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Netflix日本上陸。「課題は認知度。1年目は日本を学ぶ」

ヘイスティングスCEOも来日。視聴時間/月が最重要KPI

 Netflixは1日、9月2日のサービス開始に向けてメディア向けに説明会を開催。Netflix創業者のリード・ヘイスティングスCEOが来日したほか、Netflixオリジナル作品「センス8」に登場したペ・ドゥナや、「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」に出演したラヴァーン・コックス、ウゾ・アドゥバも登壇し、Netflix日本上陸をアピールした。

オリジナルドラマ出演者とNetflix経営陣。左から日本法人Netflixの大崎副社長、グレッグ・ピータズ社長、ウゾ・アドゥバ、ラヴァーン・コックス、ペ・ドゥナ、Netflixリード・ヘイスティングスCEO

 ヘイスティングスCEOは、1992年に初めて来日した時の経験を紹介。「来日して早速迷った(笑)。当時は駅の標識も英語がほとんどなく、スマートフォンも存在しなかった。その時、年配の方に少し訛りの英語で声をかけてもらい、道を教えていただいてようやくホテルまで帰りつけた。その方の名前を聞いておけばよかったと後悔している。というのも、当時は30歳の迷子の外国人だったが、今回は世界最大の映像配信サービスNetflixを日本で明日からスタートできるようになった。素晴らしい旅だ。Netflixが存在できるのはインターネットのお陰であり、ある意味電気よりインパクトが有るものかもしれない。Netflixはインターネットの僅かな一部だが、テレビをより便利に良い物にしていることを誇りに思う。是非Netflixを体験して欲しい」とアピールした。

Netflixリード・ヘイスティングスCEO

 センス8に出演のペ・ドゥナさんや、オレンジ・イズ・ニュー・ブラック出演のラヴァーン・コックスさん、ウゾ・アドゥバさんも来日。Netflixとオリジナルドラマの魅力をアピールした。

Netflixオジリナルドラマ「センス8」に出演したペ・ドゥナさん。「ソウルのシーンで出演しているが、ぜひセンス8を見て欲しい。韓国でもスタートして欲しい」と要望
ラヴァーン・コックスさん「オレンジ・イズは各国で支持されていて、熱狂的に受け入れられている。『あなたのためにパイを投げたわ』とか決め台詞も沢山あるので、番組をみてその意味をチェックして欲しい」
ウゾ・アドゥバさんは、「Netflixのクリエイティブフリーダムにより、自由に作られた作品を堪能して欲しい。笑って泣ける作品」と訴えた
20年前は迷子に……と、ヘイスティングスCEO

 リードCEOは、日本参入の理由を「大きなマーケットだから」と説明。直近の課題については、「日本でNetflixという存在を認知されていないこと。だから、まずは1カ月のフリートライアルで体験してらって、気に入ったら月に650円を払って頂く。1年目は学習期間。できるだけ多くの人に試していただき、日本の市場やユーザーに何が求められているか知ることがゴールだ」と語った。

鏡割りでNetflix日本上陸をアピール

【追記】9月1日21時に、Netflixローンチパーティ内で前倒しのサービス開始が発表された

コンテンツ数は非公開。視聴時間/月を重視

 日本のNetflixは、ベーシック(SD)/スタンダード(HD)/プレミアム(4K)対応の3つの料金プランを用意し、9月2日にスタート。月額料金はSDで650円、HDで950円、4Kで1,450円。

 なお、9月2日時点の作品数は非公開。基本的に配信コンテンツ数を公開することは無いとのことだ。コンテンツ調達を担当する大崎貴之副社長は、「吹き替えや字幕の手配などもあるので、初日以降もどんどん増えていく。初日でも、ご期待に添えるような作品数になると自負している」と強調。日本においては、興行収入なども邦画が洋画を上回っているなど、日本の作品を好む傾向があるため、日本市場向けコンテンツ調達には力を入れており、「大手でもインディでも、我々の考える“グレートストーリー”であれば、積極的に取り入れる」とした。

 日本法人Netflix株式会社のグレッグ・ピータズCEOも、「(日本スタート時の)点数は付けられないが、初日はある意味“最低”のNetflix。なぜなら、Netflixは使えば使うほど良くなるサービス、レコメンデーションでどんどん学習し、より良い物になる。また、スタートから90日間ぐらい、毎日多くのコンテンツが追加されるはず。それを見て、どれだけ我々が日本のマーケットに真剣なのかがわかるはずだ」と自信を見せた。

 なお、Netflixの事業で、最も重視しているのはKPI(重要業績評価指標)は、売上やユーザー数ではなく「視聴時間」とのこと。単純な会員数拡大ではなく、「使われること」、「どのように使われるか」を軸に据えているとした。

(臼田勤哉)