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ソニーは4K/HDR制作機器を拡充。0.7型有機EL VF登場、4Kメモリープレーヤー強化

 国際放送機器展「Inter BEE 2015」が、千葉・幕張メッセで開幕した。会期は11月18日~20日。出展社の中から、4K/HDR制作の機器や、ファイルベースのワークフローなどを紹介していたソニーブースをレポートする。

ソニーブース

4K/HDR制作環境、ドローン搭載4Kカメラ、有機ELビューファインダなど

 今回のInter BEEでは、4Kに合わせてハイダイナミックレンジ(HDR)映像の制作環境を提案。7月に発売した4K/HDシステムカメラ「HDC-4300」を紹介している。同製品と、4K映像のIP信号入出力を実現したマルチフォーマットスイッチャープロセッサー「XVS-8000」は、'16年に稼働するテレビ東京と中京テレビの新社屋設備での採用が決定している。

4K/HDシステムカメラ「HDC-4300」
Inter BEE会場向けにスカパー! がJCSAT-3A衛星で送信した4K HDR映像を受信して表示
HDR制作環境として、有機ELや液晶の業務用モニタ、テレビなどでSDRと映像比較

 11月18日より発売したSuper35mmセンサー搭載のXDCAMメモリーカムコーダ「PXW-FS5」は、重量0.8kg(撮影時約2.2kg)の小型ボディによる機動性の高さが特徴。手持ちでの撮影やハイ/ローアングル、ジンバル、ドローンによる撮影など様々なスタイルを提案している。

XDCAMメモリーカムコーダ「PXW-FS5」

 フルHDのマルチパーパスカメラ「HXC-P70」も展示。'16年1月発売で、価格は190万円。重さ約1.5kgの小型筐体に、2/3型の3CMOSセンサーを搭載。17Wの低消費電力で動作する。カメラコントロールユニット(CCU)との接続にも対応し、システム運用が可能。

 そのほか、0.7型/フルHDの有機ELビューファインダ「HDVF-EL30」も12月に発売する。3.5型液晶モニタも備え、価格は78万円。液晶無しの「HDVF-EL20」も50万円で発売する。これらの製品で「CRTに代わるデファクトスタンダード」を目指すという。

マルチパーパスカメラ「HXC-P70」
0.7型/フルHDの有機ELビューファインダ「HDVF-EL30」
有機ELビューファインダは、液晶付きと液晶無しの2モデルを用意

 '14年発売のNXCAM「HXR-NX3」は、ファームウェアを11月26日にVer.2.00へアップデート。記録フォーマットにXAVC Sを追加。最大50Mbps(MP4)記録に対応する。また、HDMI端子からの映像出力にRECトリガーを重畳し、外部接続レコーダをカメラの記録動作に連動させることが可能になる。

HXR-NX3をVer.2.00へアップデート予定
デジタル一眼「α7S II」(ILCE-7SM2)を、ショルダーリングやアクセサリーキットと組み合わせた撮影スタイル
ATOMOS製の4K対応SSD/HDDレコーダ「SHOGUN」も展示
4KカメラのF65と、8K出力対応ベースバンドプロセッサユニットなどを使った8Kカメラシステム

4Kメモリープレーヤー機能強化。光学ディスクのアーカイブシステム第2世代も

 6月に発売した4Kメモリープレーヤー「PMW-PZ1」は、'16年3月にVer.1.2へアップデート。XDCAMドライブ「PDW-U2」のプレビュー機能を追加する。HD SDIを4系統出力し、PCレスでSDIモニターを使ってプレビュー可能。「HDから4Kまで多様化する制作に柔軟に対応できる」としている。

4Kメモリープレーヤー「PMW-PZ1」をアップデート予定

 ファイルベース運用において、ランダムアクセスや堅牢性などを特徴とするオプティカルディスク・アーカイブの第2世代製品として、メディアとドライブを参考展示。第1世代の容量1.5TB/転送速度1Gbpsから、第2世代は3.6TB/2Gbpsへ進化。書き込み速度1Gbpsによる高速ベリファイ記録が可能で、XAVC 4Kデータをベリファイ記録/実時間以下で保存できる。読み出し速度は2Gbps。

オプティカルディスク・アーカイブの第2世代メディアとドライブを参考展示
第2世代製品の特徴と、今後のロードマップ

(中林暁)