最大約98%カットできるという。

カメラ機能も進化

外向きのメインカメラ

 カメラ機能も強化。外向きのカメラは2,070万画素のExmor RS for mobileで従来モデルと同じだが、内側のカメラを210万画素から510万画素に強化。“自撮りブーム”に合わせて高画質化している。さらに、レンズも25mmに広角化し、4人が横に並んで撮影する際も両サイドが見きれずに撮影できるとする。

 撮影しているシーンを自動で認識し、設定を最適化する「プレミアムおまかせオート」が内側のカメラでも利用できるほか、内側カメラで動画の手ぶれを補正するインテリジェントアクティブモードも使えるようになった。セルフタイマー撮影時の秒数パターンも増加している。

 外向き/内向きカメラ共通の特徴として、テーマに合わせてカスタマイズできる「スタイルポートレート」が利用可能。美肌、Bubbleなど、スタイルを選んで顔に効果を付けて、アレンジした自撮りが可能。スタイルはダウンロードして追加できる。

 フロントカメラでは、顔の合成が可能な「ARマスク」機能を追加。撮影した自分の顔に、友人の顔や有名人の顔、動物の顔などを重ねて表示できるアプリで、男性と女性の顔を入れ替える事も可能。口を開くといった動作にも追従させる事ができる。

 外向きカメラはISO 12800の高感度撮影に対応。動画撮影時には電子式手ぶれ補正機能も利用できる。Z3と同様、4K動画撮影機能も備えている。

 「プレミアムおまかせオート」に、新たに「料理モード」を新たに追加。撮影しようとしている被写体が料理である事を自動認識し、明るく鮮やかな画像にする音で、料理の“美味しさ”を写せるとする。

Whiteモデル
Copperモデル

 PlayStation 4のゲームをネットワーク経由で遊べるリモートプレイにも引き続き対応。別売のアダプタでPS4のコントローラ「DUALSHOCK 4」とZ4を連結させ、DUALSHOCK 4操作とXperia Z4の画面で、別室にあるPS4のゲームをLAN経由でプレイできる。

デザインとアクセサリ

薄さは6.9mmになった

 外形寸法と重量は約146×71.9×6.9mm(縦×横×厚さ)、約144gで、Z3の約146×72.4×7.3mm(同)、約152gよりも薄型化、軽量化している。

 筐体にはアルミとガラスを使用した、「オムニバランスデザイン」を採用。Z3と比べ、側面に光沢を出しているほか、コーナー部には着色した樹脂の上に透明な樹脂を重ねる新たな加工方法を使っており、使い込んで傷がついても輝きや色味が失われないという。

上が従来モデルのZ3。下のZ4は側面の光沢が強くなり、コーナー部の処理も変わっているのがわかる

 側面のSIMカードとmicroSDカードスロットは1つのトレイにまとめる事で、開口部を1つに集約、シンプルな印象に仕上げている。

 USB端子が下部に移動したため、卓上ホルダも縦向きに本体を固定するタイプに変更。アクセサリとして、装着したまま通話を受けたり、カメラやミュージックプレーヤー機能にアクセスできるウインドウ付きカバー(SCR30)も用意する。

(山崎健太郎)