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パナソニック、第1四半期は純利益595億円。テレビは30億円の赤字

 パナソニックは29日、2015年度第1四半期(2015年4月〜6月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比0.3%増の1兆8,578億円、営業利益は7.0%減の765億円、税引前利益は31.9%増の727億円、当期純利益は56.9%増の595億円となった。

第1四半期の連結決算概要

テレビの通期黒字化は「順調」。液晶パネル増収増益

パナソニックの河井英明代表取締役専務

 パナソニックの河井英明代表取締役専務は、「ほとんどの事業において、社内計画を達成している。車載・産業向けやソリューション事業が伸張した。だが、為替影響もあり、増収を確保したものの、国内住宅市況の回復遅れなどがあり、全体で営業減益となった。実質売上減を、材料合理化や構造改革でカバーできなかった。また、重点事業としている大規模6事業部は、住宅関連以外は想定通り。住宅関連は市況の悪化で少し出遅れている。しかし、住宅関連市場は回復基調にあり、6月からは持ち直している。第2四半期は力強い回復が期待できる。全体としては順調にスタートしたと考えている」とした。

 地域別売上高は、円ベース換算では、国内が前年比4%減の8,251億円。海外では、米州が9%増の3,075億円、欧州が6%減の1,697億円、中国が前年並みの2,644億円、アジアが8%増の2,911億円。海外全体では4%増の1兆327億円となった。なお、現地通貨ベースでは、すべての地域でマイナスとなった。また、米州、欧州では、液晶テレビを除くと、実質増益とした。

車載や産業向けが伸長
地域別売上高分析(円ベース)
地域別売上高分析(現地通貨ベース)
要因別営業利益分析
営業外損益

 セグメント別では、アプライアンスの売上高が前年同期比3%減の5,990億円、営業利益は23%減の238億円。そのうち、テレビ事業に関しては、売上高が29%減の817億円、営業損失は前年同期には10億円の黒字だったが、マイナス30億円の赤字スタートとなった。

セグメント別実績

 同社では、2015年度のテレビ事業の黒字化を必達目標としているが、「北米および中国での販売絞り込みがあった。注力している欧州市場において、前年のワールドカップ需要の反動があった。欧州、中南米では為替悪化の影響もある。だが、欧州および日本では想定通りの動きとなっている」としたほか、「第2四半期以降は、テレビの販売が増加するタイミングに入ってくる。増販に期待したい。また、開発機種の削減による固定費の削減効果が第2四半期以降に出てくる。価格競争や為替リスクもあるが、コスト削減などにより、今年度黒字化に取り組む。第1四半期は、テレビ事業は、売上高、利益ともに、社内計画に届いており、黒字化に向けて第1四半期は順調なスタートになったと理解している」と述べた。

 アプライアンスについては、「テレビ事業の販売減があったものの、白物家電は堅調に推移。ランドリー・クリーナー、コールドチェーンなどが国内を中心に順調に推移している。アジア、中近東においては、エアコンが好調である。だが、為替環境の急激な悪化がある。海外で生産して、日本で販売する『持ち帰り』製品もマイナスに影響している」という。

アプライアンス(製販連結)
アプライアンスの個別事業実績

 AVCネットワークスの売上高は、前年同期比5%増の2,712億円、営業利益は前年同期の31億円の赤字から、51億円の黒字に転換。エコソリューションズは、売上高が4%減の3,702億円、営業利益が43%減の92億円。オートモーティブ&インダストリアルシステムズは、売上高が2%増の6,966億円、営業利益は35%増の285億円となった。

AVCネットワークス
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ

 「AVCネットワークスと、オートモーティブ&インダストリアルシステムズは、増収増益となった。AVCネットワークスでは、北米市場におけるバーティカルソリューションが好調であるほか、国内のセキュリティシステムを含む映像・イメージング事業を中心に増収となった。バーティカルソリューションは黒字化し、2年間の構造改革の成果、ソリューション事業の強化とともに、実売に結びついてきた点が効果としてあがっている。液晶パネルは、非テレビ向けを中心としているが、テレビ向けの引き合いも出てきている。非テレビ向けは前年比1.5倍、医療用などの産業用で1.7倍の伸びをみせている。液晶パネルは、増収増益となっており、3四半期連続で黒字化している。年間で黒字化を見込んでいる」とした。

 また、「エコソリューションズは、国内住宅市場の回復遅れ、ソーラーの市況悪化や、ハウジンングシステムおよびエナジーシステムの減収がみられた。オートモーティブ&インダストリアルシステムズは、重点分野である車載エレトクロニクスが好調であるほか、液晶、FAなどの車載・産業向けが増収。また、車載を中心とする研究開発費の増加を材料合理化、固定費削減でカバーしている」とした。

エコソリューションズ
エコソリューションズの個別事業実績

 全社規模での戦略投資については、当初計画通り、2,000億円の投資を計画していることを示しながら、「第1四半期は、いくつかの案件が進捗している。だが、下期の方に投資が集中することになる」とした。

大規模6事業部実績

 パナソニックでは、2015年度の重点分野として、エアコン、ライティング、ハウジングシステム、インフォテインメントシステム、二次電池、パナホームの6つの事業部の強化を掲げているが、「住宅関連が想定よりも遅れているのは確かだが、この分野も今後は売り上げ成長が見込まれ、6つの事業部において、年間見通しの達成に取り組む」とした。

 なお、2015年度の通期業績見通しは据え置き、売上高が前年比3.7%増の8兆円、営業利益は12.6%増の4,300億円、税引前利益は64.4%増の3,000億円、当期純利益は0.3%増の1,800億円。営業利益率は5.4%を目指す。

(大河原 克行)