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Lotooの新ハイレゾプレーヤー「PAW5000」やゼンハイザー新ヘッドフォンなど

 5月16日~17日の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催されている「春のヘッドフォン祭 2015」。AV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催するイベントで、各社の新製品が展示、試聴もできる。ここでは新ハイレゾプレーヤー「PAW5000」を発表したトップウイングブースや、新密閉型ヘッドフォン「HD 630VB」を参考出展したゼンハイザーブースなど、6階の展示製品を中心にレポートする。

中野サンプラザ

新ハイレゾプレーヤー「PAW5000」などトップウイングブース

 トップウイングは、Lotoo(ロトゥー)ブランドのハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤー新モデル「PAW5000」の発表会を開催した。開発元の中国INFOMEDIAのLotoo担当マネージャーのXiao Qi氏がPAW5000の特徴などを解説した。

Lotoo PAW5000
INFOMEDIAのXiao Qi氏

 INFOMEDIAは、スイスのオーディオメーカーNAGRAのポータブルレコーダなどをODMで手掛けており、その自社ブランドが「Lotoo」となる。'14年12月にはDSD 5.6MHzなどに対応したハイレゾプレーヤー「PAWGold」(オープンプライス/店頭予想価格263,888円前後)を発売しているが、PAW5000はその「ジュニアモデル」という位置付け。

 「PAW5000」は、PAWGoldの高音質やパラメトリックイコライザなどの機能を継承しつつ、Bluetoothや2.5mmバランス出力などの新機能も装備。価格6万円以下を予定しているという。

 DACには、ADC兼用のTI製「TLV320AIC3105」を内蔵。DSD/FLAC/WAV/APE/OGG/AAC/ALAC(Apple Lossless)/MP3/WMAなどに対応するが、DSDは2.8MHzまででPCM変換を行ない、WAVは96kHzまでの対応となる。2種類のゲイン調整なども可能。SDHC/SDXCカードスロットを備える。

 ヘッドフォン出力は最大75mW(16Ω)。SN比は100dB以上。ライン/光デジタル出力(ミニジャック)やUSB 3.0も装備する。ディスプレイは2型の有機ELで、解像度は220×176ドット。バッテリ容量は1,700mAhで、DSDも12時間再生できるという。外形寸法は約98×55×20mm(縦×横×厚さ)、重量は110g。

 Xiao Qi氏は、PAW5000について「毎日持ち運ぶための製品」として、重量の軽さや操作性、バッテリ駆動時間の長さを強調。上位機のPAWGoldに無い特徴としては、2.5mmの4極端子に対応し、グランド分離出力が可能なこと。「PAWGoldは音質、性能を追求した製品、PAW5000は日々の持ち運びのための使い勝手とクリアな音にこだわった」と説明した。

Lotoo PAWGold(左)とLotoo PAW5000(右)

 トップウイングのブースでは、iFi-Audioの新DAC「iDAC2」を参考展示。7月発売予定で、価格は未定。バッテリーを搭載しない据置きモデルで、DSD 11.2MHzやPCM 384kHzまで対応。DACはバーブラウン製で、USB 3.0入力と、ライン出力(RCA)とヘッドフォン出力(350mW)、同軸デジタル音声出力を装備する。特にアナログ出力の音質強化に注力し、開発しているという。

iFi-Audio「iDAC2」

 また、6月下旬発売予定のコンパクトオーディオシステム「Stereo 50 Retro System」なども紹介している

Stereo 50 Retro System

ゼンハイザーは新ヘッドフォンやマイク付きMomentum On-Ear

 ゼンハイザーは、ミュンヘンで開催された「HIGH END 2015」で発表されたオーディオ向けで同社初という密閉型ヘッドフォン「HD 630VB」を参考出展している。1台だけだが、試聴機も用意し、人気を集めていた。海外では6月発売に、499ユーロで発売予定だが、日本での発売は未定。

HD 630VB

 ダイナミック型ユニットを搭載したアラウンドイヤータイプのヘッドフォン。再生周波数帯域は10Hz~42kHz。ハウジングに低音調整用のダイヤルを装備。50Hzを±5dBの範囲で調整し、ユーザーの好みの低音が楽しめるという。音量調整や再生トラックの制御用のボタンもハウジング部に備えているほか、マイクも内蔵し、スマートフォンと連携して通話にも利用できる。

ハウジング部に操作ボタン
内側は印象的なレッド

 ハウジングは軽量なアルミを採用。ヨークやスライダーなどにも高級素材が使われており、イヤーパッドは交換が可能。長時間の利用でも負担が少ない装着感を実現しているという。折り畳みに対応する。重量は400g。

折り畳みも可能

 また、Momentum On-Earと、Momentum Arround-Earのマイク対応モデルも参考出展。現時点ではGALAXYシリーズでの動作を確認しているが、今後iPhone対応なども検討しているとのこと。新たに折り畳みに対応した点も特徴となる。

マイク対応のMomentum On-EarとArround-Ear
Momentum On-Earがマイク対応に
マイク対応Momentumu Arround-Ear

LUMINは小型ネットワークプレーヤー

 ブライトーンのブースでは、LUMINの新コンパクトオーディオシステムを発表。今夏発売予定のネットワークプレーヤー「BT-NMP-01」と、ヘッドフォンアンプ「BT-HPA-01」、専用電源「BT-PWU-01」を紹介している。ネットワークプレーヤーとヘッドフォンアンプの価格は15~16万円前後の見込み。

ネットワークプレーヤー「BT-NMP-01」とヘッドフォンアンプ「BT-HPA-01」

 同社が取り扱うDSD対応のNAS「LUMIN L1」(2TB HDD/143,000円)と同等の、横に小さく奥行きが長い筐体を採用。無垢のアルミ材から削りだされた筐体により、振動や共振などの影響を排除している。専用電源は、ネットワークプレーヤーとヘッドフォンアンプ、LUMIN L1の3台に同時に電源供給可能で、単一キャリア素子の採用により、ノイズや熱の発生を抑えたという。

LUMIN製品でデザインを統一し、専用電源から電源供給

 ネットワークプレーヤー「BT-NMP-01」は、LUMIN Appで選択したNAS上の音楽ファイルを出力可能で、2.8MHzまでのDSDと、384kHz/32bitまでのPCM音源の再生に対応。DACはバーブラウンのPCM5102を搭載しているが、11.2MHz対応に向けて、旭化成エレクトロニクス「AK4490」を使った製品開発も進めているとのこと。

 ヘッドフォンアンプ「BT-HPA-01」は、同社のBTC(Balanced Transformer Convert)方式により、低域から高域までバランスよく再生可能としており、最大出力は2.5W×2ch、出力インピーダンスは40Ω。

JustEarも出展

 前回のヘッドフォン祭で注目を集めたソニーエンジニアリングの「JustEar」。「テイラーメイドヘッドホンという考えのもの、洋服を仕立てるように一人ひとりの耳の形に合わせてヘッドホンを製作する」のが特徴となっており、実際に会場で視聴や耳型採取などを行なっていた。

JustEar XJE-MH1/MH2

 購入者の好みや使用環境に合わせて作る音質カスタムモデル「XJE-MH1」と、あらかじめ3種類の音質バリエーションを用意したプリセットモデル「XJE-MH2」の2モデル展開で、価格はMH1が約30万円、MH2が約20万円となる。いずれも、バランスド・アーマチュア(BA)とダイナミックの2ウェイハイブリッド型。

 MH2については、会場で買うと、東京ヒアリングケアセンターの担当者が奥のスペースで耳型採取を行なっており、MH1については、月曜以降の視聴予約を受け付けていた。

RHAの新イヤフォン「T20」など

 RHAは、DualCoilダイナミックドライバを採用したカナル型イヤフォン「T20」を出展。今夏に発売予定で、価格は3万~35,000円程度の見込み。

RHA T20

 「DualCoilダイナミックドライバ」は、輪形のマグネットの同心円上に2つの独立したボイルコイルを配置。特別に設計された振動板を駆動するもの。外側のコイルは中高音~高音域、内側は中低音~低音域を担当している。

 ハウジングはメタルインジェクション加工で作られたステンレス製。フィルタの交換によって音をカスタマイズでき、リファレンスフィルタに加え、Bassフィルタ、Trebleフィルタも付属する。

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(臼田勤哉)